打開策は?
シリル、セイン、キルが黒のワーム殲滅に向け、動き出す。
すると黒のギガースと呼ばれる太古の巨人族が、この三人を狙い、攻撃を始めた。
結果として、黒のワームは、黒のギガースに巻き込まれ、勝手に倒されてくれた――そう思ったのだけど……。
「うううううん!? おかしい。黒のワームはシリル達も倒しているし、黒のギガースにも踏みつぶされている。じゃが数がさっきより増えておる!」
シリルのことを魔法でサポートしながら、レウェリンがとんでもないことを言い出す。
私はシリルから懐中時計を預かり、タイムキーパーの役割を果たしていた。黒のワームの毒噴出時間に迫ったので、大きく手を振り、合図を送る。
三人がレウェリンの展開する防御魔法の中へと戻って来た。
「どうやらただの黒のワームではないようです。切断され首と胴体で分かれると、それぞれが新たな個体として再生している……そのように思われます」
セインの言葉に、キルが「なるほど」と唸り、今起きている事態を分析した。
「あの黒のワームは、黒のギガースと呼ばれる太古の巨人族が存在していた時代のものだ。つまり原始の黒のワームだ。原子の黒のワームは分裂により、その数を増やしたと言われている。それが今、再現されているわけだ」
「そうなると殲滅方法は、切断ではなく……一気に殲滅するしかないのか」
シリルがそう言うと、キルは「その通り」と頷き、「でも現実的ではない」という。
どういうことか。
それは黒のワームが増えすぎているということだ。
「例えば私の炎の魔術と風の魔術をかけあわせ、ファイアートルネード(火炎竜巻)を作り出したとしても、一度でせいぜい倒せて二十体ほどだ。だが今、黒のギガースもいる。奴らを巻き込むと、さらに倒せる黒のワームの数は減るだろう。そうしているうちに、黒のワームは増殖する」
そう言ったキルが、チラッと防御魔法の外を見る。
黒のギガースはこの防御魔法を破壊しようと、そこら辺の黒い火成岩をつまみあげ、打ち付けてきていた。その際、黒のワームが巻き込まれ、その数は今もまさにどんどん増えている。
「わしの魔法で、一時的に黒のギガースの足止めもできんことはないが、タイミングを間違えると、惨事になる。シリルのサポート、ここの防御、ギガースの足止め。三つの魔法、そのどれもが精度が求められるからのう」
つまり気を抜くと、どれかがおろそかになってしまうということだ。
そしておろそかになった瞬間。
確実に誰かの命が失われてしまう。
「オデット様を危険にさらすことはできません!」
熱くなるセインをキルが「まあまあ」と宥める。この様子を見ていたシリルが、打開策を提案した。
「ならば先に黒のギガースを倒すか? このまま黒のワームが増殖すると、コロン原生林だけでは収集がつかなくなる」
シリルの指摘に皆、黙り込む。
黒のギガースは、黒のワーム以上に面倒だった。なぜなら黒のギガースの肌は、鋼鉄のようなもの。大剣でも傷一つつかない。それこそ灼熱の炎で、マグマの中にでも落とさないと無理だ。
マグマ……。
「黒のギガースを、噴火口まで導くのは?」
私の案は、キルにあっさりダメ出しされてしまう。
「無理だな。確かにこの近くに火山はある。だが奴らの関心は、噴火口にはない。恐らく生きている人型にしか、向けられないだろう。噴火口の真上で誰かが囮になればいいかもしれないが、数秒ともたない。熱風で呼吸もままらないし、即時焼け死ぬ。魔法でそうならないように……と思うが、ここに魔法使いは一人しかいない。あれもこれもを同時には無理だ」
ならばヴィレンドレーから魔法使いを連れてくるという案も出たが……。ヴィレンドレーの状況が分からない。魔法使いをここへ何人も転移させていいのか。さらにこうしている間にも黒のワームは数を増やし、まき散らされる毒の濃度も増している。このままでは風に乗り、毒がどんどん拡散されてしまう。
つまり現状、マイナスな情報しかないと思われたが。
私は解決策を思いついた。























































