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18話 力試しと誘導

⚪︎前回のあらすじ

村の拡大のための作業をしながらも、日々、平凡な生活をするネクスたち。

そんな中、裏ではネクスたちの様子を伺う者たちがいた。

村から刺客らしき影が見えたネクスは行動に出る。

ネクスは日々修行に励んでいた。


AO(アビリティオーラ)の制御

魔力のコントロール

スキルの組み合わせ


できることをしていたが、力試しができる機会が無かった。


そのため、今の自分がどれだけ強くなったのか把握ができない。


そんな中、森から様子を見ている魔物の存在、クロと互角の実力、なにより、ネクス自身を標的にしていると分かった以上、ここで自分の限界を知ろうと思っていた。


「風の戯れ(ウィンドモア)、重なるチカラ(スタックパワー)の同時発動。上手くいったな。」


風を自身の周りに発生させ、鎧のように纏うことで、防御力の底上げ、簡易的なカウンターの発動ができるようになっていた。

また、自身の純粋な力に補正が入るバフをかけていた。


「俺が考える最高のスキルの組み合わせだけど、魔力の消耗が激しい。長期戦は不利だから、早々に終わらせないとな」

魔力も日々の特訓によって増えていたが、同時発動に初めて成功したこともあり、その消費魔力に驚いていた。


森の奥へと飛ばした狼型の魔物まで駆け足で向かう。


「お、いたいた、まぁ飛ばされただけだし、全然元気そうだな」

攻撃される前に“ウィンドモア”を発動していたため、接近した魔物は飛ばされていた。


「グルルゥ、、、」

狼型の魔物がAO(アビリティオーラ)を放つ。

赤紫色に加え、放つそのオーラもかなりの大きさであった。

そして、ジリジリとネクスとの距離感を測りながら様子を見ていた。


「やっぱり強いな。さっき飛ばしたことで、警戒しているな。」

(だけど、このまま常時魔力を消費している状態はキツい。なら、俺から攻めるべきだな)


「よし!やるか!」


ネクスはやる気を入れて、狼型の魔物へと距離を詰める。

ウィンドモアで後ろからの追い風で加速、

スタックパワーによる力の補正によりさらに加速、

そのおかげで通常の何倍もの速さを可能としていた。


右手を大きく振りかぶり魔物へと拳を打ち込む。

しかし、魔物は加速によって異常なまでの速さのネクスの攻撃を、見てから避けられていた。


「グフ......」

刹那、避けたように思えた魔物は吹き飛ばされ、木に思いっきりぶつかる。


「上手くいったな!フェイント!」

ネクスは大きく振りかぶって攻撃をすることで右手に注目させ、足への警戒を無くしていた。

そして、拳を打ち込んだその勢いを利用して、蹴りを魔物の側面に向けて放っていた。


「はぁはぁ、少ししか動いてないのに、この力は、魔力が持続的に減るし、はぁはぁ、それに合う体力も必要だからキッツイな」

(クロとの初戦闘からかなり経って、俺も強くなった自覚はあるけど、体力と魔力が圧倒的に足りない)


「アオーン!!」

魔物は甲高い雄叫びをあげた。

威嚇でも降参する声でもない、何かを呼ぶように、


「びっくりした、なんなんだ、いったい」

(急に遠吠え?をしたけど、なんだ?)


魔物の行動がよく分からない様子でいた。

しかし、それはすぐに理解できてしまった。


(ん?別の気配を感じる。俺を囲んでいるな。森に潜んでいるからか、姿は見えない。けど、目の前の魔物を含めて5体くらいか)


逃がさないようにその気配は周りを囲んでいた。


(と、なると目の前のこいつがリーダーか?合図っぽいのも出していたし、ただ、すごい違和感を感じる)


ネクスは和解できないか、そのことを冒頭に置いて行動していた。だが、周りにいる魔物たちからは、話し合いができない状態なんじゃないか、そんな気がしていた。


「話し合いは、難しいか?...かと言ってやられる訳にはいかないから、やれる所までやってみるしかないな」

再び全身に力を込める。

(油断はしない。)


「さぁ!いくぞ!」


スキルを使い、剣を取り出し、“居合い”の構えをとる。

自身のAOを丸く広げていく。

その円はサークルのように広がっていき、やがて目の前の魔物に触れた瞬間。


「...居合い」

刹那、バフの重ねがけによる加速により、過去に一度放った居合いよりもさらに速くなっていた。


「キャウン!!」

魔物の背後を取ると同時に剣で攻撃を入れる。

腕力も数段強くなっているため、鈍い音と同時に魔物は倒れた。


「やば、ちょっとやりすぎたかも、力の制御まだ難しいんだよな、」

(あと、歯がついてない剣というか、鈍?だし、殺傷能力が抑えられてるから心置きなくやれるっていうのはありがたいな)


