16.5話 主人様の苦労と研究
村が安定し、落ち着き始めた頃、
ネクスの存在が気になり、現在、見守っています。
日頃から、苦労が絶えない様子です。
日常の一部を覗いた。そんな話ーーー
これは、ネクスが魔物の村のリーダーとなり、スキルのコピーや付与、名付けを行うことになった時の出来事だ。
「ネクス様、では本日もよろしくお願いします。」
センがスケジュールを立ててくれた。その内容を知り、愕然となる一方、ネクスの意見は通らず、ことが進んでいった。
「いや、分かるよ?スキルのこととか、名付けのこととか、後回しにしたら後が大変だって、でもさ?1日にできる限界を攻めに行かなくてもいいと思うんだ」
日々の修行の成果もあり、1日にスキルを回収、改善、付与、を行える上限が増えていた。が、その成果を何故かセンは知っており、その上限ピッタリに人数を毎日配置してあった。
「はい、ですが、やれる時にやらないと後が大変なのはご存知だと思います。ここは頑張る時です。」
(センさん、凄く有能だけど、ちょっと鬼じゃないですかね)
上限に近付くほど、疲弊するし、魔力枯渇による頭痛や行き過ぎると気絶もしてしまう。そのようなリスクもあり、ネクスは苦手であった。
「さぁ!今日はゴブリンたち計8匹おります。頑張ってください。」
「はぁ〜分かったよ。頑張りますよ〜」
センには駄々をこねても意味が無いので、ネクスが折れることにした。
「えーっと、まず、君からか、名前は〜そうだな、」
(名付け苦手なんだよなぁ、クロやセンの時だって、安直で考えたもんだしな〜)
「あ!そうだ、君の名前は今日から“ハルト”だ。」
(俺目線だと、凄く出来るやつ!って感じのオーラを感じたし、爽やかそうな見た目だからなぁ、)
「ハルト、、、はい!名前、ありがとうございます!」
名付けを終えると、ネクスは手を出すように伝え、それに触れる。そして、スキルの回収、コピー、改善、付与の流れを行っていた。
「マジか、1人目でもかなり魔力減るぞ、疲れが半端ない。これをこの後、7匹待ってるんでしょ?これを毎日やるのかぁ、」
顔をひきつらせながら、後のことを考えるとゾッとしていた。
「ネクス様、よろしくお願いします。」
(ん〜見た目はハルトより身長が大きく、ガタイもしっかりしてる。それなりに鍛えてるみたいだな。)
「ん〜そうだなぁ、君の名前はな〜」
(どうしよう、名前のレパートリーなんて、ある訳ないじゃん、、、あ!そうか、こういう付け方なら、)
「よし!君の名前はゴブチだ!」
名付けでいいことを閃いたネクスは名前を伝えると同時に指をさしてこれだ!と言わんばかりに話しかける。
「うお!びっくりした、ゴブチですね、ありがとうございます。ネクス様、一体どうしたんですか?急に指さされたらびっくりするじゃないですか」
「あ、あぁ〜すまんすまん、いや、いいことを思いついてね。気にしないでくれ。」
(いや〜いいこと思いついてしまった。名付けの人数が多い上に、適当に付ける訳にはいかなかったけど、これならいけるぞ〜)
ネクスは、深く考えるのを辞め、数字を利用して名付けを行うことにした。
先の“ゴブチ”も、ゴブリンと数字の1を合わせ結果であった。
「よし!君の名前は---」
こうして1日目がスタートし、ゴブリンとスライムの名付けを付けることとなった。
途中から、「しっかり考えた名前を!」と改めて名付けを付け始めたが、後に数字を合わせた名前に戻ったのは言うまでもなかった。
それから、全魔物たちの名付けとスキル関係を終えた後、
---自室にて
「いや、マジで疲れた。」
1日8匹ずつ行っていたが、途中から「少し人数を増やしましょう」と、言われ、日に日に1匹、また1匹と増えていた。
スキルの多様による経験と名付けによる魔力消費を受けていたネクスは、自然と鍛えられ、許容できる部分に余裕が出来ていた。
しかし、あえて言わなかった。
理由は単純で、少しでも楽になりたいからだ。
(にしても、なんでセンにはバレるんだよ。余裕が出来たと思ったら増やして、おかげで身体中バキバキ、魔力はすっからかんの毎日だよ)
(だけど、収穫はあった。)
スキルの回収によって、改善する際、コピーをして保存していた。その数は25近くに及ぶ。
「被っていたスキルはコピーしなかったけど、これだけ集まったんだ、昨日で役目は終わったし、今日1日はスキルの研究だな。」
そう言うと、ネクスは自身に意識を集中させ、Rスキル(管理)を発動させ、コピーしたスキルを順に見ていた。
「ん〜、まぁ、Rスキル未満のNスキルだけだから、量はすごくても中身がそんなに強いって感じじゃないんだよなぁ。」
目を閉じて、頭の中で諸々のスキルを見ていく、
「えーっと、土いじりに、そよ風、火起こし、意識強化、」
コピーしたスキルの名前を見て想像で「こんな感じだろうなぁ」と予想しながら次々と確認していく中、
「ん?これって、」
その中に1つ、気になる項目があった。
「増加、、、これNスキルなのか?俺の想像通りなら、そんな枠に収まらないと思うんだけどな、」
スキルを確認しているだけで、中身は分かっておらず、発動するにしても、内容を分かっていないと使えない。という縛りがあった。
「そういえば、アビリティオーラもかなり制御出来るようになってきたな。にしても、毎回言うの長くないか?」
短く言いやすいものが無いか考える。
ふと、思い出した。
「そういえば、冒険者の人たちもAOって略してたよな。」
「あ〜あと、気になるスキルはちらほら見つけたけど、これは、魔物のみんなから情報収集して、理解度を深めながら探っていくしかないな。」
休みの今日1日、村の中を駆け回るネクスの姿を見かけた魔物たちは研究しているネクスの表情はなにより楽しそうな様子だったと語った。
---数日の時が経ち
「報告、Nスキル、、と、、が進化条件を満たしました。」
ネクスはその報告を聞き、承諾をする。
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