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記憶の向こうにある幸せ  作者: みやび68


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第7話

夕食が終わり、何気なくテレビを眺める。


「あら、この俳優さん⋯澪、好きだったわよね?」

「えっ⋯?あ⋯うん⋯」

「どうした?今は好きじゃないのか?」

「いや⋯好き、だよ⋯たぶん⋯」

「⋯?たぶん?」

「⋯よく、わからなくて⋯」


心配そうに見つめてくる両親に、曖昧な笑みを浮かべる。


「⋯最近、自分がわからなくて⋯」


言葉を探しながら、ゆっくりと呟く。


「⋯過去の事とか⋯好きなものとか⋯」


口にすると、段々と自分が情けなく思えてくる。


「っ⋯変、だよね⋯」


思わず涙がこぼれそうになり、慌てて俯き目を閉じる。


「⋯澪、自分を見失うのは辛いよな⋯」

「そうね⋯自分がわからないって不安よね⋯」


お父さんとお母さんの優しい声に、涙が溢れ出す。


「っ⋯」

「でもね、澪⋯好きなものがわからなくても、幸せになれるから⋯」

「そうだな⋯今は、受け入れられないだろうけど⋯」

「っ⋯幸せに⋯なれるのかな⋯?」

「なれるに決まってるだろ⋯澪は、優しい子なんだから⋯」

「そうよ⋯それに、幸せって自分が決める事だもの⋯」

「っ⋯自分が決める⋯?」

「ええ⋯私は、人から見て幸せかどうかより⋯自分が幸せだと思えるかどうか、それが大事だと思うわ⋯」

「だから、今すぐは無理でも⋯自分を受け入れたら、幸せになれるんだ⋯」

「っ⋯」


声にならず、黙って頷く。


ずっと不安だったものが、少しだけ軽くなった気がした⋯

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