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27~2


 桜 ~手の届かない花~


 特別で美しく清廉な色を持っている桜のようでいられる人間はいません。

 だから桜色のキャンパスを人は欲してしまうのでしょう。



 大人 ~得ることで失うもの~


 子どもの頃の綺麗な純白を、彼は懐かしんでいるのでしょうか。

 いえ、懐かしんでいるのかなると、それはまた違っているのでしょう。

 何かを得ながら、何かを失ってしまっていることを、失わなければ得られないことを知ってしまっています。

 光には影があるから、難しいのですね。

 美しい色で染めているつもりなのに、いつの間にか汚れてしまっているのですから。



 初心 ~初めてだから~


 知識を得れば、知らなかった純情さは必ず消えることになります。

 その染色は必ず有意義に働くものではありましょうが、そうしてその時々を刻むことは大切に決まっていましょうが、知らないという特性が失われてしまうことも事実なのです。

 経験の貴さというのはそう言うところにあるのでしょう。



 性別 ~愛に理由なんて必要ないわ。夢にも、欲望にも、同じことよ~



 月 ~月がまっすぐに光るとき~


 いつだって静かに見守っているだけのはずの月が地上に光をとどけるときには、本来ならば人が知らないはずのことを、どうしても必要で教えるしかないというわけでしょう。

 月の光は、例外として、白を取り戻させることがあるのかもしれません。

 月白の色が、全てを浄化することも、あるのかもしれません。



 記憶喪失 ~一方通行の恋心~


 彼女は魅せ付けられてしまったのでしょう。完全に。

 心を許して全てを染めきってしまい、まさかそれがなくなるものだとは思いもせずに、白いところを残しておかなかったのでしょう。

 それがどのような結末を招くか、彼の愛が彼女が信じていたとおりの色褪せることのないものだったとしても、永遠ではないことを彼女は予測しておくべきでした。

 運命はそこで彼女に試練を与えたのかもしれません。



 矛盾 ~刹那の永遠~


 自分が知らない時間、そして過ぎ去ってしまった時間というのは、あまりにも短く感じられてしまうことです。

 どれだけ長い時間も、一瞬に感じられてしまうことなのです。

 永遠とはひどく刹那的なことなのですよ。


 千年を過すとも、一夜の夢の心地こそせめ。


 そういうものです。

 刹那であるから価値があり、一瞬一瞬を楽しもうと努力のできることなのです。

 長いと思えば長いものですから、それをそうと胡坐を掻いて、浪費ばかりしたとしたらば、終わりに気付いて神様の救いを得られないところなのかもしれません。

 無常観は人のヤル気を奪うものでもありますが、人の心に火を点けるものでもあります。

 明日死ぬつもりで、広い心で、永遠に生きるつもりでいつだって努力をするのです。



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