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小さな奇跡の童話箱  作者: ムーンキャット


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25/33

「食卓3人組と仲間たち!④

 静かなる職人 トングール

その日はバーベキューの日でした。

ジュウウウウ……

鉄板の上でお肉が踊ります。

「任せろぉぉぉ!!」

ヘラクレスが堂々と前へ。

「今日は俺の舞台だ!」

豪快にひっくり返すたび、

油がはね、火が揺れます。

フォークスが少し引き気味。

「ちょっと荒いんじゃない?」

そのとき——

カチャ……。

静かな音。

引き出しの奥から、細長い影が現れました。

パチン。

パチン。

無言で肉をはさみ、

焦げそうな端をそっと持ち上げ、

位置を整える。

「……誰だ?」

ヘラクレスがにらみます。

低く、落ち着いた声が返りました。

「トングールだ」

それだけ。

「ふん。豪快さが足りん!」

ヘラクレスが大きく返す。

ジュッ!!

炎が強く上がりました。

その瞬間——

パチン!

トングールが素早く肉を移動させます。

焦げる寸前、ギリギリの判断。

「……焼きすぎは、旨みを失う」

静かに一言。

ヘラクレスの目が光ります。

「ならば力で旨みを引き出すまで!」

ドンッ!!

また豪快に返す。

パチン。

正確に支える。

ドンッ!!

パチン。

まるで炎の上で踊る二人。

周りで見ていたスープんがつぶやきます。

「バチバチだな……」

サイバシ将軍が腕を組みます。

「だが、悪くない」

ヘラクレスが大きく持ち上げ、

トングールが素早く整える。

豪快と繊細。

炎が落ち着いたころ、

鉄板の上には——

最高の焼き加減の肉。

外はカリッ。

中はジューシー。

しばらく沈黙。

ヘラクレスが低く笑いました。

「……悪くない腕だ」

トングールは少しだけ角度を変えました。

「……悪くない火力だ」

フォークスがにやり。

「これ、最強コンビじゃない?」

ハッシーが静かにうなずきます。

その日から、

鉄板の上には二つの影が並ぶようになりました。

豪快な炎の王と、

静かな職人。

言葉は少ないけれど——

火花は、もう争いではなく、

最高の料理を生み出すための輝きになっていました。

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