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vsナラザス②

「第2ラウンドといこうか!楽しくなってきたぜえ!!!!」



ナラザスのテンションは爆上がりだ。


奴は手持ちの武器を雑に地面に捨て始めた。



「……武器を捨ててどうすんだ?」



「まあお楽しみはこれからだなあ。」



まさかあの数の武器を持っていたとは思わなかった。


剣はもちろん、斧、メイス、暗器のたぐいまで。


ありとあらゆる武器を捨てた。



奴は素手だ。



狂戦士(バーサーカー)真髄(しんずい)を教えてやんよ……」



「素手で戦う気か?」



「はっきり言って俺様が一番強ええのは、素手の時だあ!」



ナラザスが一直線に飛び込んでくる。そこは前と同じだ。


これなら剣で受けるなんて余裕だな、芸がない。



「ハッハ!まさか同じだと思ったか!?」



ナラザスは俺の剣をむんずと(つか)む……そして。



 ボキンッ



……剣は折られてしまった。


剣を掴んだ奴の手のひらからは一滴の血も流れていない。



「お前も素手で闘え!それが決闘ってモンだろお!!」



唯一の武器を折られて、俺の心も折れそうだった。



……しかし。



俺はナラザスが捨てたメイスを拾おうと……


ちょっと待て!重すぎるだろこれは!


くそ、まさかこの重さの武器を大量に持っていたとは!



……ナラザスの足があんまり速くないってこういう理由か。



ということはだ。今の奴は足も速いってわけだ。


逃げるのも絶望的だな……


メリケンサック?のような暗器を拾いあげる。



「抵抗する。あくまでコブシで。」



そのまま装備。


覚悟、決めるしかないか。



「まあそれくらいなら許してやんよ!かかってきな!!」



言われなくても!俺はナラザスの顔面を全力でぶん殴った。


 ビシィ!


それは巨大な岩と錯覚するくらいの硬さだった


殴ったはずの右手首の骨が……折れてる。



「あ、ああああ……」



「ペインコントロールが出来るたあな!なかなかやるじゃねえか!」



勝てない。俺ではこいつに勝つことはできない。


俺の攻撃は効かない。必殺技もかすり傷程度で終わった。



決闘士(デュエリスト)に昇格推薦してやってもいいぐらいだ……ま。」



逃げる?いや逃げられない。追いつかれる。


まさか今さらむざむざ逃がすなんてことはしないだろう。



「もうてめえは生きて帰ることはできない。」



それに……


俺との決闘状態が解除されたらシンシアの身が危ない。



「不運を恨むんだな、俺様じゃなかったら生き延びれたかもなあ。」



こういう場面で隠された能力が覚醒するほど都合は良くないか。



「じゃあ、その右腕!いただくぜえ!!」



俺の右肩はナラザスに乱暴に掴まれ……そのまま引きちぎられた!



「ぐが!う……」



痛みがないからこそ、非常に気味が悪い感触だ……


さっきまで確かにあった重さがなくなる。体のバランスが崩れる。


利き腕を完全に失ったという恐怖と絶望……



俺の戦意は完全になくなり、膝が折れる。


第2ラウンド……俺の負けだ。



「ブラッドコントロールも出来るか!ガハハ、残念だったなあ!」



そしてそのまま、ナラザスは引きちぎった俺の腕を……



食べ始めた。骨ごと。



「ぼりぼり、むしゃむしゃ。」



イカレ野郎だという前情報はあった。



「ぼりぼり、むしゃむしゃ。」



……実際、とんでもないイカレ野郎だということがわかった。



「ぼりぼり、むしゃむしゃ。」



まさか人の肉を食うとは……



「ああー、やっぱり我慢できなかったぜえ。」



「この……バケモノが……」



恐怖と絶望で体が動かない。なんとか言葉を絞り出す。



「いいなあいいなあその表情!デザートには丁度いい!」



シンシア……



逃げろ。俺を置いて。



「さあて次はお嬢ちゃんの番だなあ!」




まずい!



「……私の肉も食べる気?」



「ああ、もう俺様は腹ペコでしょうがねえ!うまそうだなあ!」



「当たり前。私の肉は絶対に美味しいから。」



「楽しみだなあ、楽しみだなあ……」



「でもね……」



シンシアの瞳には、確かな戦意が。



「ノクタの腕なんて食べたら、食あたり起こしちゃうんだから!」



「ガハハハ!うまかったぜえ!最高の食事だった!!」



「……"死体(したい)爆破(ばくは)"!」




 ボン!



ナラザスの体の中から、何かの異音がした。



「あ、ああ、ああああ……」



ナラザスの鼻から血が流れる


ナラザスの耳から血が流れる


ナラザスが口から大量の血を吐き出す



「な……なんで…………」



ナラザスはゴボッゴボッと吐血を繰り返す。



「なんで……使い魔ふぜいが……冒険者タグを…………」



ナラザスは倒れた。


同時に俺の意識も途切れる。

ギャグを入れたい衝動で手足が震えています

でもダメだから……

戦闘中にギャグは緊張感がなくなるから……

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