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お母さん、私、恋したよ!  作者: 藤堂慎人
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主治医からの告知 2

「そう、あなた、自分の病気のこと、知っていたの?」

「うん。でも黙っていた。お母さんたちを悲しませたくない。変な病気になってごめんなさい」

「・・・ごめんなさいってあなた、さくらちゃんがなりたくてなった病気じゃないのよ。親のほうが謝らなくちゃいけないこと。もっと丈夫に、普通の生活ができるような身体に産んであげられたら・・・」

 母は大粒の涙を流しながら私に謝ってきた。声もか細くなっていた。そこに主治医が加わった。

「病気というのはお母さんのせいじゃないし、もちろんさくらさんが悪いんでもない。誰を恨むこともできないことですが、そうなった以上、全力で何とかしなくてはいけません。私もできる限りのことをします。さくらさんだけで抱えるのではなく、私を味方だと思って自分の身体を預けて下さい」

 主治医の先生は私の目を見て、しっかり、力強く言ってくれた。

 私の父親くらいの年齢のためか、一緒に頑張ってくれるという言葉に安心感を感じていた。

「はい、先生にお任せします。それで、具体的には今後どうなります? また、高校生生活、続けられますよね。2学期、またクラスのみんなと会いたい。一緒に勉強したいんです」

 私は自分の希望を率直に伝えた。だが、病気というのは自分の気持ちだけで何とかなることではないことも知っているつもりだ。ここで早老病ということが考え方も大人的になるのかな、と一瞬自分の心に問いかけたが、ネットの情報では肉体的な問題で心への作用は記されていない。自分の心を鼓舞するためのことだということを自分にも言い聞かせていた。自分の弱さでみんなを悲しませたくない、頑張るんだ、という気持ちが言葉の一つ一つの裏側にあるように感じていた。

 そういう強さ、もしかすると坂本の存在が大きいかもしれない、ということも感じていた。昨日、見舞いに来てくれ、一緒に頑張ろうと言ってくれたことが、私に勇気を与えてくれ、本当にそうしたいと思うからこそ、くよくよするより病気に打ち勝つ、という強い気持ちにしてくれているのだと心に言い聞かせていた。

 私の言葉に主治医と母は互いに目を合わせ、私のことについて気持ちを固めたように見えた。

「強い娘さんですね。これ以上、何も申し上げません。引き続き、しっかり対応します」

「よろしくお願いします」

 母が主治医にお礼を言い、その後、医者の視線が私のほうに向けられた。

「さくらさん、さっきの話はしっかり今の状態を何とかしたい、ということを意識されたと受け止められたと解釈します。ですから、退院はもう少し待っていただき、今の状態、主に咳のことですが、その治療に時間をください。2学期に入ってしまうかもしれませんが、これからいろいろ薬を使うことでの副作用も心配されます。だからこのまま入院を継続し、きちんとした管理の下で回復を図りましょう」

 主治医は私の目をしっかり見て、力強く言ってくれた。

「よろしくお願いします」

 私は主治医に頭を下げ、お礼を言った。母はそのまま診察室に残り、これからの話を聞くという。後で病室に行くということで、私は一足先に部屋を出た。


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