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ザインクラフト  作者: 白黒灰無
第1章 

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21/68

VS憑神アジン・ダーワ



『一時期はどうなることかと思ったよ ハラハラさせないでくれ ぼくはホラーが苦手なんだ!』


「悪いね 俺はホラーが好きなんだ ちょっとした演出さ 敵にはこいつやべぇやつだなって思わせとかないと なめられていいことなんてないからね」

核心犯だった


『敵、なのかな?』

こういうとまた甘いといわれるかもしれないけど


「敵だよ 春は」

あいつは殺す いきなり後ろから襲ってきやがって あいつ頭おかしいんじゃないか? 絶対に許さない 結局あいつは自分の目的を言わなかった 信用できない

冬の悪いところがフルスロットルしていた


『殺すの?』


「情報を取り出してからな 聖寵を使ってた 何らかの裏技があるんだろう」

それが可能なら、ナツ達に力を取り戻させられる そうなればいよいよ盤石になるだろう


『と、取り出すってなんだよ... 聞き出すじゃないのかよ』

表現がおかしんだよ 冬は ほんと頭おかしいと思う


「ザインクラフトは形のないものに形を与えて触れることができる、あいつの記憶情報も、俺の視覚情報を拡張すれば、映像化して抜き出せるのさ」


冬の右手の紋様が浮かび上がる 真実の観手という遺物を取り込んでいる

その遺物は対象に触れると嘘を言ってるか本当のことを言ってるかわかるというもの

こいつとの組み合わせで人の心の中を可視化する技術ができた

真実の瞳単体でも裁判で使われれば一発で犯行がバレる そのため、上級民に嫌疑が出たときは使用されない


『そ、それで人の記憶をのぞけるってこと? こわっ!!』

冬が脱出する際に春を殺さなかったのは複数人相手を避けたのか、とも思ったけど、たぶん生け捕りにして情報を引き出すという条件を達成するのが難しいと判断したからだろう


『現実の世界の人間だっていうなら、手を取りあえると思ったんだけどなぁ』


「現実の人間のほうが信用できませんよ 俺は」

人嫌いに拍車がかかってるなぁ


『じゃあ、僕のことは信用してくれてるの?』

ちょっとした期待を込めてそう言ったが


「しんよ~うぉ?」

すごく嫌そうに言われた 


傷ついた


『なんでそんな嫌そうなんだよ』


「自分の記憶すらあやふやなやつの何を信用すんだよ」


『うっ』


いい加減ここを脱出しようとしたその時に 大きな破壊音が聞こえてくる


「なんだ?」


視界情報を拡張して壁を透過し、遠くを見る 


なんだあれ?


そこには3m以上ある三つ首竜の姿があった 

頭は三つ 体は人型のモンスターだ


アエーシュマ? それとも憑神? わからない 


見覚えのない形状だった


最初それを見たとき、ドラゴンを想起させたが、色合いも見た目も違う 


こちらの竜は黄金色だ 


「いやあぁああああああああああああああああああああ!!!」


コナタ嬢の絶叫が響いた


傍らにはカナタの胴体が落ちていた 


まだ死んではいないのだろうが 虫の息だろう


春が必死に応戦してるが、まるで攻撃が通っていない

というか、あれは


「は? おいおい、マジかよ 観測防御を使ってやがる! 存在兵装だぞ!」


このゲーム世界の技術じゃない 俺が考案した技術体系だ なんで使える?


『観測、防御?なにそれ?』


また新しい単語を使いやがって 

しかし冬はそれを無視して続ける

ぼくが知らないことは冬が説明する! それがルールだろ? おい?


「しかも、あいつ 存在規格Ⅳ(スケールフォー)! 勝てるわけがない! 逃げるぞ!」


『え?え?え? 助け、ないの?』


「無理だ! 無駄に死体が増えるだけだ!」


即時撤退を促す冬に冬真も困惑した そんなにやばいの?

あんなのがなんでこんなところに、この世界であんな兵器、創れるわけがない!


絶対に外の連中がかかわっている! 


