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007.オートドールは嫋(たおやか)に、泪を溢す!

完全版【002】:変態は歓喜し、鬼畜無理ゲーは泪を溢す!(2)を四分割した小話②に為ります。

『ぽ~ん♪ お帰りなさい、マスター! 【アルグリア戦記】は、如何(どう)でしたか?』




【ポータルサイトの案内人】のナリアに、いつもの(ごと)(むか)()れられる。


(あお)毛玉(けだま)(たぬき)は、空中で(つぶ)らな(あお)(ひとみ)好奇心(こうきしん)()き出しにして、愛苦(あいくる)しく聞いてくる。




『ナリア、(すご)く楽しかったよ! 今回は、鬼畜(きちく)仕様(しよう)と呼ばれるシナリオ【創造神の試練】でプレイをして最高だったよ!』




鬼畜(きちく)仕様(しよう)って(なに)、マスター?』




仮想現実世界のエントランスである【ポータルサイトの案内人】の【ナリア】は、プレイヤーネーム【カルマ】専属(せんぞく)育成型(ノーチュリングタイプ)ノンプレイキャラクターである。


現在、現実世界の一秒が、仮想現実世界【アルグリア戦記】では【最大延長マキシマムエクステンション】で三千百十万四千倍に相当(そうとう)する、【三千百十万四千分の一秒(三百六十日)の世界】を構築(こうちく)している。


此処(ここ)ポータルサイトでの時間の流れは、現実世界の一秒に対して二十四倍の【二十四分の一秒の世界】。()れが、()れまでの【仮想(ヴァーチャル)現実(リアリティ)規定(ルール)】の原則だった。


何故(なぜ)ならば人類(じんるい)世界(せかい)は、仮想現実の世界に生活の基盤(きばん)徐々(じょじょ)に置くようになったが、仮想現実の生活と現実の生活のバランス感覚(かんかく)(くず)れ、精神と記憶に異常(いじょう)(きた)事例(じれい)散見(さんけん)されたからだった。


()対策(たいさく)に、()()()()()()()()()()()()()な現実の一秒が仮想現実世界での二十四秒を、【最大延長マキシマムエクステンション】時間とした規定が()()()()()()()()()()()()()となったのは、必然の流れだった。


()れから百八十三年後、人間の脳の認識を克服するシステムとして、個人専用の【ポータルサイトの案内人】を設置した。




最大延長マキシマムエクステンション】の開発(かいはつ)当初(とうしょ)は、現実の世界の一秒が仮想現実の世界での三百六十日(三千百十万四千分の一秒)に相当(そうとう)する時間(じかん)経過(けいか)に、人間の脳と精神が()えられなかった。


最大延長マキシマムエクステンションでの三千百十万四千分の一秒の世界を謳歌(おうか)していたのは、【不死身(ふじみ)機械(きかい)生命体(せいめいたい)】だけだった。


何故(なぜ)不死身(ふじみ)機械(きかい)生命体(せいめいたい)は、最大延長マキシマムエクステンションの世界に適応(てきおう)が出来たのか?


()の答えは至極(しごく)簡単(かんたん)だった。


不死身(ふじみ)機械(きかい)生命体(せいめいたい)は、(つね)記憶(きおく)のバックアップを()っていたからだった。




其処(そこ)で【生身(なまみ)人間(にんげん)】でも、記憶(きおく)のバックアップを可能にするシステム【ポータルサイト】が開発された。


現実世界と仮想現実世界のエントランスで、【記憶の記録(メモリーバックアップ)】をする個人専用の案内人(ナビゲーター)設置(せっち)された。


()れにより、人間の認識(にんしき)限界(げんかい)克服(こくふく)するシステムが完成したのだった。




では何故(なぜ)案内人は、育成型(ノーチュリングタイプ)になったのか?


