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48-2

天使を喰らってから五日が経ったが、奴等は何のアクションも起こしてこない。

俺達としては有り難い事だが、何を考えているのか解らない以上、警戒は怠れないのが現状だ。と言っても基本後手に回る事しか出来ないので、マサトに期待するしかないのだが。


この間のこちらの大きな変化と言えば、聖女を政府に引き取って貰った事だろうか。

今の俺には聖属性攻撃が効かなくなっているからだ。正確には魔王や天使を超えた存在と成っている為である。

まぁ完全に効かないと言う訳ではないのだが、大した力の無い勇者や聖女に襲われても何の問題もないのだ。


何故魔王で無くなった事に気が付いたかと言うと、能力の確認中に迷宮内転移が使える事に気が付いたのと、迷宮から外に出られたからだ。

久しぶりに外に出たのだが、変わってしまった外見のせいで注目を浴びて居た堪れなくなり、それ以来外には出ていない。(引き篭もり言うな)


更に数日後、魔力操作の訓練中に光と闇を取り込んで魔力に変換している事にも気が付いた。

他の訓練も順調だ。今では左右の手から別の魔法を同時に発動出来る様になっているし、格闘戦でギービルやニクスとも互角に打ち合える様になってきた。


迎撃準備万端、何時でも来いと身構えていた或る日の事。マサトがノートPCを持ってやって来た。


「魔王様!ついにやりました!【迷宮をつくろう】のコピーに成功しました!!」


朗報である。まさかコピーが出来るとは思っていなかった。


「おお!凄ぇじゃねぇか!すまんが、専門的な事はさっぱり解らないんだが、良くセキュリティを抜けられたな。本当にご苦労様」


「いえいえ、大した事ではないのですよ。寧ろこんな事で出来るとは僕も思ってなくてですね、いやぁ~盲点でした。このノートPCを魔王様のPCのHDDと誤認させてドラッグ&ドロップで移動させたら出来てしまいまして、僕も吃驚しましたよ」


「え・・・・・なにそれ・・・結構ガバガバなセキュリティじゃね?何でそれで出来るのか解らないんだけど、俺のPCの中から無くなったって事?」


「あ、はい・・・・・」


「・・・・・それ、コピーじゃねぇだろ?!迷宮から完全に分離してんじゃん!」


何かもう訳解らん事になっていた。


「いやまぁそうなんですけどね。僕のPCでモニタリングしている限りでは、問題なく迷宮の維持は出来てるんで、維持するのなら魔王様のPCが有ればそれで良いのでは無いかと思われますな。なはははは・・・・・」


「ま、まぁ良いか・・・で、俺はそれを如何したら良いんだ?」


俺の問いにマサトがノートPCに繋がっているLANケーブルを俺に差し出した。


「こちらを咥えて魔力を流して【迷宮をつくろう】のプログラムを支配出来るか試してみて下さい」


「・・・・・要するに魔王や天使の時みたいに喰らえば良いんだな?・・・で、咥える意味は?」


「一番の理由は、絵面ですかね?鼻や尻に刺すよりは良いかなと。手で持って出来るならそれでも良いですけど、LANケーブルって刺して繋がる物ですから、手で持つよりイメージし易いのではと思いまして」


何だろう・・・騙されている気がしてならない。確かに魔法はイメージが重要だが、今まで掌から喰らっていたのだ、何の問題もなく出来る筈だ。

だが、マサトに言われて何と無く納得してしまった今、咥える以外に出来る気がしない。


受け取ったケーブルを握り締めると額から汗が流れた。握った拳に力を込めて魔力を流したが、ノートPCに侵入すら出来なかった。


俺が驚愕の表情で固まっていると、マサトがニヤリと笑った。


してやられた・・・何て奴だ、完全に掌の上で踊らされている。

もしかしたら、こいつは言葉だけで全ての魔法を封じ込める事が出来るかもしれない。

俺はマサトに恐怖し、観念してLANケーブルを咥えるのだった。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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