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47-2

601号室の扉を開けて室内に入るとなにやらマサトの怪しげな声が。


「ぐふ・・・ぐふふふふ・・・・・我は神へと近づいた!ぐはははは・・・!!・・・後は検証を重ねて行けば・・・ぐふふふふ・・・・・デミス様ご褒美を下さいませえええぇぇぇ~!!」


「馬鹿言ってんじゃねぇぞこの野郎!!」


デミスの右拳がマサトの後頭部を直撃し、ゴン!と大きな音が室内に響く。


「ぐおっ!・・・ぉ・・・おお、デミス様に魔王様・・・皆様お揃いで丁度良かったです。ちょっと面白い事を発見しましてな。序に魔王様には検証も手伝っていただけたらと思いまして・・・その髪と角は如何したのです?何のキャラかは知りませんが、コスプレでしたら先ずは服からでしょうに」


「いや、気が付くの遅せぇし、コスプレじゃないからね?まぁ何を発見したのかの説明と、何を検証するのかも宜しく」


「例の謎言語の解読が難しいので、推測でしかないのですが・・・魔王様、そもそもこの建物や迷宮のライフラインは如何なっていると思います?料金の請求は来てますかな?」


「ん?それは銀行引き落としだから自動で引かれてるだろ」


「ぐふふふふ・・・魔王様、伊竹秀雄名義の銀行口座が残っている事がおかしいとは思いませんかな?僕も含めて全員の戸籍から経歴まで抹消されているのですよ?ちょいと銀行のシステムに侵入して調べてみましたが、口座の履歴には電気、水道、ガス、電話、プロバイダーに至るまで引き落としの履歴はありませんでした」


「なぬ?それじゃタダで使ってるって事か?幾らなんでもばれるだろ」


「いえいえ、そもそも使っていない・・・と言うか、おそらく繋がっていないと思われますな」


「何だそりゃ?それじゃ如何やって・・・・・魔法・・・か」


マサトがニヤリと笑った。


「こちらをご覧下さい。僕がここに来てからのログなのですが、毎日0:00と12:00に必ずこの謎言語が記されています。そして、先日の魔王が来た時と先程天使が現れた時にも同じ文字が、つい今し方も何か買いましたよね?その時にも同じ文字が記されています。これって偶然じゃ有りませんよね?間違い無く何かが、おそらく魔力的な物が迷宮を含めたこの建物に送られていると愚考致しますが、魔王様は如何考えますかな?」


「ククククク・・・ハハハハハ!!お前、凄ぇよ!良くやった!大金星だ!!お前を仲間にして正解だったぜ!!」


「お褒め頂光栄ですな。それでですな、送信経路等を辿る為に何でも良いので五分置きに買い物をして頂きたいのですが宜しいですかな?勿論こちらの物ではなく異世界の物で」


急いで部屋に戻り、適当に異世界産食材を買う事五回。受信施設と経路を突き止めたと言うので、全員で夕食を食べながら結果を聞いた。


「それにしても何故魔物の肉なんです?」


「いや、食べてみたかったんだよ、魔物肉。マサトも食べた事ないだろ?」


「まぁ確かに。でも、肉だったらドロップアイテムに設定してドロップ率を100%にすれば幾らでも手に入る様になるのでは?」


「・・・・・天才か!?」


「いえ、寧ろ何故魔王様が気が付かなかったのかが気になりますが・・・それより結果の方です」


等と遣り取りしつつ話を聞くと・・・・・


「屋上?」


「はい、屋上に設置されているアンテナで受信している事が判明しました。そこから魔王様のPCを通して各施設へと送られているようですな」


「なぬ?あのPCそんな事に為ってんのかよ」


「それだけでは有りませんぞ。あのPC、動いているのはHDDとマザーボードの一部だけでメモリはおろかCPUすら動いておりません。最早PCの形をした〝何か〟としか言えませんな」


「おいおい・・・それじゃ演算処理はどうやって・・・・・奴等の拠点・・・か・・・・・」


「おそらくは」


そう言って頷くマサトに引き続き調査を頼み、俺は身体能力と魔力の把握や操作の訓練を、そして、城の周囲で肉専用の魔物を飼う事にした。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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