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魔王軍の軍師と将軍物語(仮)  作者: 神那 悠樹
―Incontrare:邂逅―
10/59

え、お前は僕の…でしょ?

「へー、初瀬と雪杜は二人で旅してんのかー…」

「そうだよ。そういうエルドは一人?」

「ああ、傭兵の真似事なんかしつつな!」

「…って、お前ら! オレを無視すんなぁあああ!!」




僕とエルドの会話をさえぎって少し離れたところから聞こえる雪杜の声。

僕はしぶしぶ雪杜を視界に入れた。




「なんか言った? 雪杜げぼく

「ルビ! ルビ違うっ! 初瀬もエルドもオレのこの状況無視して話進めないでくれませんかぁ!?」




えっと……今は雪杜と全長三メートルはあろうかと言う熊|(眼が紅い。魔獣と言うヤツで、平たく言えばモンスターだ)と剣と爪を交し合うっていう次世代ボディランゲージで楽しそうに戯れている。

……うん。いったい何の問題があるのかな?




「種族を超えた友情が芽生えようとしているところに水をさすほど僕は非道じゃないよ?」

「友情なんか芽生えてない! 命と命賭けた死闘の真っ最中だから!」

「あー、初瀬が雪杜をからかいたくなる気持ちわかるな…すっげえイイ反応」

「でしょ? でもあげないよ? 僕の下b…幼馴染なんだから」

「ちぇー、でもたまには遊ばせてくれよ?」

「んー…エルドだったらいいか。でも僕も混ぜてね?」

「変な密談してんじゃねー! 余計な誤解を招くだろうがぁあああ!」




いつの間にやら魔獣を倒したらしい雪杜が半分涙目で詰め寄る。

……少し前、うちの学校のある一部の女子が作ってたんだよねー…僕×雪杜の同人誌。しかもR18本…流石の僕もアレにはびびったなぁ…


雪杜は泣きながら頼んで、僕は笑顔で穏便に「頼んだ」からすぐに消えたけどね。




「おい、二人とも。早くしないと日が暮れるぜ? そうなる前に次の町に着かなきゃなんねぇんだからさ」

「ああ、そうだね」




―――この世界の夜は危険だ。

街中でも夜にはゴロツキやら盗賊やらが闊歩し、町の外では昼間よりもずっと強力な魔獣や魔物が活動を始める。


負けるとは思わないけど、無駄な戦いは避けたい。

エルドだって僕の氷の矢ストゥラーレ・デル・ギアッチョを逃げ道を用意していたとはいえ無傷で平然と潜り抜けたことでかなりの戦闘能力と経験をつんでいることは容易にわかる。

……というより、僕や雪杜よりもずっと強いんじゃないかな。




「ねぇ、エルド。エルドは………―――――いや、今はいいや」

「なんだよ、言いかけてやめるなよ」

「なんでもないって…大したことでもないしさ

――――――雪杜、行くよ」

「わ、ちょ、待てって!」




僕は歩き出しながら仕掛けていた魔術を最終段階に移行させる。

どこか離れたところで、微かな金属音に酷似した音がいくつか響く。


――――成功だ。

雪杜の話に適当に相槌を打ちながら少し先に進んで僕と雪杜を待っているエルドの元へと急いだ。




……そう。

その後姿を誰かに見られていると、気付かぬまま。







side???




「『氷の茨スピーノ・デル・ギアッチョ』か…氷系中級第三位の魔術を無詠唱、技名すら詠唱せずにここまで広範囲に渡って顕現させるとはな…」




魔術は初級、中級、上級、特級、そして禁術…この五つに分類される。

その中でも難易度により一位から十位までの位が与えられている。


人間ならば中級一位の魔術を成功させることができれば一流、上級を成功できれば『大魔導師』として構成まで語り継がれるほどだ。




「あの時に見た初級第二位であるはずの氷の矢ストゥラーレ・デル・ギアッチョでさえ尋常ではなかったからな…」




体の底まで凍りつかされ、脆くなっていた魔物の体は魔力の波動によって砕かれていた。

男はそれを確認しつつその人ならざるほどの魔力に口元が緩むのを抑え切れなかった。


ニィ、と不気味に男が笑う。




「王よ……貴方のお気に入りはもしかすると…いや、私が考えることではないな」




男の意思に応じて闇のような魔力があふれ出る。

その男の双眸はまるで血のような紅い光を放っていた。

ぶっちゃけ意味なしな話かも…

タイトルの…は下僕でもおもちゃでも幼馴染でも構いません。

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