98 美味しい食事と森の整理、買い物、洗濯……
こんばんは、こんにちは。
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メリークリスマス~♪
今日もよろしくお願いします!
※魔物参考資料 『魔物図鑑』 作者:龍崎 明様
『ファンタジー初心者用語解説』作者:滝川 海老郎様 他を参考にさせていただいております。ありがとうございます。
フラットに乗って馬車の後を駆けて屋敷へと戻ったよ。
さっそく、オニキスとフラットは森の整備を始めるらしい。魔物を狩りながら木を間引くんだって。
ただし、ご飯を食べてからね。
既に用意されてた昼食を目の前に、嬉しさが爆発したのはサンだ。
『おいしそうだね~たべていい? あるじぃ~』
「うん。じゃあ、いただこうか」
いただきます!
もう習慣になった食事開始の挨拶。
それぞれが一気に食べ始めた。
フラットのデカい深皿は既に渡してあったので、フラットの前にはごちそうが山盛りだった。少し低そうだなと台を探してたら、侍従長が花台を置いてくれたので、楽々だ。
ここの料理はイケる。かなり美味しいんだけど。
皆無言で食べてる。
「美味しいね。美味しすぎるよ、料理長!」
ありがとうございますと笑顔の料理長だ。
ただひたすら食べる。
お代わりして食べる。
何度もお代わりして食べる……
かなりの量を平らげた俺たちだけど、問題なく対応してくれた料理長には感謝だね。
デザートは、小さな蒸しパンだった。
懐かしいな~と口に放り込む。ひと口サイズが嬉しいんだ。隣を見れば、オニキスは大きい蒸しパンだった。俺以外は全員大きいんだけど?
ちょこちょこ食べられるからと作ってくれたんだと侍従が教えてくれた。気遣いがうれしいよ~
侍従がいれてくれた紅茶も美味しいね。毎日美味しいものが食べられるのは幸せだね。
さっそくオニキスとフラットは森の整理に行くらしい。頂から結界を張り、木を間引き魔物を狩りながら降りて来るんだって。結界があるなら心配ないとは思うけど。
やってみないとわからないから、と送り出した。
サンは、サンルームのソファでお昼寝中。
ノルは洗濯屋に出すものを分けるんだって。そういえば、もう少し着替えを買わないとね。
サンルームの外にあるテラスに出た俺は、魔道コンロを作るつもり。
クリエイト先生に頼むことになるんだけど、街の魔道具屋さんも見てみたいな。
そうだ、ブルックスに聞いて見ればわかるよね。
少しは国内でお金を使った方がいいと思うんだよね。それに一台あれば、後はどうにでもなるからさ。
「ブルックス! 教えて欲しいことがあるんだけど」
タタタタと階段をかけあがってきたブルックスだけど、仕事はしなくていいの?
「ねえ、魔道具屋さんってあるかな。魔道コンロが欲しいんだ。旅に持って行ったり、外で使ったりしたいんだけど」
魔道具屋ですか、ありますよ。
安いものを扱う店と、それなりの高級品を扱う店があるらしい。
それなら、それなりのものを売る店の方がいいよね。
「参りますか?」
少し待ってとオニキスとフラットに連絡する。
『ねえ、どんな感じ?』
『うむ。上手くいっておるが』
『どうしたの?』
『あのね、魔道具屋さんに行ってくる。ノルも洗濯屋に出したいらしいし、着替えも買った方がいいと思うんだ。サンを連れていくし、ブルックスも一緒だからいいかな?』
『馬車で行くのか。ならば良いだろうが、気をつけよ』
『気をつけてね、ナギ。何かあったらすぐに念話して!』
『ありがとう。じゃあ、行ってくるよ』
ノルに声をかけて、洗濯屋に行きたいし魔道具屋にいきたいと言えば、当然同行してくれる。サンにもお願いしたら、いつもの鞄に入るというので、出してやればコロリと転がり込んだ。
じゃあ、よろしく! とブルックスと馬車に乗り込む。
ガラガラと走る馬車はすごくいい。乗り心地がいいんだよ、これ。
御者さんも優しいしね。何かを買いに出るときは、普通の荷馬車で出かけるみたい。ちゃんとしてるよね、ここの使用人たちは。
街道に出て、王城方向へと戻る。
どんどん戻って、やっと到着したのは王都までの距離半分くらいの場所だよ。遠いじゃないか!
