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不和

 雑多な人間が集まり、弟子の数が増加すると、僧伽(サンガ)(いさか)いが起こるようなことも出てきた。

 世尊がコーサンビーの瞿師(クシ)()園に滞在していたときのことである。

 ある弟子がささやかな罪を犯した。彼は初め自責の念があったものの、誰も咎めなかったので、それは罪ではないと思い込むようになった。ところが彼の罪を指摘する者が出て、その弟子は罰を与えられたが納得せず、仲間を頼んで自分を処分した弟子たちと争うようになった。

 世尊は、

「弟子の和合(したしみ)が破れた」

 と嘆いて、双方をそれぞれ教え諭したのだが、弟子たちは師の言葉に従わず、二派に分かれて別々に()(さつ)を行い、互いを罵る有り様だった。

 世尊はカーシー国のボンダッタ王の喩話をして再三、弟子たちを和合させようと諭したのだが、彼らは強情を張って聞き入れようとしなかった。

(これらの愚か者は形に心を奪われているから、(ことわり)(さと)らせることは容易(たやす)い事ではない)

 そう思った彼らの師は、ひとりその地を離れてパーラカ村へ行き、竹林苑、さらにラツキタ苑にとどまったのち、シュラーヴァスティーの祇園精舎へと移っていった。

 世尊がコーサンビーを去ってしまうと、街の人々は仲違いをした弟子に対して腹を立て、彼らへの供養を断ってしまった。

 食を得ることが出来ず、弱った弟子たちは師を追ってコーサラの都へと向かった。

 祇園精舎に入ったコーサンビーの弟子たちは、その頃には心も静まり、初めに罪を犯し仲違いの原因となった弟子も自らの罪をさとって反省しはじめた。そして彼らは世尊の前で和解をし、この(いさか)いは終わったのだが、このとき律に争いを治める規定が加わることとなった。


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