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Ep.40 脳筋誘拐犯のなんとかなれパンチ

なんとかなれーッ!(超火力防御無視パンチ)

「で、私がこう手をかざすと……」

「おお」


 巨大なピラミッドの入り口に狂夜が手をかざす。すると、私たち2人の手に青白いエネルギーのような何かが浮かび上がった。


 どうやらこの状態だと、塞がっている入り口をすり抜けて内部に入れる……らしい。



 というわけで、2人で無駄にクソでかいピラミッドに侵入した。そういえば現実のピラミッドもすごいデカいよね、あれ。


 私も死んだらあれぐらいデカい墓に入りた……いや、やっぱ永遠に生きたいわ。不老不死最高!









極限(リミット)ダンジョン:【ヨイタウ王の金字塔】———地上1階



 眼前に見えるのはゴーレムのようなモンスター……それも2体。深く観察すると『【ヨイタウ下級ゴーレム】Lv.99』の文字が浮かび上がる。


 なるほど、情報通りだ。明らかに今攻略できる前提のダンジョンではない……だからこそ、今攻略してさっさと初回クリア報酬とかが欲しい。

 メインストーリーに関わってるクエストっぽいし、なんかいい感じの報酬あるだろ。多分。


 

「じゃあここは私が……」

「待って、狂夜。あれレベル99だよ」

「え? そうなの?」


 ここは一旦私に任せてくれよ。丁度試そうと思ってた武器もあるからね。



 銃は武器判定にはなっているが、“装備”しないでも基礎機能は使える。


 本体の効果……火属性ダメージを追加で与える機能は使えないが、これはカスダメでしかないと本人(ヒバナ)も言っていたので問題ない。



「試し撃ちといこうか」



 ポン!

 気の抜けた音が鳴ると同時、私の手に持った赤い銃から弾が発射され———





 『ぽてっ』という音と共に、ゴーレムがそれを手で弾き飛ばした。おもちゃか?


 クソが、とんだ不良品を掴まされた……いや待て、速度自体は結構良かったんだよなこれ。



 問題は威力……防御無視とか装甲貫通とか、そういうのが弾に付与されてたら……これ弾にエンチャントできるのか?

 というか、銃は少なくとも武器カテゴリだからエンチャントできるはず……弾はどうだ?

 弾にエンチャントした場合はちゃんと効果を発揮するのか?


 ……この辺りはヒバナと話し合って色々調べてみるとしよう。少なくとも今はどうしようもない。



『ギ、ガガガガガ……ビャッ!』


 ゴーレムの単眼から赤いレーザーが放たれる。まぁこっちもシャマザリエ撃破で一気にレベル100まで到達したからね。全然避けるのなんてよゆ……余裕だよ!



「なんか今ギリギリじゃなかったかい?」

「うるさい」


 使い物にならない銃をインベントリにしまい込み、百本の剣を錬成する。やっぱ防御無視一点集中が一番強いんだよなぁ……!



「【天終】!」

『ギゴォォォォォォ……』


 一撃でゴーレムは崩壊し、私はもう1体のゴーレムに狙いを定める。今度は魔法で倒そうじゃないの。



「7重……〔独自(オリジナル)超過(イクシード)・マナ・ランス〕!」


 魔法コマンド:独自(オリジナル)

 これを頭につけた場合、本来は発動に失敗してしまうオリジナル作成魔法を使えるようになる。


 今回使ったのは〔マナ・ランス〕

 毎回隕石撃ちまくってたら周囲への被害がヤバすぎるので、なるべく他に影響を及ぼさず……かつ単体相手に高威力の魔法を使いたいと思って作り出した魔法である。


 まぁ名前の通り魔力の槍を一本放つだけなのだが、無駄に複雑な魔法陣に編み込まれた魔力式により【天終】以上の防御無視効果を発揮してくれる。



 気持ちのいい音を立てて、2体目のゴーレムもバラバラに砕け散る。

 ゲーム開始時点ではあんなに遠かったレベル99が、今やこんなことに……


 あのアビスウルフとかいう奴はやたらと素早かったから強さのベクトルが違うような気もするが、まぁそれはそれだ。



「よし、先に進もう」











◇大扉前


 やたらと湧き出てくるゴーレムを撃退し続け、ようやく1階の最奥にまで辿り着いた。


 攻略組……つまりはラピスお抱えのクランのプレイヤーたちはどうやらここで攻略を諦めたらしく、これ以降の情報はない。


 まぁどうせ『ゴーレムがたくさん出てくる』以外の情報とか無かったし誤差だね。



「さて、情報によると30秒経過で激強ゴーレムが大量湧きするらしいけど……」


 ライオンのような模様が刻まれた巨大な扉が目の前にあった。隙間はキッチリと閉じられており、わざとらしく錠のような紋様が浮かび上がっている。



『力を示せ……』


 その言葉と共に、地面からパズルのような何かが現れた。めちゃくちゃ複雑そうだ。これ30秒以内に解くのは無理だろ。


 



