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ゴッドブレス 魔法戦車と戦少女  作者: きるきる
第二章 銀髪の冒険者
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あたたかい……


「う……ん……寝ちゃった。まだ眠い。もう少しだけ眠ろう」


「おい、大丈夫か?起きれるか?」

 

 まだ眠いから寝かせてよ。


「ホークぅ……もう少し寝かせて。眠いもん。あなたも少し眠ったら……」


「寝ぼけてないで起きろって」


「寝ぼけてなんか……あれ……私って確か」


 意識がある時の直近の記憶を呼び覚ます。


 「嘘……いやっ……ごめんなさい。私……」


 逃げなきゃ。私って気付かれる前に。


 でもよかった……彼生きていた。


「ちょっと外の空気吸ってきます。ありがとうございました!」


 裸足のまま外に飛び出した。

 門を出て、建物の裏に身を隠す。

 いつのまにか蒼の剣が横にいた。


「うぅ……よかったよぉ。ホーク生きててくれて」


 ずっと後悔してた。

 あの時、ちゃんと考えて行動してたら、もっといい方法があったはずだったんだ。そのせいで、あの人から片腕を奪ってしまった。だから正体は明かせない。あの人の元には戻れない。今日ここを出たら、もう二度と会ってはだめだ。

 髪の色も変わっているし、三年も経っている。気付かれる前にここを去ろう。


「シャルルさーん!どうしたんですか!もぅ、裸足じゃないですか。ブーツ持ってきましたからはいてください。ケガしちゃいますよ」


 金髪の少女が手に私のブーツを抱え、追いかけてきた。


「ありがとうニーサちゃん。何でもないの。私この先の街に用があった事思い出したの。だから、明日そこで落ち合いましょ」


「何ですか急に。泣いているんですか?どこか痛むんですか?私もうシャルルさんの仲間なんですよ。仲間なんですから、ひとりぼっちで悩まないでくださいよぉ。なんでも言ってくださいよぉ」


「ご、ごめんなさい。ニーサちゃんは泣く事ないよ。悪いのは全部私なんだから。ねっ?」


 この子はなんて、いい子なんだ。


 私はこの優しい女の子を抱きしめた。彼女も力いっぱい抱きしめ返してくれる。あったかいな。

 この暖かさに私の心は慰められる。

 私もこの子くらい優しい気持ちがほしい。

 そうしたら誰か一人くらい幸せにできるかもしれない。

 


 


ここまでお読みいただきありがとうございます。


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