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ジェネレーションギャップとエアクリ洗浄

 週が明けた。

 一昨日は、ようやく優子のR32が完成して、疲れたんだけど、正直、充実感の方が大きかったんだよね。

 だって、あのボロボロで、タイヤが蒲鉾みたいな形してた、R32の形をした粗大ゴミが、真っ白なピカピカボディで、颯爽と走り出したんだよ!


 正直、まだナンバーが無いから、テスト走行とかできなかったんだけどさ、早いところナンバー取らせて、私も乗ってみたいんだけど。

 柚月が言うには


 「RB20DEは、4000rpm以上の、突き抜けるような回転フィールが、たまらなく良いって訊くよ~、爆発的な速さは無いけど、気持ち良いんだって~」


 なんて話だからさ、やっぱりそれを楽しみたい訳よ。

 確か、昨日見た動画投稿サイトで見たR32のCMでは


 『気持ちのいい車を、超感覚スカイラインと言います』


 なんてキャッチコピーだったしさ、気持ち良いなんて言われたら、ちょっと試してみたくなるじゃん、しかも、CMに出てたのって、私と同じ赤だったしね、4ドアだったけど。


 さて、今日からは、心機一転、部も新たな活動に入るよ。

 今日は週最初の活動だから、部室にみんな集合して貰って、今週の活動について発表するよ。


 『シルビアの整備と車検取得』


 黒板に注目だよ。

 先週、手に入ったシルビアは、今後、部の連絡やお遣いに外に出る際の足として使うことに決まったから、それにあたって、車検とナンバー取得を目指して、整備に入るよ。

 年式も、比較的新しくて、荷物も入るし、使い勝手に優れる車だから、存分にその威力を発揮させようと思ってるからね、期待してね。

 まぁ、練習車としても使うと思うけど、似た位置づけの部車で、タイプMがあるからね、こっちも調子はバッチリだから、外行きのシルビアは、あまりボコボコにしたくないかな……。だから、練習車としては、あくまでタイプM不調時の予備だよね。


 そのボロい外観については、だって?

 そこは色々考えるけど、しばらくはこのままかな。

 悠梨に塗って貰うってのも手なんだけど、そこを打ち合わせてみても、元の色のブルーは調合が難しいし、黒に合わせて塗ると範囲が広いからね、それに外に乗っていく事を考えると、すぐ剥げちゃうようなのだと、また塗り直しだしね。

 え? 元の色は深緑じゃないのかって?

 これはね、グリニッシュ・ブルーって言う青なんだよ。

 近づいてみて、陽に当ててみると、青に見えるでしょ、そう、これは緑っぽく見える青だから、調合が難しいんだって。


 まぁ、懸念は外観の部分だけか、まぁ、でも色合い的に暗い色同士だからさ、そこまで悪目立ちしないから良いんじゃね? て、ことでいこうよ。


 それで、整備には今日から入るんだけど、登録に関しては、私と()()()で、明日、水野と打ち合わせてくるね。

 よし、早速整備なんだけど、今日は、プラグ交換と、エアクリーナー洗浄をして、明日からブレーキのオーバーホール関係をやっていこう。

 

 それと、明日から並行して入って貰うのが、GTEの床の錆取り作業だね。ディスクグラインダーはあるけど、2台しかないから、ディスクグラインダー係と、紙やすり係の、2班に分かれてやっていくようになっちゃうね。


 じゃぁ、今回は、1、2年生は、どの担当になるか、くじ引きにしたよ。今週は、通しでS14整備担当と、GTEの床担当、エッセとプレミオの外装担当ね。GTEの床担当が、嫌がられるだろうから、運転練習時間が一番長いっていう、特典がついてるからね。


◇◆◇◆◇


 私は、S14の担当に回った1、2年生の娘達に、整備の説明をしながら、実際にやって貰ってるんだ。

 

 そうそう、プラグはそのカバーを外して、中にある、ダイレクトイグニッションコイルを外して、そうそう、その10mmのボルトを外して……って、見てみて思ったけど、シルビアのイグニッションコイルの方が、外しやすくね? R32のって、3気筒分、まとまって外すようになってたよね。

 その上で、1本ずつ更に外したのに、こっちは1気筒毎に、ボルト1本で留まってるなんてさ、不公平じゃね、プラグカバーへのアクセスといい、シルビアにひいきしてるよね。


 それでね、プラグの先端は、キツネ色になっているのが、正常なんだけど……って、キツネ色って、どんな色かって?

