あのさ?わかってる?
リーゼ視点です
「リーゼ! 雪杜様と一緒にいたって聞いたわよ!! どういうことなの!?」
耳に残る甲高い声で詰め寄る実の姉に少女―――――リーゼロッテは笑顔のまま事情を話す。
「ちょっと助けていただいただけなのよ、カレンお姉さま。たいしたことないのよ」
「そう……ならいいのだけど」
すぐに納得してくれたようで、落ち着いた彼女……カレンの金髪がその動作につられて輝きを変えるのを見て小さく感嘆の息を漏らす。
――――――そう、本当に…「たいしたこと」じゃないの。
だって、そうじゃない。
彼が私に興味なんて持つわけがない…お姉さまの引き立て役でしかない地味な自分なんかに。
お姉さまのような美しい金髪も、パッチリした目も、整った姿かたちも、抜群のスタイルも、私は持っていない。私と違って、綺麗で自信に溢れるお姉さま。
そんなお姉さまが今着ている真紅のドレスを初めて着たときはまるで一輪の大きな薔薇がいるかのようだった。
――――――そうよ。
ただ見るからに正義感が強そうな彼は、乱暴されそうになっていた私を見つけてしまったから。
そして、それを放っておくことなんてできなかったから……助けてくださった。
ただ、それだけの話。
彼の――――――――雪杜様には、もっとふさわしい……そう、お姉さまや、今彼を取り囲んでいるお姉さまに勝るとも劣らない美しい令嬢であるべきだから。
「ほら、お姉さま。早く雪杜様の所にいらしたほうがよいのではございませんか?」
「! そうだったわ! リーゼ、大人しく待っていなさいね!」
「はい。いってらっしゃいませ、お姉さま」
駆けていくお姉さまは、やはりとても綺麗で。
私なんかとは、大違い。
「――――――――あら?」
一瞬、誰かの視線を感じて振り返ったけれど、そこにはにこやかに会話を楽しまれている雪杜様のご友人であり、副官でもあらせられる初瀬・アウトゥンノ参謀閣下がいらっしゃるだけ。
気のせい、ですか…
一度も接点のなかった参謀閣下が私なんかに気に留めるわけなどない。
そのまま私は、壁際に下がって適当に時間を過ぎるのを待った。
僅かに、ほんの僅かに。
ありえるはずのない希望を捨てきれないまま。
リーゼむずいよー……
色々忙しくって更新遅れ気味になりそうです…