こういうこともあると、センから前に貰った物だ。


「さて、次だ!今の状態を維持するのはキツいから、早めに決着を付けさせてもらうぞ!」

バフの重ねがけによる体への負担は徐々に強くなっていた。

たった数回の発動と体を動かしただけで、筋肉痛や疲労感を感じていた。


(クロと同等に強いってだけはあるな、もう戦い方を変えてきている。やりずらいな)

魔物の1体がやられる姿を見て、距離を取り始める。または、障害物の後ろから様子見してくるようになっていた。


「距離を取るのは正解だな。その分踏み込みやスキルを使わないと届かないからな。だけど、障害物の後ろに隠れるは意味がない!」

再度AOを広げていく。木々の後ろに隠れていた魔物に触れた瞬間。


「見えた!、居合い刺突!」


木に向けて異常な速さで突撃し、剣を一点集中で突く。

木を貫通し、後ろにいた魔物に当たる。


「キャフッ...」

攻撃がこないと思っていたのか、もろに攻撃が入り気絶した。


(この技は特訓で編み出した居合いの派生技、刺突。発動させるための条件はあるものの、突くことに特化している。)


バフの重ねがけだからこそできる技だ。

腕力がある程度ないと使えない。

そして、風を剣に纏わせることで耐久性を上げつつ攻撃力も上げることができる。


その様子を見た他の魔物は距離を取ることだけに変更する。


「くっそー、距離取られたら近寄るのに時間かかって、俺がダウンしちゃうって、」

すでに、居合い刺突を行った片方の腕は反動で痺れており、

戦闘を初めて数十分、体力もかなり使い果たしていた。


疲弊するネクスを見た瞬間、魔物が背後から近付いて攻撃を仕掛けてくる。


「あっぶねぇ、隙をつかれた。油断はしないと言ってたのに油断したなぁ」

風の鎧を纏っていたため、攻撃を弾いたものの、疲れがきており、隙をつかれてしまう。


「1体1体が強いな。少し弱体化したクロが5体分って考えると、恐ろしいな」

クロと互角くらいの強さと聞いていたが、実際には弱体化したらこのレベルだと分析していた。


「ふぅ、さて、なんせ今の状態だと燃費が悪すぎるしなぁ、ちょっと土壇場だけど、アレンジするか」

そう言うと、発動中のウィンドモアを解いて、スタックパワーのみに絞り込む。


「すぅーー、はぁーー、よし!1つ仕掛けてみるか。」

そして、風の鎧も解除される。

そのまま、隠れていない、距離を取る1体の魔物に近寄っていく。剣を腰に添えた状態で。


風の鎧が無くなるやいなや、目の前の魔物が瞬間的な加速で近付く、バフが無ければ目で追うのがやっとだった。


「風の戯れ(ウィンドモア)、居合い瞬発」

ガキン!と音が聞こえたと同時に攻撃を仕掛けた魔物は倒れていた。


(居合いの派生技として編み出してよかったぁ、まぁ同じ相手には一度しか使えないけど)


ネクスは居合い刺突だけではなく、特訓や研究で魔力や既存の技の派生を開発していた。その中の1つ、居合い瞬発。

燃費の悪いバフの同時発動後、魔力を使い果たしたように見せかけて、一瞬でバフを掛け直し攻撃する。フェイントであった。


「ふぅ、これで3体目だな。」

(残り2体、ギリギリだな。)

現在、ウィンドモアだけ発動させ、スタックパワーは解除していた。体力温存のための処置として。


瞬間、また背後から異様なAO(アビリティオーラ)をかなり強く感じる。


隠れていた2体の魔物は歩いて出てきていたが、背後にいる“存在”がまずいと判断したネクスは、ウィンドモアの出力を上げて振り向く。


瞬間、AO(アビリティオーラ)は消え、そこには何も居なかった。


と、同時に俺は吹き飛ばされる。

「ぐあっ、風の鎧を貫通したのか、」


木々を通り過ぎ、奥地へと吹き飛ばされたネクスは見晴らしの良いところまで飛ばされた。


「くっ、ウィンドモアを強めてなかったら、一瞬でやられていたな。」


視点を魔物の方に向けると、


異質なオーラを身にまとい、

鋭い爪や牙が伸びていて、

先程の5体の狼型魔物とは別物の姿を目にする。


「な、なんだ、あいつ、クロが言ってた魔物ってもしかして、、、」


俺は目の前の存在を見て、暴走していたクロを連想させる。


疲弊している体、魔力が少しずつ消耗していく一方で、


別の意味で額に汗をかき、そして寒気を感じていた。



最後まで見ていただきありがとうございます!

前作から続けて見ていただいてる方、今回初の方、いろんな方に見ていただき嬉しい限りです!


よろしければ評価・ブックマーク等していただけると励みになります。

次回19話もよろしくお願いします!

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