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野球はスリーアウトから  月見草シーズン  作者:


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22/31

逆転

 プロ野球やきゅうのリーグせんもいよいよ終盤しゅうばんだ。今日きょうにも優勝ゆうしょうチームがまるかもしれない。


 そんななか試合しあい九回きゅうかいうらまですすむ。


 選手せんしゅたちはベンチでそわそわしていた。


 いまのところ一点いってんけている。


 ここで代打だいだふだ登場とうじょうだ。この選手せんしゅ最近さいきん絶好調ぜっこうちょう維持キープしている。


 ツーアウトだが満塁まんるいだ。三塁さんるいにいる選手せんしゅ二塁にるいにいる選手せんしゅは、どちらもあしはやい。ヒット一本いっぽん二人ふたりとも、ホームベースまでかえってくることができるだろう。


 逆転ぎゃくてん準備じゅんびととのった。それをしんじるファンのこえが、野球場やきゅうじょうつつんでいる。


 もしも逆転ぎゃくてんなら、そこで試合しあい終了しゅうりょうだ。それと同時どうじに、自分じぶんたちのリーグ優勝ゆうしょうまる。


 そういうわけで、選手せんしゅたちはそわそわしていた。


 あたまなかでシミュレーションをはじめる。優勝ゆうしょうまった瞬間しゅんかん、すぐにベンチをすのだ。これは優勝ゆうしょうにはおまりの光景こうけい。そのあとにグラウンドのなかで、監督かんとくどうげするのだ。


 ここで相手あいて投手ピッチャー失投しっとうした。ちごろのボールが、ストライクゾーンのどなかんでくる。


 代打だいだのバットから快音かいおんひびいた。ボールがバックスクリーンへとんでいく。


 勝利しょうり確信かくしんして、選手せんしゅたちはベンチからした。すこはやいかもしれないが、あれはホームランだろう。逆転ぎゃくてんだ。ということは、自分じぶんたちの優勝ゆうしょうだ♪


 ところが、きゅうにボールが失速しっそくした。


 ちてきたボールを、相手あいてチームの選手せんしゅがキャッチする。ホームランではなく、センターフライだ。スリーアウトでゲームセット。


 つまり、この試合しあいけてしまった。優勝ゆうしょう決定けってい明日あす以降いこうに「おあずけ」だ。


 けれども、すでに選手せんしゅたちはベンチをしている。歓喜かんき表情ひょうじょうで、両腕りょううでを「Vの」にげていた。


 期待きたいしていたのとはぎゃく展開てんかいになってしまい、あわててあしめる選手せんしゅたち。


 そのあと、客席きゃくせきのファンとってしまう選手せんしゅもちらほら。


 どうにも、まずい空気くうきながれる。


 つぎ瞬間しゅんかんだった。


 コーチがベンチからさけぶ。


まわれーみぎー!」


 選手せんしゅたちはハッとして、そのこえしたがう。ベンチのほうへと、一斉いっせいきをえた。


まえにーすすめ!」


 コーチの指示しじ全力ぜんりょくダッシュだ。みんなでベンチにもどってくる。


 この展開てんかいに、客席きゃくせきからはわらいがこった。


 試合しあいにコーチは真面目まじめかおで、記者きしゃたちにかたる。


「あれは優勝ゆうしょう予行よこう練習れんしゅうだ。練習れんしゅう本気ほんきまないものは、本番ほんばん失敗しっぱいするとかんがえている。今日きょう予行よこう練習れんしゅうができた」


 そして、つぎ言葉ことばでしめくくる。


本番ほんばんをおたのしみに」


次回、警官たちの特別作戦。

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