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ゴッドブレス 魔法戦車と戦少女  作者: きるきる
第三章 魔王と勇者
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魔竜との戦い その2


「みんなぁ!みんな無事⁉︎」


 まわりは土煙で視界がゼロに近い。誰か返事して。


「フレデリカ様。大丈夫です。私の盾が全員分間に合いました。それよりも……」


 すぐ近くから盾さんの声がした。


「うん。わかってる」


 やっぱり盾さんも、気付いている。

 何かが魔竜と一緒にトビラから出てきた。しかも、魔竜を盾にして。まるで、待ち伏せされているのがわかっていたかの様に。


「叡智さん!閃光さん!いる⁉︎」


「閃光はここに。叡智も無事を確認しております」


 いつの間にか、閃光さんが後ろでひざまずいてていた。


「閃光さん。アレどう思いますか?」


「はい。魔竜と同じ空間から出てきたのを確認いたしました。少なくとも魔界の生き物である事は間違いないと思われます」


 ピカァー


 目の前が輝き叡智の聖騎士が現れた。


「みなさま無事でなによりです。ここは距離をとるという意味で一度撤退しましょう。敵が未知数すぎます。探ってみたのですが、あたしでも分析できません。転移します。みなさん固まって……」


 ヴォォォォ!


 叡智の聖騎士のいた場所を青白いエネルギーの帯が通り過ぎていった。視界がホワイトアウトして何も見えなくなった。

 時間の経過で視力が戻ってくる。

 白い奔流が通り過ぎたあとに叡智の聖騎士の姿はなかった。


「叡智さぁぁん!」

 

 幼くて人懐っこい笑顔が頭に浮かぶ。


「お前ぇぇ!」


 考える間もなく突っ込んでいた。

 盾の聖騎士が制止する声がしたが止まれない。


 右手に蒼の剣を呼ぶ。

 今ある全ての魔力を蒼の剣へ。この子なら私の魔力の全てを受け止めてくれる。

 空間が魔力の飽和状態に達した。溢れた魔力がプラズマとなり夜の暗闇を昼間のように輝かす。

 

「よくもぉ‼︎」


 何かの気配に向かって右手を振り下ろす。

 何かわからないけど消えてしまえ!


 ガキィッ


 当たった!このまま真っ二つに切り捨ててやる。


 バチバチバチッ


 剣に伝導している魔力が逃げ場を失い、光と熱を爆発させている。構わない。私の魔力が尽きるまで送り続けてやる。この敵が消滅するまでやめてあげない。姿は見えないけど、そんなものは後で確認すればいい。


「このまま斬れてしまえ……」


 グワァ


 煙と水蒸気の中から腕が伸びてきた。

 瞬間、目の前が真っ暗になる。

 

「きゃあああ‼︎」


 顔面を掴まれた。

 剣から手をはなし両手で腕を引き剥がそうとするが、ほんの僅かも動かない。


「は……離せ……くっ、蒼の剣……助けて……」


 一番の相棒に意思を伝える。

 だが、まわりの状況に変化は起きない。


「う……嘘……あなたも捕まっているの……そんな……」


 確信してしまった。自力じゃ逃げられない。


「フレデリカ様!すぐに!」


 閃光さんの声だ!


「その手を離してもら……ぐおっ」


 強い衝撃の後、剣の聖騎士が遠くに吹き飛ばされていくのを感じた。


「閃光……さ……」


 ガシッ


 次の瞬間、心臓を鷲掴みにされた様な感覚が走る。苦しい。

 

「お前たちは何者だ。我と同じ気配の者のようだが」


 耳からじゃない。

 心の中に直接話しかけてくる声があった。




ここまでお読みいただきありがとうございます。


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