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愛を知る異世界生活  作者: 狐の嫁入り
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第1章 1節 彼女は目覚める

⚠︎初めての執筆で読みづらいですが、それでも誰かの暇つぶしになれば幸いです!


目を開けると、知らない男の人と女の人が覗き込んでいた。この人達は誰? 私は死んだはずなのに。


「ふふ、私たちを見てきょとんとしているわ。ママよ〜」

「あぁ、君によく似た女の子だ。俺はパパだぞ〜マナリア〜」


異世界転生。そういった本やアニメは見たことがある。けれど、本当にそんなことが起きうるのだろうか。これは夢なのだろうか。

でも……この抱かれている温もりは、驚くほど暖かくて心地よい気がする。

月日が経つにつれ、この世界のことや色々なことを理解していく日々だった。

私の名前は、マナリア・セインティア。

セインティア家は公爵家であり、王家の剣として代々、王と共にこの国・ロイヤルハーツ王国を支えてきた家だ。

父親はクロムス・セインティア。「聖騎士」の異名を持つ、この国の最強の剣士。

母親であるスフィア・セインティアは「聖女」とも呼ばれ、圧倒的な治癒魔法の使い手らしい。


そう、魔法。この世界には魔法が存在しているのだ。

私は、そんなファンタジーの世界に転生したらしい。

前世の記憶の片隅にあるのは、冷たくなっていく自分の胸、そして最後に感じた心地よい温もり。あの死の苦しみから救い出されるようにして、私はこの場所に生まれ落ちたのだった。


そして5歳を迎えた頃、魔術適性を測るため、私たちは王都の神殿へと来ていた。


「お父様、やはり私は魔術師ではなく、剣士になりたいです」


「マナリア、この国で女性で剣士になった者は伝承に残る初代国王だけなんだよ? 確かに お前の剣の才能は認める。最初に見せられた時は、流石の私も驚いたがね?」


この国では、男は剣士に、女は魔術師として生きていくのが普通だという。


しかし、前世で唯一の拠り所だった剣、祖父の剣、私には、どうしても魔術というものがあっても剣の道は譲れないものがあった。

何度もお父様に木刀を振るう姿を見せてはみたし、同じ年頃の男の子よりも剣の筋が良いと褒められもしたが、何百年と定着した「普通」の壁は厚いらしい。


「まぁまぁ、マナリアお嬢様はスフィア様のお子さんですから、きっと魔術師としても大成いたしますよ。さぁ、お嬢様、こちらへ」

そう声をかけてくれたのは、魔天老と呼ばれる老魔術師、マグノリア・スクレイバー。この国屈指の偉大な魔術師だ。

マグノリア様が取り出した魔水晶に手を触れるように促され、私は渋々ながらも歩み寄り、その冷やりとした水晶に指先を這わせた。

マグノリア様の説明では、この魔水晶の中で色の着いた光が現れ、それが個人の魔術適性を示すのだという。

赤は炎、青は水、黄色は土、緑は風。

そして極めて稀に、金色と黒が現れるらしい。それぞれ光と闇の属性を司り、母であるスフィアは希少な光属性の適性を持っていた。


しんと静まり返った神殿の中、徐々に魔水晶が淡い光を帯びていく。

最初に現れたのは、鮮やかな緑色。風の適性だ。

「おぉ、風か。それも光の輪郭が大きい。凄いぞ」

私の適性は風か、と思ったその瞬間、青色と赤色の光が、緑色のものとはやや大きさが違うものの、次々と浮かび上がってきた。

「ほぉ……トリプルホルダーじゃな。私と同じ属性数ですぞ」


「トリプルホルダー……凄いわ。私達の娘は、とんでもない大魔術師になれそうね」


母親が感嘆の声をあげる中、私は水晶の奥に微かに揺らめく別の気配に気づいた。


「あの……もう1個……これは?」

水晶の中に、目を凝らさなければ見えないほど微かに、金色に光る小さな粒があった。それは確かに、星屑のように輝いていた。

「なんと……微量だが、光の適性じゃ……!」


「そんな……」


「まさか、これは……」


光の適性……つまり、4つの属性すべての適性を持つということ。だが、その場にいた大人たちの表情が一瞬にして険しくなった。何か、良くないことでもしてしまったのだろうか。胸のうらに冷たいものが走る。


「結果はどうだい、クロムス」


静まり返った神殿の空気を断ち切るように、朗らかな声が響いた。

神々しいほどの気品を纏ったその人物は、私が屋敷で何度もお会いしたことがある人だった。この国の王様その人である。


「ルテル……殿下」


王であるルテルは、マグノリア様から魔水晶の状態を聞き取ると、面白がるような、それでいて値踏みするような鋭い視線を私に向けた。


「ほぉ……メイン適性は風で、それだけでなく炎と水、そして……微量だが光もか。これは……クワッドホルダーというわけだ」


クワッドホルダー。おとぎ話でしか聞いたことのない言葉。そしてそれを歴史上唯一冠したのは、女性でありながら剣を振るい、魔術と剣術を極めた「魔剣士」である初代国王その人だった。


「あの、ルテル殿下……クワッドだからといって、何か不味いのでしょうか」

私は恐る恐る口を開いた。異端すぎる力は時に国に疎まれ、排除される、そんな物語があったりする、前世の記憶と相まって、私は自分がどうなってしまうのかと少し恐ろしくなっていた。


「ふふ、怯えることはないさ。なぜなら、初代国王である彼女の写し鏡のような存在が、この国に再び産まれたということなのだからね。君はもはや、この私よりも最も優先的に守られるべき存在なのだよ」


「私よりも……!? そんな、私はただ……」


「そして、君は剣士になりたいんだってね? もしも君が、魔術の才だけでなく、剣の道をも極められたのだとしたら……それはもう、魔剣士という、王をも超えた称号を我が物にすることを意味する」


5歳の私には――いや、たとえ何歳であっても、あまりに大きすぎる現実だった。

私は祖父の剣を高めたい、優天流の型を...

優天流の型は...派生する...


「なります。魔剣士に……。けれど私は、誇り高きセインティアの娘として、王家の剣になりたいです」


身分が高くなれば、自分の足で自由に動けない窮屈さもあるかもしれない。「魔剣士」という強大な肩書きだけで、有事の際以外はきっと生半可に剣も振らせてもらえないかもしれない。そんなのは嫌だ。私はもっとこの世界を見てみたい。


そして、剣士になりたいという自分の意志だけでなく、母上の持つ光の血統や、家族の期待にも少しでも応えたかったのだ。


「うむ、分かったよ。君の身分については一旦様子見としようそれに、どのくらいの適性があるかなんて、実際に身につけてみやしなければ測れないからね。」


身分の話は一旦保留となり、魔剣士として私はこの世界での一歩を踏み出すのだった。


つづく


本編突入ー!ということなんですけども、こういう小さい頃のお話ってどのくらい引き伸ばすべきなのか、悩みますよね。

短すぎても、世界観が伝わりにくいですしね。


これからもうちょっとだけ、他の登場人物や、異世界っぽいこと、そしてこの本編の核の部分についても触れていきたいなと。


あ、前回のお話になりますが、目覚まし時計の演出めちゃくちゃおしゃんだと思いませんか????


次回は遂に異世界っぽく、魔法や優天流についても深掘りしていきます!そして主人公の人生において最も重要な彼も登場です!


次回も愛を知る異世界生活をよろしくお願いします〜


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