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魔王軍の軍師と将軍物語(仮)  作者: 神那 悠樹
―briga:戦い―
49/59

ねえ、知っていますか?④

2000文字超えちゃったんだ…

ちょっと面倒かもしれないけど、ここまで来たんだから潔く読んでねっ☆


…………すいません調子乗りました。

イタリアの国旗見たからイタちゃんっぽくなっちゃったんです、私のせいじゃn(ry

―――――――――――三者視点




「……………来た、か」




所変わって左翼側。

こちらもズタボロな左翼隊を木々の隙間から観察していた黒髪の青年がふと顔を上げて本陣から天に打ち上げられた紅い魔力弾を見て呟く。




「シェーゼル小隊長…………ご指示を!」




後ろに控えた部下からの押し殺した――――――だが、強い声にゆっくりと頷く。




「――――――――構えろ………」




一瞬の溜め、その間に緊張は一気に膨れ上がる。




「行くぞッ!!」




彼の号令に従って手に手に剣を、槍を……さまざまな武器を持った歩兵が戦場に躍り出ていく。

そして、青年の率いている部隊以外の兵士を次々に相手取っていく。


―――――――――そう、元々の左翼軍も、グニパヘリル伯爵の私兵も、関係なく。


次々に、打ち倒していく。




「な、何故だ!! お前達は王国軍だろう!? 私は、私は味方だ!!」

「ぼ、ボクに手荒なマネして、許されると思っているのか!? ボクはリュエース伯爵家の三男だぞ!?」

「た、助けてくれ!! 俺だけでいい!! 助けてくれ! そのために来たんだろう!?」



左翼に属していた兵士達がすがってくるのを吹き飛ばしつつ黒髪の青年が忌々しそうに呟く。




「戦場に、弱卒は要らない………このような状況に陥った上に、死ぬ覚悟もないのなら………兵士である必要もない。そして、この場で兵士でないのなら………」




彼はここで一度言葉を切り、ただ手に下げていただけだった片刃の長剣を構えて一掃する。


―――――――――赤い、紅い、飛沫が舞う。




「………人でも、ましてや仲間などでもなく、単なる障害物でしかない」




正確無比の独特の剣技と優れた身体能力と忠誠心をもつが、その全てにおいて真っ直ぐでまじめすぎる性格と自分の信念に正直すぎる点で厭われ、第七隊送りにされた彼―――――――――ギルベルト・シェーゼルは剣についた血を一閃して飛ばし、また歩き始める。





「次は………どいつ、だ?」




――――――――勝利のために、己の信じる道のために。






―――――――――――シエル視点


所変わって、中央隊。

空高く打ち上げられた魔力弾を見て私は小さく息を吐いた。




「隊長…! 合図ですよ!」

「おう! わかってるって!!」




自信たっぷりで力強く頷く上司である、私と大して変わらない隊長を見て、そっとため息を漏らす。



―――――――――正直なことを言うと、魔術師である私にとって魔法を使えない・・・・・・・この上司は本来ならば気にも留めない存在であるはずだった。


…魔族とて、魔力があれど魔術が使えない者というのは相当数いる。

才能や魔力の質のため…などといわれているが、詳しいことはいまだに判明されていない。


初瀬副隊長も以前言っていたように、天才的な魔術師…というのはえてして魔術を学問と捉え、その『謎』を解くことを至上の喜びとする者が多い。

(チェスのお相手をしていたときに教えてもらいましたが、副隊長もいくつか研究レポートなんかも作っていらっしゃってます。最近はデスクワークで忙しく余り手をつけておられないようですが…)



そして、自慢ではないけれど若干十二歳でアスガルズ王国最高学府魔術学科を卒業した私…シエル・レウス・アウグスイールとて、それは同じだった。




「中央隊全員に告ぐ! 右翼左翼、双方でウチの軍師サマがどうにかしてくれたらしい!! 少なくとも、本陣が叩かれる危険性はない…―――――――みんな、ここでオレ達がすることは悩むことじゃない。敵の戦線を突破し、敵本陣を叩く事だろ? 違うか?」




そう、最初は、単なる興味だった。

自分すら知らない、そして作れるとも思わない魔術を息をするかのように自然に使って見せた副隊長がほとんど唯一心を開き、信頼を隠そうともしない彼に対する。


――――――――――私も、副隊長も、どこか似たような考え方をするから…―――――――――――




「違わない、だろ? 確かに色々心配だけど…心配は後でもできる。今は、今できることをやるしかないんだ」




気付いたときには、もうその眩しさから目が離せなくなっていて。

隊長も、副隊長も、魔王陛下も、どなたも比べられないぐらいに、私は引き寄せられてしまっていた。


もう、この方達と出会う前はどんな風に物を考えていたかも思い出せないほどに…




「さぁ……反撃開始だ!!」



そこかしこから上がる、応えの声。

それに先ほどまでもどかしそうな響きはない。


私もまた、戦闘補助のための魔術を練るべく、詠唱を始めた。



――――――――これを期に、何かが変わる。


そんな予感を胸に、その場に居合わせることができた喜びを、噛み締めながら。




――――――――――三者視点




予期せぬ伏兵に見舞われた左右翼と、一気に攻勢に出た中央隊の勢で前半の停滞など嘘だったのかのように、軍を率いていたグニパヘリル伯爵の部下は討ち取られ、反乱を率いていた伯爵も拘束、と言う結果に終わった


左右翼はほぼ全滅であり、被害はそう軽いものではなかったが、指揮権がジスモルド・リステア・シュビール卿から初瀬・アウトゥンノに移ってからはほぼゼロ、という成果を上げた。


後世において、これは未だに天才軍師と名高い初瀬・アウトゥンノによる戦術の代表例の一つとされる。



――――――――――しかし、こう言う者もいる。


「まだ魔術銃が発達していないこの時代、魔術弾が流れてくることなどあったのだろうか?」と。


しかし、当時の王にも尉官たちにも『流れ弾』と認められた真相を、知る術はなかった…――――――――

詳しい戦術なんかは次回説明させていただきます。

私の拙い文章力でも「読めたんだぜ!!」っていう方はご一報ください。



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