素敵な学園生活7
授業の合間の休み時間、教室内。
ナイジェルは机に突っ伏していた。
ミレイダにあげた恋愛小説のダメージが、自分にも跳ね返ってきたので、精神の回復に時間がかかっている。
わざわざ職人を雇って、数ページだけ、主人公とヒロインの名前を自分とミレイダの名前に変えたのだが、できた本を間違ってナイジェルも見てしまった。
ミレイダに渡す前に自分がダメージを負ってどうする、とナイジェルは反省する。
良かった事と言えば挿し絵は見ていない事。
それだけでも良かったとナイジェルは前向きに考えていた。
「ナイジェル、机に突っ伏して調子でも悪いのか?」
「ソランドか。ミレイダに仕返しをした後だから、しばらく何もしないぞ。今は回復を待つ」
「また何をやったんだか・・」
ソランドは呆れ顔でナイジェルを見た。
「恋愛小説の名前を俺とミレイダに変えただけだ」
「ナイジェル、自爆か?」
「くっ、反論できん」
悔しそうな顔をしてナイジェルは机を叩く。
「こらこら学園の備品だぞ」
「卒業時には俺が全クラスの机の値段分、寄付をしてやるさ」
「やってる事は幼稚なのに太っ腹」
ソランドは一応褒めておいた。
「今度はお互い敵軍で軍師同士の宿命のライバルの名前にするか」
「やめておけ、ナイジェル。似合いすぎるぞ」
ナイジェルとソランドは思い浮かべる。
確かに似合っていた。
学園の授業が始まる時間になったのでソランドは自分の机に戻る。
歴史の授業だったがナイジェルとソランドは、全く集中できなかった。




