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人生 ~たった一度を楽しもう~
自分のやりたいことをそう言うことができて、自らの意志で目指すようなことができようものならば。
そういう意味では、芸術家というのは素晴らしいものだと思う。
評価など得られていないでも、芸術家というものはただそうであるだけで、自分の好きなことだけをしていられるのだ。
人の上に立つようなことばかりよりも、何よりも素晴らしいものだとすら思えた。
たった一つ好きでいられたらそれでいい、そうは思っていながらも、僕自身それが簡単ではないこともわかっているのだろう。
そうでなくちゃ、ここに不安はないはずだからね。
運命 ~避ケラレナイ運命ナドナイ~
本当にそうかな。努力で何もかもどうにかできるものかな。
どこで何をしていたら、僕は家族を喪わずに済んだのかな……。
「すみません」
なぜだかあなたが謝った。
「大切な人にそうも悲しそうな顔をさせるとは、なんたる力不足」
「そんなの、あなたが悪いわけないじゃないですか」
「いえ! そう言っていただけるのは嬉しいことですが、幸せにすると誓って信じていただいた愛、この我が儘に付き合っていただいているとも言えるようなこの夢のような恋の中で」
「私の気持ち、まだ信じてくださらないのですか?」
あなたの言葉を遮って、強い語気で僕は尋ねる。
何もあなたは答えてくれない。
まだ、信じてくださっていないということですか。
何も信じないというのは、そういうことなのではないの?
「あっそうです!」
思い悩んでいるかと思えば、手を叩いてあなたは何か思い付いたご様子。
「それなら愛を見せてくださいませ。信じざるを得ないようにね」
試すような揶揄うようなあなたの言葉は、僕の疑いが間違っているのだと思い知らせる。
いつだって愛を伝えてくれるのはあなたばかりで、いつだって愛を受け入れ笑うだけの僕は、尽くされる幸せに甘えていた。
だから僕よりも愛の上では、あなたの方が不安になって当然なのである。
やっとあなたが僕に尽くすばかりではなくなってきているのかな。
それが僕への恋の終わりでなければいいのだけれど、あなたが僕を信じてくれたことにより僕があなたを信じられなくなるだなんて、そんな馬鹿らしいことではいたくない。
夢から醒めても心が離れてしまわないように、ここで僕が頑張らないと!
正気を取り戻したときに、愚かだったと振り返られてしまうような恋なら、それは何よりも僕のせいなのであるし、あるいは”運命”のせいでもあるのだろう。
ね。




