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まじかるココナッツ。  作者: いろいろ
第0章 ホルクスの街と英雄街
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19幕:ココと蒼葉の逃亡劇1 『ココは検証する』

 


 ココは魔力を操作してお兄ちゃんの腰に取り付けている短剣をぽいっと後ろに放り投げた。

 無論、お兄ちゃんは気づいていない。

 逃げることに全力なのだから。


 それもそのはず変異スライムは少し大きな猫種のような魔獣?になってからものすごい速さで追いかけてきている。

 だからお兄ちゃんは脇目も逸らさずに全力疾走中なのだ。

 そんな蒼葉お兄ちゃんに抱きかかえられてココはココは物を装備品をぽいぽいっと後ろにあちこちに放り投げている。


 手始めはお兄ちゃんの盾からだった。

 それからお兄ちゃんの腰に装備しているダガーを一つ。次はココが持っていたナイフを適当に投げて自分の皮の帽子を投げた後、ついでにお兄ちゃの帽子もぽいっと投げてみた。

 その後タイミングを見てココのバッグの中に入れてある秘密のオヤツ、昼間採取したとても苦い薬草類、水筒を投げてみた。一緒に魔力を操作して後ろの小石も投げつける。


 やはり全部に変異スライムは飛びかかる。

 その分だけ時間を稼ぐことはできた。


 頭の中で整理した後、次は魔力で動かした小石と小さな火球魔法(ファイヤーボール)を同時に直線上から外れた位置に放り投げる。

 小石は変異スライムが飛びついて取り込んだものの、すぐそばの小さ火球魔法(ファイヤーボール)はポンと弾かれてしまった。


 やっぱりそうだ。

 ココが思った通りである。


 続いてココのバッグに入れている食べ物や保存食を投げつける。その中には魔力を付与したものも混じっている。

 ついでにお兄ちゃんには秘密にしている特製の料理を投げつけようとしたがこれは冷静になって再度バッグにしまい込んだ。

 さっき楽しみにしていたものを取られたのにまた食べさせるのは嫌だったからだ。

 それにこれはお兄ちゃんやお姉ちゃんには秘密、ココだけで後でこっそり食べようと思って隠し持っていた、黙って収集していたココの大切なお楽しみ料理たちなのだ。


 それからお兄ちゃんの腰のポシェットの中から七つ道具の一つである塊を少しだけ取り出し風魔法(ウィンド)で粉砕させたものを布の中に隠して丸めて投げつけた。

 そして最後に燃えた木材を投げつけた。

 火魔法(ファイア)で燃やした木材である。


 どちらも取り込もうとして触手を広げながら包み込もうとして咄嗟に後ずさった。


 ピコーンとココの中で何かのスイッチが入る。

 小さくて柔らかい手で蒼葉お兄ちゃんの背中をピシピシと叩きココはお兄ちゃんに意思疎通魔法(コンタクトル)を唱えた。


【おにいちゃんおにいちゃんすらいむのじゃくてんわかったよ。】

【???】

【うんとねうんとね、、、】


 自分が試したことから浮かび上がった思ったこと考えたことを蒼葉に伝えた後、もう一度後ろの変異スライムを見直し、、、


 あれ?

 スライムがいない?

 どうして????


 途端に目の前の光景がぐるぐると回転し地面に転がっているのだと理解するまでにわずか数秒だった。そのわずか数秒の間、それから這い上がりココは驚愕した。


 二人の目の前に4枚の翼を広げた人間がいたからだ。

 ただしそれは人ならざるものである。

 透明感のある黒い体は光を反射し体のあちこちが不気味なほどの模様を浮かび上がらせている。

 それは翼の先から足元まで同じように収束しては弾け飛んでいる。

 そして少しずつその間隔は早くなっている。

 スライムであろうだった何かは今、悪魔のような翼を左右に広げてこちらを見ていた。




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