まあ、仕方がないと馬車を降りる。
「これはこれは第一王子様。いらっしゃいませ。本日はどのようなご用でしょうか?」
この店の店主らしい。
人柄は良さそうだけど、しっかりした商人だね。
「ナギ様が魔道コンロをご所望なのだ。見せてくれ」
どうぞこちらへ、と案内されたのは奥の大空間だ。
そこにいくつもの魔道コンロが並んでる。
装飾品が華美なものはいらない。実用的なものがいいんだけど……
オーブンが二台とそれに見合うコンロの数があるもの、と指定すれば案内してくれる。この数を把握してるのかな。これもある意味才能ですね。
目の前にある数台の魔道コンロは、どれもでっかい。
高さは木の台でも作るとして。
オーブンを開いてみれば、中が大きいものと小さめのものがある。コカトリスの丸焼きとかは大きいオーブンじゃないとね。この大きさなら空間のキッチンにつけたものと同じくらいだから問題ない。
オーブン内部が大きいものにはコンロが三口と四口がある。まあ、足りなければ炊飯用のコンロがあるから大丈夫だけど。
とりあえず、どれがいいか鑑定してみた。
そしたら、一台の上に灯りが見える。これは?
見てみれば、オーブンが並んで二台あり、内部は最大のもの。コンロは四口で多少の作業台がある。まあ、肉をカットするくらいかな。でもまだ何かありそうだね。
横を見れば薄い板が垂れ下がっている。これは?
いじってみれば、上に持ち上げられるみたい。これって!
スーッと持ち上げればカチャッと音がして固定された。その分、作業台が広くなったんだよ~
かなりしっかりした作りみたいで、なかなか使えそうだ。補強も入ってるから大丈夫そうだ。どうやって解除するのかと思ったら、持ち上げただけですっと下に下がった。
おお! これは便利だね。鑑定結果では、金貨九百二十枚です。まあ、いいけど。
「これがいいよ、ブルックス。いくらかな?」
それは国で、と言われたけど断りました。
「ダメだよ。これは僕が使いたいから買うんだ。だから僕が払うよ」
そうですか、と残念そうなんだけど。
「良いものを見つけられました。最新型の魔道コンロでございます。先月発売されましたが、これほどの商品は、そうそう新型は出ません。お値段ですが、金貨九百六十枚でお願い致します」
ふうん、俺を値踏みしたね。
「高いね。九百二十枚でどう? それなら適正価格だと思うんだけど。ブルックスがいるからって、売値を誤魔化しちゃダメだよ」
はっ? とおじさん固まったね。
汗をふきふき、こちらを見る。
「これは失礼致しました。申し訳ございません。金貨九百二十枚でお願い致します」
うん、それでいいんだよ。正直が一番!
じゃあ、ととりあえず、コンロを発動して見る。問題なく使えますね。魔石か魔力を貯める水晶で動きますというので、水晶をつけてもらうことにした。こんな小さな水晶でいいんだね。じゃあ、これからはこのサイズは確保だよ。
明細をもらってお金を払います。白金貨一枚出しました。当然、金貨八十枚のおつりはもらいましたよ。
どちらへお持ちしましょうと聞かれたんだけど、持って帰るから。
当然アイテムボックスに入れました。
それを見た店主はひっくり返りそうに驚いてたけどね。
さて、戻ったら台を作りましょう。
帰りに立ち寄った洗濯屋さんはとてもいい人だった。
屋敷のことを言えば、できあがり次第お届けしましょうかと言うので、取りに来るからいいよと伝えて、ノルの洗濯物を預けた。受付明細と引き換えの木札をもらって店を辞した。
そのあと、ギルド近くにある冒険者御用達の服屋へ行って、ノルの着替えをたくさん買う。今まではクリーンで着回ししてもらったけど、多少はデザインの違うものも欲しいでしょ。
支払いをすれば、ありがとうと言ってくれる。これからは、洗濯代は自分で払うからと申し出てくれたので、受け入れた。
屋敷に戻れば、馬が数頭いたよ。
どうしたのかと聞けば、オニキスとノルの馬を選んで欲しいという。じゃあ、ノルに先に選んでもらうことにした。
一応オニキスに聞いたら、オニキスを乗せるのなら、普通の馬だとビビるらしい。この前乗ってわかったんだって。だから魔馬にしてくれと言ってた。
それをブルックスに伝えれば、そうだと思って魔馬も数頭いるらしい。馬番に聞いて見れば、一番大きい馬でいいんじゃないかと言う。そんな気はするんだけど。
再びオニキスに言えば、一度戻ると言ってくれた。フラットは続けるらしいけどね。
お帰り~
うむ、と自分をクリーンしたオニキスは、厩舎に向かう。そして三頭いた魔馬を見た。
じっと見つめる魔場たちはオニキスを見ても驚かない。でも、オニキスに反応したのは一頭だけだった。一番大きな魔馬だ。
