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エピソード5.未知なる森へ❸

誤字、脱字の報告、お願い致します。

『バチバチ』と鳴る焚火の音で目が覚めた、空はすっかり暗くなっており星も出ている。


「お、俺っ!?……あれ、何で!?」


勢いよく身体を起こし慌てて辺りを見渡すと勇者が静かに寝息を立てて眠っていた。


「…勇者…」


気持ち良さそうに寝ている勇者の横顔を見たら少し心が落ち着いた、俺は大きく息を吐いた後にゆっくりと思考を巡らせていく。


ーーそう、俺はさっきまでモンスターと戦っていたはずだ、突然現れためちゃくちゃ強い四足歩行のドラゴン、テュランノスと戦って……そうだ、それでティティスがテュランノスに捕まり……勇者に攻撃をさせる為に、俺はあのテュランノスに剣で斬り掛かって、それで、あれ?それでどうなったんだ?てかティティスは?アイツはどうなったんだ!?


「………っ!?」


改めて周囲を見渡すもティティスの姿は何処にも無い、周囲は『バチバチ』と鳴る焚火の音と、遠くから聞こえる滝の流れる音と、勇者の寝息の音だけで埋め尽くされていてティティスの存在を示す何かがそこには何一つ無かった。


「…嘘、だろ…」


心臓の鼓動が明らかに早くなった。

まさか、まさか、まさか、『アイツを助けられなかった』のか?その言葉を頭の中で浮かべただけで全身の血の気が引いた。


ーーパキッ

突然森の中から枝を踏む音が聞こえビクッとした。


「…あ、やっと目が覚めたんだ。もう大丈夫なの?」


一瞬耳を疑った…まさかそんなはずないって思ったからだ、しかしその声は紛れもなくティティスのもので彼女は普通に森の中からその姿も現した。


「お前っ……生きてたのかっ!?」


「……………あのさ?勝手に殺さないでくれる?」


ティティスは呆れたようにジト目で俺を見つめる、この感じ、本当にティティスは生きていた。


「……それに受けたダメージはアンタの方がやばかったでしょ?……もう起きて大丈夫なの?」


「…あ、え?……いや、身体は痛くねぇけど……」


「…どうやら回復剤が効いたみたいね…」


俺の方がダメージがやばかったと言うとやはり俺はあの後テュランノスに攻撃されたのか?それで一発ノックアウトしたって事なのか?それで、あの後はどうなったんだ?


「あ、てか……あの後どうなったんだよ!?お前と勇者が大丈夫だったって事はテュランノスは倒せたんだろ?」


「………そうね……うん、テュランノスは倒したわよ…」


どことなく暗い表情でティティスは笑った、しかし彼女の笑顔は無理しているようにしか見えない。


「…お前、大丈夫か?」


「…何が?」


「…魔の森に来てからずっと変だったから…今も凄く苦しそうな顔してるし….」


「…………」


コイツとは少しの間の付き合いだけど、俺から見たらティティスは感情的な性格をしている癖に肝心な物事は変に隠したがるところがある、だから今回の彼女は正直自分で抱えきれなくなった何かで心がキャパオーバーし、もう限界で情緒不安定になっているようにしか見えなかった。


「…言えよ」


「……………」


ティティスは俯き黙りのままだ。


「…言えって?」


「……………………」


「…俺は確かに弱いし戦闘じゃ全然足を引っ張ってばっかだけど、流石に話くらいは聞けるって!むしろそれまで取り上げられたらまじで俺の立場ねぇって…」


少しオーバーに泣く真似をした後に、出来るだけ優しい笑顔を作りティティスに笑いかける。


「…だから言ってくれよ、まー話を聞いて何も解決してやれないかも知れないけど…それでも、話を誰かに聞いてもらうだけで少しは楽になる事ってあるだろ?」


「……笑顔が胡散臭(うさんくさ)い…それと凄く気持ち悪い……」


「ちょ!ティティスさん!?やっと口を開いたと思ったらそれ!?」


彼女のいつものdis(ディス)りに思わず反応的に突っ込みを入れる。


「…でも、ずっと難しい顔して黙ってるより。今のそんな感じのお前の方がずっといいと思うぜ?」


「………ドMなの?」


「違うわっ!?…免疫力!お前のその毒舌にも免疫力が付いたから今となってはいつものお前じゃねーとなんか気持ち悪いじゃんって話!それをちょっとカッコつけて言っただけです!すみませんでしたねっ!!」


「…ふふ……ごめんごめん。…って全然カッコ付いてもなかったけどね…?」


ティティスの口元は緩み、自然と笑みが(こぼ)れた。

この何日間で本当に久しぶりに自然な表情の彼女を見た気がする。


「…あー、何か一人で色々考えるのも馬鹿らしくなってきたわ……」


自傷気味に笑い、ティティスは言葉を続けた。


「……今私達が居る新領域にある、あの滝!あの滝があるでしょ?」


ティティスは滝の方角を指差す。


「あぁ、セリーヌ滝…だっけ?」


「…そう、セリーヌ滝。……あの滝、元々私が昔家族と住んでいた村の近くにあったの…まだ、小さかった頃下の弟と一緒にお父さんに駄々をこねてよく連れてきてもらってたわ…」


魔の森はどんどん世界を侵食して来ている、もう既に皆んなが暮らしている王都が唯一残った街でもあると王様が言っていたのを思い出した。


「…それって、つまり………」


「えぇ。…あの滝があるって事は私の故郷もこの近くにあるって事ね……魔の森に侵食されてて本当に全然違う場所に変っちゃってるから、全然気が付かなかった…」


ティティスは穏やかに話をしてはいるが、正直今にも泣きそうに見えた。


『…本当に嫌になるわ…この世界…』


あの時彼女が吐き捨てるように言った言葉が頭に浮かぶ、俺が浮かれて滝に興奮している間、彼女はどんな気持ちであのセリーヌ滝を見つめていたのかと思うと胸が締め付けられた。


「…あの時、まだ世界がこんなになる前…」


ティティスはポツリポツリと過去の話を始めた。


【私の糞みたいな自己満小説を読んで下さっている親愛なる方々へ】


事前になろう小説に登録など作業が非常に面倒かとは思いますが、ブックマークや広告下側にある欄【☆☆☆☆☆】の星を押してポイントを入れて下さると本当に作者のやる気とモチベーションに繋がります、応援宜しくお願い致します!

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前回の次回予告が予告詐欺になってしまいました、今回で書き切ろうと思っていた所が思った以上に長くなってしまい、あと二投稿分で前回の次回予告的な感じと繋がります!御了承下さい!


そして、次回はティティスの過去の一つが詳しく語られる事になります。


最後に次回の投稿も同時刻14 時くらいになりますのでお楽しみに!

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