 華のJKの中でも、ジェネレーションギャップを感じちゃう瞬間ってあるよね。

 キツネ色の説明かぁ……う~ん……そうだねぇ、お稲荷さんとか、エビフライの衣の色、みたいな感じで良いかな?


 話を戻すと、ホラ、このプラグは真っ白でしょ、つまりは、正常じゃない、ってことなんだよ。

 だから、新品に交換します。磨くって手もあるんだけど、錆びてたりして、随分古そうなプラグだから、これを機に、新しくした方が良いでしょ。

 なので、この新しいプラグと交換しちゃうよ。

 よく見ると番号が違うって、よく気がついたね。

 この数字はプラグの熱価と言って、低くなるほど焼けが良くなり、高くなるほど放熱性が高くて、冷えが良くなるんだって、ただし、高性能エンジンになって、プラグの温度が高くなると、プラグが熱で勝手に着火する現象が起こるんだけど、熱価の高いプラグの方が、より起こりにくいって言われてるんだ。

 なので、この高性能エンジンには、プラグの熱価を上げてみようという話になったわけなんだ。分かった?


 その間に、柚月が同じように1、2年生にエアクリーナーの洗浄をして見せてるよ。

 ふむふむ、あのエアクリーナーは、洗浄スプレーを吹いて、しばらく置いて汚れを浮かせてから、内側から弱い水で洗い流して、乾かしてから、最後に専用のオイルを塗布するのか……私のエアクリーナーと違って、結構面倒な方式なんだね、でも、繰り返し使えるってところでは大きいかな。


 よし、明日からは、ブレーキ系のオーバーホールっていう、ちょっとした重整備に入るからね。

 今日の作業はおしまい、柚月ー、練習走行の同乗お願い。

 え? 私が乗っていいのかって?

 変なことしなければ良いけど、もし、また変なことやらせたりしたら、マゾヒスト部に入部っていう事で、ここから追放するからね。


 「私は、マゾヒスト部じゃないやい~!」


 でもって、約束を守らなかったら、マゾヒスト部にするからって、言ってるの。

 言っとくけど、私、わりあい、マジだからね。


 よし、作業は終わったから、あとは、明日以降の作業の見通しと、どのタイミングで登録に行くかってことだよね。

 もう、ブレーキのオーバーホールキットは来てるから、明日は、ブレーキとマスターのオーバーホールをして、次の日は冷却水の入れ替え、くらいかな?

 

 そうだ、書類を一度確認しておこう。

 車検証入れごと、残ってるんだ。解体屋のおじさんが言ってたけど、この手の部品取り車だった車で、それは珍しいらしいよ。

 『登録識別情報等通知書』って車検証と同じ青い紙が入ってるね。元々のナンバーと持ち主の名前、住所が書いてあるよ。

 備考欄に、一時抹消登録って書いてあるね。

 それによると、平成31年だから、2年前に抹消されたらしい、その時の走行距離が12万6千キロで、平成29年時から1万キロくらいしか増えてないね。と、すると、前の持ち主は、年間で5千キロくらいしか乗ってなかったみたいだね。


 初度登録年月ってところが、新車登録の年月だよね。それによると、平成7年9月かぁ……とすると、以前訊いた話から判断するに、中期型の区分に入るんだね。

 取扱説明書があるよ。へぇー、運転の仕方から載ってるんだね。エンジンのかけ方や、オートマチックや、マニュアルの操作の仕方、サイドブレーキを下げて走らせる……なんてさ、免許持ってれば知ってるんじゃね? ってレベルの事まで書いてあるよ。

 結構分厚くて立派な説明書を読んだ後で、車検証のもう1つのポケットから、1冊の冊子が出てきた。

 『保証書 整備手帳』って書いてあるよ。それと日産のロゴだね。

 私は思わず、その冊子を椅子に座ってゆっくり開いた。


 お読み頂きありがとうございます。


 『シルビアも基本作業の簡単さに嫉妬!』『今後の部車の住み分けはどうなるの?』など、少しでも気になりましたら【評価、ブックマーク】頂けますと、モチベーションアップに繋がります。よろしくお願いします。


 次回は

 ひょんなことから、シルビアの前オーナーの足跡を知った舞華。

 シルビアの使われ方を推察していきます。

 お楽しみに。

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