インダストリア社の建前(たてまえ)としては、案内人の全て(表情・仕草・声など)でマスターに愛と信頼を向け、仮想現実と現実の世界で疲弊(ひへい)した精神(こころ)()やす効果があるからだった。


(ただ)し、本音としては、育成する過程(かてい)()ってマスターの思考・行動が案内人に反映(はんえい)されていく中で、論理(ろんり)(かん)の確認と危険(きけん)人物(じんぶつ)排除(はいじょ)を目的としていた。




鬼畜(きちく)仕様(しよう)って言うのは、(すご)くワクワクして、ドキドキする最高(さいこう)の内容・仕組みの事だよ、ナリア!』




『じゃあ、マスター! ナリアも鬼畜(きちく)仕様(しよう)の案内人になる! 鬼畜(きちく)のナリア! かっこい~!』




(あお)毛玉(けだま)が、空中で乱舞(らんぶ)して、喜びを身体全身で(あらわ)していた。




『えっ、そんなに鬼畜(きちく)仕様(しよう)(こだわ)らなくても良いんだ、・・・・・・よ?(え~と、マズったかな? まっ、()っか、特に問題はない(はず)だ!)』




(ところ)でマスター、()れから如何(どう)されますか? 少し精神に異常(いじょう)数値(すうち)が確認されますが?』




『ああ、別に大した事じゃないよ! 少し疲れたから、【ダイブアウト】するよ! じゃあ、(また)ねナリア!』




(あお)(ひとみ)(あお)毛玉(けだま)(ごと)(たぬき)が、了解(りょうかい)とばかりに、空中(くうちゅう)可愛(かわい)らしく(うなず)く。




『いってらしゃいませ、マスター!』




『ああ、行って来る!』






----------






「お帰りなさい、マスター? 早いお帰りですが、何かあったのですか?」




「ただいま、ミリィ! 大した事じゃない、少し疲れただけだよ!」




心配そうなミリィの声に、俺は、()()心配を掛けてしまったと反省した。俺が仮想現実世界にいた時間は、現実時間でたったの約二分四十九秒だった。


【ポータルサイト】内の時間の流れは、現実の【二十四分の一秒】で、【アルグリア戦記】内の時間の流れは、現実の【三千百十万四千分の一秒】。


全く凄い発明だ。たった数分で、悠久(ゆうきゅう)の時間を過ごせるんだからな。流石(さすが)は、インダストリア社だと俺は感心を(あら)たにした。





「精神に問題はないんですね?」




「・・・・・・少し、本のちょびっとだけ、異常(いじょう)数値(すうち)が出た

だけだ、・・・・・・よ?」




「ほう、どの口が(おっしゃ)るの・で・す・か?」




「ご(めん)なさい。ちょっとだけ、痛かった、・・・・・・ような?」




ああ、ああ~! ミリィの(ひとみ)が、徐々(じょじょ)に冷え込んでいく。ミリィの逆鱗(げきりん)()れてしまったようだ。だめだ、こりゃ。・・・・・・当分機嫌が悪いぞ。




ミリィは白いソファに腰を掛け、自分の(となり)に座りなさいと、ポンポンとソファを叩く。




「ご(めん)ね、ミリィ! 機嫌を直してよ!」




「マスター?」




はい、(ただ)(いま)。俺はミリィの(となり)に座り、ミリィが自分の(ひざ)を叩くと、観念(かんねん)して(ひざ)(まくら)のお世話になるのだった。


(やわ)らかい、(あたた)かくて、()(にお)いだ。


ミリィは、優しく俺の頭を静かに()で始める。()の内に、俺はいつの間にか静かに寝息を立てるのだった。




【オートドール】には感情が設定されていない。何故(なぜ)なら感情は、理性的な判断を狂わせる一種のバグを生む。其処(そこ)で販売元のインダストリア社は、感情の設定を無くし、人類(じんるい)補助(ほじょ)徹底(てってい)させた。


機械であるオートドールに感情は必要ない。只々(ただただ)、人間に奉仕(ほうし)する存在(そんざい)だった。




「マスター、無茶(むちゃ)をしないで下さいね、・・・・・・」




そう(やさ)しく、(かな)しく(つぶや)いたミリィの(ひとみ)から、(なみだ)(こぼ)()ちた。









To be(続きは) continued(また次回で)! ・・・・・・

妄想ファンタジー歴史シミュレーションゲームをゲーム化したい作者が、お届けしました! 如何でしたでしょうか?


ご指摘・感想・ポイント★評価・ブックマーク登録・誤字訂正よろしくお願いします!


最後に、読者の皆様に感謝を、お読み頂き、ありがとうです!


改訂:▼

【2021/01/05 改訂しました】

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