都市がザインクラフトを開発したのか?


いや、昨日の今日で存在規格Ⅳなんて、創れるわけが... 


どうなってんだよこの世界は!


もうすでに自分の想定を超えている事態が動いている感触がある


いつもそうだ 自分の手から生まれたものが自分の想定を超えた事態に繋がっていく


この気持ち悪い感触


冬の瞳がかすかに 虹色の輝きを放ち始める


ハルナが吹っ飛ばされる 壁にぶつかり、大量の血を引き出して気を失っている 


即死した可能性もある


春がそれを見て激高している 


あれのあんな顔は初めて見た


だが、どれだけ猛ろうと、存在規格Ⅳの観測防御など対応策を持たないやつではどうあがいても勝てない


ヒジリさんも健闘してる 

ヒジリさんは聖寵が使えないのか?


すばやく相手の死角に回ろうと緩急つけて攻めてるが、相手は頭が三つもある 死角を見つけるのは無理だ


やっこさんの視覚範囲を光情報に置換して視覚化する

正直引く 三つの首についてる瞳から伸びるライトのようなものが、やっこさんの視界範囲を表現してるのだが、隙なんてない 戦いながらだとわかりづらいが常に死角をカバーするように三つの首を駆使しながら死角をカバーしてる


ヒジリさんも素の身体能力でよくやっているが、どうあってもアレには勝てない 文字通り、立っているステージが違う 見えてるものが違いすぎるのだ

存在学において観測というのは大きな意味を持つ


「いくぞ」


『...うん』

冬が無理だという以上、僕がどうこう言えないのはわかっている

後ろ髪を引かれる想いだったが、その場を後にしようとしたその時、あるはずのないものが、視界に入った


『ナギ?』

冬が振り向くと、階下に確かにナギがいる ふらふらと夢遊病患者のように歩いている

その先には 

「止めるぞ!」

冬真が同意するよりも早く冬は駆けていた



「探せ!」

地上ではナツがナギを探していた 


先ほどまで確かに宿で休眠を取っていたのを確認したばかりだった


目を離しはしたが、宿から出てないのだけは確かだった 入口には誰も来なかった


ナギの休んでいた部屋の様子を確認するが、人のぬくもりが感じられる 


先ほどまで人が寝ていたのは間違いない 


これなら遠くまではいっていないはず


だが、どうやって出た? 扉の前にいたものも誰も出て行ったりはしていないという


まるで幽霊のように消えてしまった


だが、捜索もむなしくナギが見つかることはなかった




冬はナギの元に走った


階下を滑るように素早く降り、足音も立てずに今できる最高速度でナギの元まで


ナギをつかんだはいいが、どこか虚ろな瞳をしている 

今は悠長に様子を見ている場合ではない 

安全地帯に...


「みぃ~つけた」


後ろから声音が聞こえる 


子供のような無邪気な悪意を忍ばせて


ナギを思いっきり階上に投げる


「冬真!受け取れ!」


上に置いてきていたアバターを起動させ、冬真のほうにナギを投げる


その直後に強い衝撃が全身を走る


壁に思いっきりぶつけられた衝撃で中身が飛び出すかと思った


今までの雑魚の比じゃない 今のレベルで戦っていい奴じゃない


即座に逃げるべきだが、冬真がモタモタしている 


仕方ない 


アバターの操作なんてまともに練習する時間はなかった あいつは充分やってくれた


俺が、時間を稼がないと


気持ちを切り替える カチリとスイッチを入れるように

刻紋起動 無頼二式 バージョンチェンジ ガンモード


接近戦は絶対にできない 俺は紙装甲なんだ


先の攻撃も存在維持+フォースフィールドの衝撃無散を組み合わせた相乗効果を使って相手の攻撃を最大限逃がしたから死ななかっただけ それでも相当な存在エネルギーを削られた まともに受けたら一撃で死あるのみ うまく受け流せたとしても1,2回といったところだろう

俺の人生、こんなんばっかだ くそったれ

明確な格上との戦いが幕を開ける


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