表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/62

08

食後にコーヒーを飲んでいると携帯の着信音が鳴った。


「え?!携帯使えるのかよ!・・・・・クライアントから?・・・・・はい、伊竹です・・・・・え?!ちょっと待ってて下さい、直ぐに確認します!」


先日送った仕事のファイルが破損していて開け無いと言う。

俺は急いで仕事部屋へ行き、画像編集ソフトを立ち上げると【迷宮をつくろうシステムとのリンクを確立しますか?Y/N】と、またしても画面に表示された。

何が出来る様になるのか解らないが、今は急いでいるので取り合えずYesを選んで先日仕上げたファイルを開いた。


「・・・・・すみません、今確認しましたが此方では問題ないみたいなので直ぐに送り直します・・・・・・・はい、今送りましたので確認の方をお願いします・・・・・・・・はい、はい、大丈夫ですか、良かったです。え?ニュースでやってる岩の塔が私の家の付近・・・・・え、ええ、私は大丈夫です。はい、お気遣い有難う御座います。はい、失礼します・・・・・はぁ~・・・・・・・・・・」


クライアントとの通話を終え、深い溜息を付いて十畳間へ行きテレビを点けてチャンネルを次々と変えたが、どのチャンネルでも同じニュースだった。


どのニュース番組でも岩の塔の事ばかりで焦点は『住宅街の真ん中を広範囲に切り取っているのに住民が存在していなかった事になっている』と言う事だ。


解っていた、考えない様にしていたが、現実を突き付けられてしまった。

預金が増えていた理由・・・・・魔王城の周辺の住民や建物を取り込んだ為に増えたのだと。

負ける事も逃げる事も許されないと、両手で頬を叩いて落ち込む気持ちを奮い立たせた。

ただ生き続ける事でしか償えないのだと、リトラにニュース番組のチェックを頼み仕事部屋へと向かった。




「先ずは巨大掲示板にスレ立てて・・・・・自宅警備員の皆さん拡散宜しくお願いしますっと。後はSNSのアカウント取って・・・・・・・」


――――――――――――――――――――――――――――――――――

【魔王城@603号室】

  ニュースになっている岩の塔についての詳細は下記のアドレスまで。

  同じ物を政府や関係各省庁及びマスコミにも送りましたが信じては

  貰えないでしょう。

  ですがこれは真実です。この世界を維持する為には皆様の御力添えが

  必要なのです。

  一人でも多くの方に知って貰うためにも拡散宜しくお願いします。

――――――――――――――――――――――――――――――――――


「これで掲示板の方に誘導できれば・・・・・おおっ!流石自宅警備員、仕事が速ぇ!『釣り乙』とかも多いけど何とか為りそうだ・・・・・後は迷宮の準備をして、政府が如何出るかか・・・・・・・」


おそらく当面は警察や自衛隊による封鎖がされるだろうが、調査が開始されれば交渉の余地は有る。

上手い事一般開放まで漕ぎ着ければ思惑通りに行く筈だ。


迷宮内部を地下10階から整えていると、夕方にはTVでSNSや掲示板の事が報道され始めたとリトラから報告が来たが、メールへの返事は何処からも着ていない。


夕食を食べながらTVを見た感じでは十二ヶ所の出入り口を警察が少数で封鎖をしているが、他の所は特に何もしていないのは人手不足だからだろうか。


特に進展は無かったが、迷宮の地下8階~10階と地上1階と20階を仕上げて就寝する事に。


「リトラ、遅くまで付き合ってくれて有難うな。落ち着いて余裕が出来たら何でも買ってやるからさ」


「私の事はお気になさらず・・・・・ささ、ご主人様ベッドへ」


「ん?あ、ああ、解ったよ。けど遠慮は無しだ、欲しい物が出来たら何でも言ってくれ。それじゃ、お前も休んでいいぞ」


仕事部屋を出て十畳間へと入るとリトラが付いてきた。


「それでは、本日最後のお仕事をさせて頂きます」


照明でも消してくれるのかな?と、首を傾げていると、リトラは俺を抱え上げベッドへ横倒しにして、俺の上に圧し掛かって来た。

所謂マウントポジションだ。


「ぐぁ・・・お、おい、リトラ!何する気だ!離せ!へっ?!ちょっ・・・やめっ・・・・・」


「フフフフフ・・・ずっとこの時が来るのを待ち望んでおりました・・・・・初めてですので上手くは行かないかもしれませんがお許し下さい・・・・・では、失礼して・・・・・」



 あ―――――



いろんな意味で黄金龍ぱねぇわ。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