後片付け
「ノクタァ!元気でなァ!」
そう言って呼び出された悪魔は帰っていった。
後に残ったのは……ラリッタの死体だ。
表示するのにはモザイクが必要だ。
「はいはい。ではまず魔力譲渡やっちゃうね☆」
シンシアの手のひらから黒いゴボゴボが漏れる。
その手のひらがラリッタだった物体に触れる。
「"肉体修復"」
みるみるうちに修復されていくラリッタ。
……こういうのもできるのか……
「"言語付与"」
使い魔フルセットを使うシンシア。
「シンシア様。いかがなされましたか。」
ラリッタはかがみ込み服従のポーズを取る。
ここまでコントロールできるとは、ちょっと驚きだよ。
「んー、とりあえずあなたたちの根城を教えて。」
「かしこまりました。」
ラリッタに案内されるまま街へ向かう。
雨はすっかり上がっていた。
「あの宿に4人分の部屋を取っておりました。半年契約です。」
「おーけー。リザルトーカーとプラストゲインもいるの?」
「はい。基本的には目立たぬように部屋にいます。」
「まあ根城がわかればいいわ。」
「いかがなさいますか?」
「ちゃんと殺す。あなたにも手伝ってもらうから。」
「かしこまりました。」
「ノクタ。お願いがあるの。」
「ん?」
「この街で一番大きいレストランを貸し切って欲しいのよ。」
「了解。何人分?」
「何人になるかわからない。私は今からダンジョン行ってくるから。」
「一人で大丈夫か?」
「ラリッタもいるから二人よ。」
そんなこんなで。この街で一番大きいレストランを貸し切った。
「……ずいぶん大所帯になったな……」
「そう?」
ダンジョンから帰ってきたシンシアは50人くらいの冒険者を連れていた。
「この街にネクロマンサーは二人もいらないってワケよ。」
「……ヤバそうだな……」
先ほどの宿まで全員を誘導する。
「じゃあラリッタ。行ってらっしゃい。」
「では行ってまいります。」
「バレないようにね。」
「大丈夫よお。」
あ、ラリッタの口調が戻った。
そのままラリッタは宿に入っていった。
「リザルトーカーっていわゆる僧侶なんだけど。」
「うん。」
「女性に対して相当だらしないのよ。」
「生臭坊主じゃん。」
「だからそれを利用するのよ。あ、あなたたちはここで待機。」
シンシアのアンデッド軍勢は宿屋を包囲し、待機。
そして俺はシンシアと二人、宿の裏にまわる。
「耳を澄ませて……」
宿の部屋から声が漏れてくる。
「トーカー。件の黒魔法使いは処分したわあ。」
「流石ですね……これで邪魔者はいないということです。」
「そうね……今からすることも、邪魔は入らない方がいいわあ。」
「同感ですよ……ではこちらへ……」
あ、このやり取り……
今からあいつら……
「そんなコト許すわけないでしょう?"死体爆破"」
ドッグアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!
轟音、地鳴り、悲鳴、肉の焦げる臭い。
そしてリザルトーカーの首が落ちてきた。
「"火葬昇華"」
死神が現れ、鎌が振り下ろされる。
「手柄より、実益ってね!」
リザルトーカーの死体は完全に消滅した。
殺した血だまり☆えぼりゅーしょんのメンバーはこれで3人目。残るは……
「最強勇者プラストゲイン。年貢の納め時っす。」
「お前ら……!」
「我々はナラザスに殺された者。全部お前の指示なんだろう?」
「クソ!剣は!剣はどこだ!」
「探し物はコレっすか?勇者の聖剣。」
「返せ!」
「返すバカはいないんだよなあ……なあみんな。」
「貴様の死に関われるとは。一回死んでみるもんだ。」
「俺は……俺は……」
「1対50。果たして何分持つかな?」
「シンシア様!命令を!」
俺とシンシアは軍勢の後ろの方にいる。
足手まといになりかねないからな。
「プラストゲインを殺せ!」
シンシアの号令と共に冒険者だった者たちが一斉に襲い掛かる。
流石プロの冒険者たちだ。1分も持たなかった。
「"空腹促進"」
血だまり☆えぼりゅーしょんを全滅させた俺たちは……
アンデッドと化した冒険者たちと食事をとった。
「いやあ、感謝するぜ!」
貸し切ったレストランは満席になった。
「俺たちのことは気にしないで、楽しんでください。」
……宴は一晩中続いた。彼らの肉体と魂は火葬昇華で送るのだろう。
今日は後1話更新します




