2/3
『かつて箱だったもの』
プレゼント用に装飾されているが、誰かにあげるために買ったわけではなかった。完全に自分用なのだが、箱の中身からして勝手にプレゼントだと思われ店員さんが有無を言わさず綺麗に包装してくれたのだ。
そして帰り道。箱が襲われた。
勿論、人間相手にじゃない。犬だ。…いや、あれは狂犬と評すべきだろう。動物好きの拓真にとってアレを犬だとは認めたくはない。
何故、拓真の箱をピンポイントで狙われたかは定かではないが、襲われたまま為す術がなかった。
噛む、千切る、引っ掻く、裂く。それをただ狂犬の気が済み去るまで見つめることしか出来ない。
人生で中々起こらないであろう珍事件を思い出し、大きく溜め息。
箱の中身をおそるおそる確かめる。
無傷ではないだろうが、軽傷で収まっていてほしい。
そんな僅かな希望に賭け、箱を広げ…。
うわ、完全にダメだ……。




