表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/30

6.解剖




読み取れない記憶の破片が

そこらじゅうに散らばっている

拾っても拾っても

未だにすべてを集めることはできない



冷たい床の感触で目を覚ます

どれくらいの時間が経ったのだろう

朝と夜があと何回私に会いに来れば

静かに息を止められるのだろう



心にもないことを口にするくらいなら

いっそ舌を切り取って

あなたの声が聞けないなら

いっそ鼓膜を破ってしまえばよかった

意味のない機能ばかり

私をただ生かしている




読み取りたくない記憶の破片が

私の体を飾り立てる

はがしてもはがしても

未だにすべてから逃れることはできない



機械音の中で眠れずにいる

どれくらいの時間が経ったのだろう

あの時計の針があと何周したら

静かに息を止められるのだろう



会えない背中を探すくらいなら

いっそ眼をくりぬいて

あなたの匂いを忘れられないなら

いっそ鼻をちぎってしまえばよかった

あなたにつながる機能ばかり

私をただ生かしている



壊してしまったもの

無くしてしまったもの

たくさんたくさんあるの


いつも見失って

いつも逃げて

いつも怖がっていたから



心にもないことを口にするくらいなら

いっそ舌を切り取って

あなたの声が聞けないなら

いっそ鼓膜を破ってしまえばよかった

意味のない機能ばかり

私をただ生かしている



会えない背中を探すくらいなら

いっそ眼をくりぬいて

あなたの匂いを忘れられないなら

いっそ鼻をちぎってしまえばよかった

あなたにつながる機能ばかり

私をただ生かしている



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