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詩集  作者: 矢作 日和見
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 ジグジャグジグジャグ


 道を歩くとこんな具合に音が鳴る


 ジグジャグジグジャグ


 踏まれた小石の鳴き声ひびく


 ジグジャグジグジャグ


 ザリザリザリ




 まだ赤いポストよりも背の低かった頃のこと


 お母さんとはぐれて迷子になって


 凝縮した不安で胸を潰されながら


 さまよっていたあの土手の道




 まだ黄色い帽子をかぶっていた頃のこと


 初めてできた友達や


 その日の楽しかったことを


 たくさんたくさん喋りながら


 お母さんと手をつないで歩いたあの帰り道




 まだランドセルを背負っていた頃のこと


 転んで擦りむいた足を引きずって


 こぼれかけの涙を両目にためこみ


 とぼとぼ帰ったあの通学路




 まだ広い世界を知らなかった頃のこと


 友達と並びながら自転車をこいで


 子供らしくはしゃいでペダルを踏みこんで


 風を切りつつ進んだあのコンクリートの道




 まだ大人の階段を上る子供だった頃のこと


 新しい制服のボタンを留めて


 新しい生活を想像して

 

 胸を弾ませながら走った新しい学校への道




 まだ自分を探し求めていた頃のこと


 家から離れて一人暮らしを始め


 いろんなことに戸惑いながら


 カバンを持って人の群れに混じったあの都会の道




 道はいつだって


 どこへでも連れて行ってくれた


 道はいつだって


 止まることを許してくれなかった


 道はいつだって


 自分の目の前に続いていた




 道は木の枝のように広がる


 道はどこまでも広がる


 道は誰でも受け入れる


 道は自分を導いてくれる




 さあ 明日もどこかへ出かけよう



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