第七話:よお、身の程知らずの少年よ
「「「「ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ」」」」
あたりは崩れ続けている
「あんちゃんよお、おめえほんとにダブルディジットかあ? やってることはめちゃくちゃな割に弱過ぎやしねえか。」
「くそ、なんだ、、、くそジジイ、くそ、くそお、みんな......俺のせいで」
自らか行使した圧倒的な力を目の当たりにしたのち、それを超えるような圧倒的な力でねじ伏せられた少年、哀れだ。
「おかしい、プロンプトも無いのに?、どうやって手錠を生成した?というか速すぎる?ロードは?...どうなってんだ...そもそも俺は何者なんだ夢でも見てるのか...さっきから生きた心地がしない...」
「少年よお、おめえこんな言葉を聞いたことはねえってか、
『大いなる力には大いなる責任が伴うこと。』」
「ああ、知らねえ俺はなんてことをしちまったんだ...」
「たく、まあおめえはまだマシだ、今、自分の犯した過ちに対して理解し反省してる。」
はあ、全く黙って見てられねえな、老人はそう思った。
決めた、こいつに俺の全てを託してみるか、こいつは今後成長したらこの腐った世界に何か...何か良い方向へと導く力を手にするような。
「こいつならもしかして...」
「よおてめえ、俺の弟子になる気はねえかい。」
「え?」
少年はキョトンとした表情で俺を見上げた。まるで昔の自分を見ているようだ、ったく
「お前は、力ある人間だ、だが、強すぎる力は時にそいつ自身さえも滅ぼしちまうってことをよお、なあ、今身にしみてわかったんだろおが、ええ?」
少年の絶望していた目が、涙ぐんだのと同時に燃えるような目に変わった。
「俺は、俺は今の自分の力が怖い、こんな、みんなを消してしまう力じゃなくて助ける力を得たいんだ、どうか、どうか弟子にしてください。」
少年は、号泣し嗚咽しながら、言葉にならない言葉を発した。
「消してしまう力ねえ...」
俺も先は長くねえ、最後にこういうのも悪くねーだろう
「ああ、スティックセッションはもう持たねえ。どちらにせよ、そいつらはもう消えた、終わったことを嘆いてもしょうがねえだろ。」
「はい、、、」
少年は悲しそうに俯いた、先程の自らが引き起こした惨劇で手が震えている。
「俺たちは霧香を回収して離脱する。」
「霧香...ですか?」
「ああ、ダブルディジットってのは何か知ってるかあ、というか、少年よお、おめえ、名前はなんだ、わしは、陽甦 櫛羅だ」
「知らない...俺は小音 究人、櫛羅師匠どうかよろしくお願いします。」
なんだと、小音 究人だと、こいつは99、それにフォーメーターだってのか。
「おめえ...」
「なん..ですか?」
「いやなんでもねえ、じゃあ究人でいいな、ダブルディジットてのは、単純に使命コードが2桁の奴らだ、そいつらにはZoneを操作する権限をAMSによって付与されている。」
「Zoneはレジオンと呼ばれる単位で管理されているが、このレジオンを管理しているシステムもある。レジオン上の、崩壊したZoneを再構築するのにそのZoneにアドレスを割り当てている、そいつを回収するのも俺たちの仕事の一つだ。」
「sswarpは使ったことあるだろうが、それが使えるのもこのアドレスが存在しているから可能ってことだ」
「う、わかったような、わかってないような...ちなみに、師匠の使命コードはなんですか?」
「使命コードはダブルディジット同士でも秘密にした方がいい、俺はお前の使命コードを聞かねえし、俺も教えねえ、時がくればわかる。」
「それで、霧香ってのは?」
「霧香ってのはこの世界におけるワンディジットだ、いわゆるZoneのアドレスに関連する、再構築に必要だ」
「...なるほど」
「「「「ガッがガガガがガガガがガガガがガガガゴゴゴゴ」」」」
もう時間がねえな。
「いくぞ、ついてこい」
「...はいっ」
カチッとトリガーを引いた瞬間に、少年を拘束していた錠が消えた。
さて、おおよその検討はついてる、あの崩れかけのビルだろう....間に合ってくれよ....




