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詩集  作者: 矢作 日和見
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僕は悲しみがわからない


 僕はどうやら思いやりというものがないらしい


 僕はどうやら優しさというものがないらしい


 いつも周りは言っていた


 どうして人の気持ちが分からないんだと


 どうして人の嫌がることをするのだと


 どうして人を悲しませることをするのだと




 わからない わからない


 何を言っているのかがよくわからない


 小さいころからそうだった


 生まれたときからきっとそうだった


 大事な何かが欠落しているんだ


 人の心に必要なもの


 先生いわくとても大切なもの


 先生いわくなくてはならないもの




 悲しみがわからないことが 悲しい


 涙の味を知らないから 泣いてしまいそうだ


 人の気持ちがくみ取れないから 人を気づかおうとした


 それでもやっぱり僕は()()ているみたいで


 やること為すこと全て くるくるくるくる からまわりで


 めんどくさくなってやめてしまった




 僕はあきらめた


 「悲しい」を理解することを


 「涙の味」を覚えることを


 「人の気持ち」を大切にすることを


 「痛み」を知ることを


 「  」を手に入れることを




 これでいいのだろう


 このままでいいのだろう


 誰にも関わらず 誰にも近づかず


 僕は独りがいい




 どうせ愛も涙も悲しみもわからないのなら


 たとえ誰かにそれらを注がれたとしても


 受け止める器のない僕は


 もれなくこぼしてダメにしてしまう


 それは「悲しい」ことらしい




 哀しみがわからないことが哀しい


 苦しみがわからないことが苦しい


 なんの引っかかりのない心を


 すべすべした茨まみれの心を


 自覚できない僕は


 変えられない僕は


 僕は悲しみがわからない


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