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四天王達が戻って来て各自から報告を聞きながら少し遅い夕食を取っていると、アクアから又入場者が増えて来たとの報告が。
「ご主人様、地下9階の中央付近で楽器の演奏を始めた方達が・・・・・・それと二十代から三十半ば位までの集団が幾つか地下8階にて宴会を始めました。後はカップルの方々が地下10階にかなりの数増えてまいりました」
四天王達には取り合えず待機して貰い、警官達とアクアだけで対応して貰う事にした。
警官達には悪いと思うが自治権を主張して交番を設置させたのは政府側なので此方に頼るのは筋違いだと思う。
人手が足りないなら増員するべきで、対応仕切れずに事件等に発展するならそれは上層部のミスであり失策だ。
「あ~確かに注目されるには良い場所なんだろうけどなぁ・・・・・取り合えず様子見で、今後は事前に許可を取る様に言っといて。宴会の方は酔って暴れる様なら警告してから拘束して警官行きに。カップルの方は公序良俗に反しない限りはほっといてやって」
ここで有名になって後追いの奴等が押し寄せても困るけど、まぁ他の客からの苦情が多数来る様な一般的で無い曲なら止めさせる方向で行こう。
宴会の方は流石に酔って暴れる奴は居なかったんだが・・・・・更衣室やトイレに入って行くカップルが居てですね・・・・・お前等何処でも良いのかよと・・・・・
そしてPM11:00を過ぎた辺りから別の集団・・・所謂ヤンキー共が現れたんだが・・・・・唯ウロウロと迷宮内を歩き回り、時折写真を撮るだけで何しに来たのか解らない。
似た様な集団と遭っても喧嘩をする訳でも話をする訳でもなく、唯擦れ違うだけで二時間程で帰って行った。
一体何なんだ?と思っていたらSNSにそいつ等が迷宮内で撮った写真がアップされ、流行に乗って写真撮りに来ただけかよ!と、突っ込んでしまった。
いや、暴れて欲しい訳じゃないんだけど、それで良いのか?ヤンキーとして。
流石にAM2:00を過ぎると宴会していた奴等も大人しくなり、カップル達は帰るかベンチで転寝、他にも泊り込みのおたく達が居たが各自適当に転がって寝ていた。
警官達はとっくに交代で休んでいたんだが、地下9階の交番内では暑過ぎて眠れないと言われクーラーの導入をお願いされたが、予算の方は大丈夫なのかね?
そして漸く初日が終ったと思いきや新たな問題が発生。
そう、ゴミ問題である。
アクアが気を効かせて有る程度集めてはいたのだが、如何せん俺達は外に出られないし業者を呼ぼうにも深夜とあって不可能な訳で・・・・・
如何した物かと考えているとアクアから耳寄りな情報が。
「ある方から『スライムに処理させるのでは?』とご指摘を受けまして、その様な事が可能なのでしょうか?」
「おお、他のモンスター同様、設定次第で出来るかも知れないな。直ぐに調べてみるよ」
早速迷宮をつくろうシステムでスライムを選択し設定を確認。ノンアクティブで落ちている物を集め、許可した物だけを消化すると言う設定で各階に二十匹ずつ召還してゴミ問題を解決した。
この情報を齎してくれたのは泊り込みのおたくの内の一人で、あの『新幹線なう』の男と判明。
何でも彼はアクアがゴミを集めているのを見て一緒にゴミ拾いもしてくれたのだそうだ。有り難い話である。
そして彼は各階のゴミ拾いが終ると、地下10階の隅にレジャーシートを引いて毛布に包まり横になって眠り、何故かモンスター達が彼に寄り添う様に眠り、さながら聖人の様だったとアクアから聞かされたんだけど、まさかこいつが勇者じゃないよね?
結局俺とリトラは殆んど徹夜となり、ベッドに入ったのはAM4:00近くで、AM7:00には起きてTVのニュースとネットのチェックにアクアからの報告を聞くと言う、精神的にキツイスケジュールだった。
幾つか問題の出た初日だったが、戴した混乱も起こらなかったのは四天王達の機転とアクアの優秀さのお陰だと思う。
食事と睡眠の必要が無く、二十四時間戦える水の精霊アクア、マジ最強。
ここまで読んで頂き有難う御座いました。