近寄ったオニキスが首を撫でれば、嬉しそうに顔を寄せる。そういうことね。納得したよ。
ノルの馬は? と聞くのであの子だよと言えば、じっと馬を見る。普通の馬も三頭いたんだ。
ノルはそれでいいのかと聞けば、わからないと言う。それなら、とオニキスがじっと見て、別の馬を指さした。
言われるままにのノルが近寄れば、ノルに寄り添うように立った。ふん、なるほど。やっぱり相性があるんだね。
他の馬もおいておけないのかと聞かれたブルックスは、問題ないという。魔馬は一頭でいいらしい。
じゃあ、後の馬は荷馬車をひかせたり、馬車を引かせたりと、今いる馬と交代で使えばいいと言った。まあ、それがいいなら問題ないけどね。
二頭の魔馬だけは騎士たちに連れられて戻った。
どうして二頭の魔馬は返したんだろうと聞いて見れば、魔馬はかなり利口なやつじゃないと、世話をするのが難しいらしい。馬番を殺すこともあると聞いて怖くなった。でも、この子は大丈夫らしいけどね。
再び戻るというオニキスに、焼き菓子とシフォン、果実水を持たせた。
嬉しそうに飛び立っていったオニキスを見送って、俺たちはおやつの時間だ。
シフォンケーキをコピーしまくってテーブルに取り出した。紅茶は屋敷でいれてもらったものだけどね。
んーと声が出てしまう程、美味い。
サンは、皿ごと取り込んで、空になった皿が出てくる。いつみても感心するよ。美味しいものには貪欲だね。
ノルもいい顔で食べてるよ~
俺も同じですね。
美味しいもので元気になれる!
そんな俺たちに鋭い視線を向ける人がいる。
料理長だ。どうやらシフォンケーキが気になるみたいですね。レシピ、教えようか?
「ナギ様。料理長がそのお菓子の作り方を教えて欲しいと申しておりますが」
うん、見てたよ。
「みんなも食べてみる? レシピはこれ、あげるから」
ちょこっと本から一部コピーしてたんだ。作る時に見ながらできるでしょ。
ありがとうございます! と奥で聞こえる。ホールで二種類、各二個ずつ取り出して渡した。食べてみてね。
ふふふと笑い、楽しみに待つことにした。
俺は二階のテラスにいます。
南側のテールームの外に買ってきた魔道コンロを取り出して、試しにいろいろ作ってみることにした。
まずはオーブン料理。
スパイスとハーブをしっかり塗り込んだ丸鳥をオーブンに入れる。バターを中にいれてみたよ。
もう片方には、でっかいブルーブル肉の塊をいれる。こっちは黒コショー多めでスパイスたっぷり、ハーブたっぷりですよ。
焼き時間は見ながらね。
最後の方にオリーブオイルをかけようと思ってるので、真剣です。
コンロでは、まず白米を炊く。
アイテムボックスの在庫を見て、マカロニを茹でてジャガイモを茹でる。後は何をしようかな。
うん、これだね。
たくさん作ったオークミンチを取り出す。料理長に用意してもらった羊の腸を取り出して、もう一度しっかり洗ってから、絞り袋に入れて絞り出します。それをねじってお湯で茹でるんですよ。そのお湯を沸かしてみる。
基本的にお湯の沸き具合で大体わかるかな、僕の場合は。
マカロニが一番最初に茹で上がってので、ザルに取り出してオイルで混ぜる。その間に、ソーセージ作りを再開。
一応、山ほどのソーセージが出来上がって、長いままをくるくると鍋に入れて茹でましょう。もう一回しなくちゃね。
茹で上がったジャガイモは潰す潰す。
マカロニには以前作ったハムをいれてキュウリみたいなリッキュという野菜のスライスをいれます。もちろん、塩でもみもみして水分を絞ってからね。そこからはマヨネーズを入れて混ぜるだけ。
できあがりを冷蔵庫で冷やしてからアイテムボックス入れましょう。あ、冷蔵庫は小さな魔道具を作ってますよ。だって、空間にしかないのは不便でしょう?
潰したジャガイモに、ハムやにんじん、などをいれてマヨネーズーーーーー! ざっくり混ぜたらできあがり~
その間にソーセージは二回目茹でてます。
オーブンの中はどうかな?
うん、いい感じだ。じゃあ、オリーブオイルを回しかけて、魔道オーブンをオフした。あとは余熱ですね。
明日は鳥とサーペントの唐揚げを仕込む予定。
たくさん仕込んでおきましょう。
冷凍保存袋ダブルチャックを作ったので、そのままアイテムボックス入れられるよ。もちろん、今日からはどこでも油が使えるしね。
読んでいただきありがとうございます。
良いキッチンを見つけたナギです。
早速料理三昧ですね。ずっと屋敷でいろいろやることになりそうだけど、大丈夫かな、ナギは。少し心配です。
コメント・評価をいただけると、九龍はとっても頑張れます。
明日もどうぞよろしくお願いします。




