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02

俺は暫くの間、唯呆然と目の前に広がる広大な森を見ていた。






《おい、何時まで呆けているつもりだ?拠点が決まってしまった以上は、部下を呼び、迷宮内を仕上げねば『勇者』達にやられてしまうぞ》


「・・・・・五月蝿ぇ!それ所じゃねぇんだよ!何で街が無くなってる?!住んでた人達はどうなったんだ!」


《何度も言わすな。この様な事態は初めてだと言ったであろう。今までの拠点は人里離れた山奥や、大陸から離れた無人島だけだったのだ。我にもどう為ったかなんぞ解らん》


「な・・・何だよそれ・・・・・それじゃ俺のせいでこの辺に住んでた人は死んじまったかも知れないって事かよ・・・・・・・」


《そうかもしれんし違うかもしれん。今は近い内に来るであろう勇者の襲撃に備え準備をせねば成す術も無く殺られてしまうだけだ。死にたくなければ迷宮を整え部下を呼び出すのだ!伊竹秀雄!!》


「・・・・・何なんだよ次から次へと訳解んねぇ事が起こって頭ん中ぐちゃぐちゃなんだよ!くそっ!・・・・・・・・・・」


ベランダから部屋へと戻るとそのまま部屋から出て風呂場へと向かい、シャワーを浴びて気分転換をする事に。



・・・キュッ・・・ザー・・・・・・・



「・・・はぁ・・・何だかなぁ・・・・・起こっちまった物は仕方ねぇ・・・か・・・・・なんて割り切れたら・・・・・・・」


「御背中流しますね、ご主人様」


「ああ・・・・・って何でまだ居る!どっか行けって言ったろ!」


後ろを振り返るとスポンジにボディソープを付けて泡立てている精霊が居た。


「はい、そのつもりだったのですが、回復しきる前にこの地に変化が起こった為に、ご主人様の魔力とこの地に縛られてしまいまして・・・・・恩恵を受けるのですからその分出来る事はしませんと」


《ほう、眷属化したか。この手の事例は何度か有るので珍しくは無いが、水の精霊ならば戦力として申し分ないな》


「あ~もう!良い!好きにしろ!・・・・・・・・・・おわっ!前は良い!自分で遣るから寄越せ!」


「あら残念です・・・では髪の方を洗わせて戴きますね・・・・・痒い所は御座いませんか~」


「・・・・・何処でそう言う事覚えてくんだよ・・・・・・・・・・」


「フフフ・・・長い間存在しておりますから」


溜息を付いて温めのシャワーで全身を流して風呂場を出て服を着替え、台所で冷蔵庫の中を覗いていると仕事部屋から電子音が聞こえてきた。


「ん?・・・・・何の音だ?PCとスピーカーは切った筈なんだけど・・・・・・・あっ!これだけの事が起きてんだから幾らでもニュースがネットに上がってんだろ!気付けよ俺!つーかネット繋がってんのか?まぁ行って見りゃ解るか」


仕事部屋に入ると切った筈のPCとスピーカーにモニターの電源も入っていて、スピーカーから着信音が流れていた。

モニターの中心にはボイスチャットの着信ウィンドウが出ており、発信主の名前が表示されていて・・・・・・・・


「・・・【邪神ちゃん@貴方のアイドル】って誰だよ!知らねーよこんな痛い奴!・・・受信拒否っと」


《まてまて伊竹秀雄よ!それはもしや我らが主様では無いのか!》


「知らん。俺は基本的に怪しい奴は全部拒否る事にしてんだ。さて・・・ブラウザーを立ち上げ・・・ピポポピポポピポポピポポ・・・・・何だよしつけー奴だなぁブラックリストに載せるかぁ」


『ちょっとあんた!何拒否ってんのよ!!あんたが困ってるだろうと思ってこっちが態々・・・ブチ・・・・・・・』


「何だこいつうぜーなぁ・・・許可して無いのに着信しやがった上に怒鳴りやがったぞ。無視だ無視。さてブラックに登録して・・・・・序にスピーカーケーブルも外しとくか」


『はっはぁ~残ぁん念でしたぁ~!神様舐めんじゃないわよ!その気に為ればこんな機械要らないんだから覚えときなさい!』


「チッ・・・あーはいはいそうですかー。で、何の用だよ」


『舌打ちしてんじゃないわよ。さて、取り合えず魔王は回収させて貰うわね。そいつに一から説明させてたんじゃ勝負に間に合わないからねぇ~。それじゃあ~・・・・・えい!』


「うわっ!何だこれ!ぐあっ!やめろおおおぉぉぉ・・・・・!!」


突然モニターから出て来た黒い靄が俺を覆うと、身体から何かを引き抜かれたような痛みが走り、強制的に頭の中に膨大な情報を植えつけられて激しい頭痛と目眩に襲われて俺はまたしても意識を失った。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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