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お母さん、私、恋したよ!  作者: 藤堂慎人
20/92

再登校 1

 病院に行った次の日、私は何事もなかったような感じで登校した。だが、その腕にはギブスが装着され、首から腕を吊るされた状態になっている。教室入った瞬間、クラスの人たちの視線が一斉に私のほうを向いた。もちろん、その中に美津子もいた。私に悪いと思っていたのか、直接私と目を合わせることはなかった。最初に声をかけてきたのは坂本だった。

「高野さん、病院に行ってきたの? それでどうだった? 心配してたんだ」

「ありがとう。レントゲンを撮ってもらって診察を受けたら腕の骨にヒビが入っているって。でも、1ヶ月くらいで治るって。安心したわ」

 私の話は美津子に聞こえているはずだ。坂本とは小声で話したわけではないので、教室にいる生徒は私の言葉に、何となくホッとしたような表情になっている。それは美津子も同じだった。その上で美津子が私のところにやってきた。

「ごめんなさい、高野さん。まさかあんなことで骨にヒビが入るなんて思わなかった。本当にごめんなさい」

 美津子は頭を下げながら謝った。

「天田さん、もういいの。私の転び方が悪かったの。もう少し上手に転んでいればこんなことにならなかったのに・・・。私のほうこそ大事になり、心配させたようでごめんなさい」

「いいえ、実際に怪我をさせたわけだし、私のほうが悪いわ。あれから私、坂本君と話したの。私が高野さんに変な態度を取った訳を・・・。正直に言うけど、最初に教室に入った時、坂本君が気になったの。でも、坂本君はあなたのほうばかりを見ているような気がして・・・。変なやきもちを焼いたようなの。そのことを正直に坂本君に話した。すると彼、委員長としてクラスの中で少し浮いているように見えたあなたが気になったそうなの。弟さんの経験があるから、弱そうな立場の人を放っておけなくてと言っていたわ」

 坂本の弟の件については以前、個人的に聞いていた。だがそういうことはみんなに言うことではないので他には黙っていたが、美津子と坂本が話した中で理由を知り、私に対する対応の理由を知ることになった。

 美津子は私への誤解が解けたということで、これからは仲良くしましょうということで話がまとまった。

≪日記≫

『今日、天田さんの誤解が解けた。これは怪我の功名ということなのか?

 でも、坂本君の私への対応に恋心が無かったような話、ちょっと残念だったな。高校生になったら恋の一つもしてみたいと思っていたのに、これも失恋?

 いやいや、正式に告白したわけじゃないし、私は欠席が多かったので、あまり会うこともなかった。これから恋の相手を探そう。高校生活をエンジョイするんだ。

 ミーちゃんも応援してね』


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