「なるほど……力を示せばいいんだね?」

「ん?」

「【フルメタル】【ヴォイドオーラ】【マキシマム・チャージ】【インペリアル・アーマー】【ガードブレイカー】〔エンチャント:パワー〕……【ウルトラクラッシュ】……

「え、何してんの」

「なんとかなれーッ!」


 大きく拳を振りかぶり、狂夜は壁を全力で殴った。



 小気味良い音が響き、ライオンの紋様が光り輝く……が、扉はびくともしていない。な、なんで急に殴ったの……?



「え? だって力を示せって言ってたじゃないか……何か間違っているかい?」

『力はここに示された……偉大なる王の試練を授けよう……』

「えぇ……?」


 なぜか扉も開いたし……え? じゃあこのパズルなんだったの?



「よし、じゃあ先に進もうじゃないか」



 ……えぇ?








◇ヨイタウ王の金字塔———地下1階



『フォッフォッフォッ……フォォォッ!?』


 意思を持った棺桶みたいなモンスターを、火の魔法で焼き殺す。やっぱ火属性魔法は火力高いなぁ……



「ふふ、やはりキミのことを見てると心が安らぐね……もっと私に見せて欲しいな?」


 なんか流れが急な気はするけど、そんなに言うなら見せてあげよう。



 今から使うのは、オーヴァを陥落させた時に獲得した……少々特殊な新たなオリジンスキルだ。



 その名も……【Obsession Chronicle】



「【願いも嘆きも記憶の中に】【記せ】【綴れ】【顕現せよ】———【Obsession Chronicle】」



 私の開いた手の中に、そこそこ大きめな本が出現……召喚される。



—————————————————————

オリジンスキル【Obsession Chronicle】

消費MP:1000

CD:0

《詠唱》

【願いも嘆きも記憶の中に】【記せ】【綴れ】【顕現せよ】

《能力》

・特殊アーティファクト【Obsession Chronicle】を召喚する。このアーティファクトは5分間持続し、その後消滅する。このアーティファクトは同時に1つまでしか存在できない。


特殊アーティファクト【Obsession Chronicle】

《能力》

・不壊

・このアーティファクトの使用者は【固執魔術】を行使できる。

・【未解放】

・【未解放】


スキル【固執魔術】

消費MP:任意

CD:1s

《能力》

・任意の現象を再現した魔法系スキルを行使できる。消費するMPは現象の大きさによって変化する。

・使用中、このスキルの名前は再現した現象に応じて変化する。

—————————————————————



 ———これ魔法コマンドの『独自(オリジナル)』使えば良くね?



 ……いや、まぁ使ってみないと分からないし……とりあえずやってみよう。


 私は手を新たに現れた棺桶モンスターに向けて———



「【クリア・ランス】」

『フォッフォッフォッ!?』


 魔法の槍は、モンスターを貫いた。






 ———これ、『独自(オリジナル)』でよくないか?

極限(リミット)ダンジョン】

レベル100推奨ダンジョン。このゲームにおいて『極限(リミット)』という単語はほとんどの場合でレベル100のことを指す。


【魔力式】

特定の現象を引き起こす、魔力波の上位層。防御無視の魔力式は複雑で、それを解説した本も存在しない……が、【天終】の効果と内部で引き起こされている事象をヒバナ謹製のマナウェーブスコープで解析、アステリアはそこから魔力式を逆算して求めることに成功した。


【力を示せ】

クリア方法が2通りある。パズルを解くか、一定以上のダメージを一撃で与えるか。


【Obsession Chronicle】

スキル判定です! 主張点はあります!



よかったらぁ! 下の方からぁ! ☆☆☆☆☆で評価してくれると嬉しいなぁ!

面白かったらでいいからさぁ!

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