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追放されたけど、全能力がSSSで世界の理から外れてました  作者: 南蛇井


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125/130

第125話 《新魔法体系》

世界は変わった。


そして。


最も大きく変化したものの一つが――魔法だった。


ルナ


神代研究都市。


巨大演算塔。


無数の術式画面を前に。


ルナは完全に目を輝かせていた。


「はは……!」


「ははははは!!」


周囲の研究員たちが引いている。


だが。


本人は止まらない。


「最高じゃないか……!!」


彼女の前では。


旧世界では絶対不可能だった現象が起きていた。


火属性適性ゼロの少女が炎を生む。


剣士が無詠唱で空間を歪める。


魔法陣なしで治癒が発動。


既存理論では説明不可能。


だが。


ルナには理解できていた。


「旧魔法体系は……」


「神々の固定演算だった」


以前の魔法は。


決められた法則だった。


適性。


属性。


術式構造。


全部。


神々システムが定義した固定ルール。


だが。


今は違う。


世界そのものが自由化された。


結果。


魔法も変質した。


ルナは空間へ新理論を展開する。


そこには三つの単語。


《感情》


《意思》


《想像》


「新世界魔法は……」


「精神反応型になってる」


つまり。


強い感情。


明確な意志。


鮮明な想像。


それ自体が魔法発動条件になっていた。


だから。


適性がなくても発動する。


逆に。


高レベル術者でも失敗する。


完全不確定。


完全自由。


ルナは笑いを抑えきれない。


「こんなの……」


「研究者にとって天国だろ……!!」


だが。


当然。


問題も起きていた。


王都西区。


突然。


爆発。


市場の一角が吹き飛ぶ。


人々が悲鳴を上げる。


原因。


泣いていた少女。


感情暴走。


恐怖へ反応して魔法が発動した。


別の地方では。


怒りで雷撃暴走。


夢想が幻覚空間を形成。


想像が実体化し、建物崩壊。


世界中で魔法事故が急増していた。


帝国会議でも怒号が飛ぶ。


「制御不能すぎる!」


「このままでは世界が混乱するぞ!」


その頃。


王都外周。


暴走魔法災害現場。


轟音。


炎。


空間歪曲。


その中心へ。


一人の女性が踏み込む。


アイリス


巨大な暴走炎球が街を飲み込もうとしていた。


周囲の騎士たちは動けない。


以前の対魔法理論が通用しない。


術式予測不能。


だが。


アイリスは止まらない。


「全員下がれ!!」


踏み込む。


暴走魔力が彼女へ襲いかかる。


しかし。


アイリスは剣を振るった。


新世界では。


剣技すら変化していた。


強い意志。


守る覚悟。


それが力になる。


閃光。


暴走魔法が両断される。


周囲が絶句した。


「斬った……?」


アイリスは剣を肩へ乗せる。


「理屈なんか後でいい」


「まず守る」


その姿に。


若い騎士たちが目を輝かせた。


後日。


王国正式発表。


《世界防衛騎士団》設立。


目的は。


新世界災害対応。


境界異常。


暴走魔法。


未知法則。


すべてへの対抗。


アイリスが総指揮を取る。


混乱の時代。


だが。


人類は前へ進んでいた。


旧法則は消えた。


その代わり。


世界そのものが進化している。


自由で。


危険で。


可能性に満ちた世界。


その夜。


ルナが研究塔で解析を続けていた時。


突然。


警報が鳴る。


『未知生命反応検出』


ルナが振り向く。


画面に映るのは。


今まで存在しなかった魔力波形。


旧生態系データ一致なし。


世界法則変化後にのみ発生可能。


ルナの表情が変わる。


「……新種?」


その頃。


遥か北方。


雪山地帯。


白黒の霧の中。


“それ”は静かに目を開いた。


旧世界には存在しなかった。


新世界で生まれた。


未知の魔物が。

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