第三話:ファースト・コンタクト
この俺、宮上 唯人が華麗かつ美しくに転校の挨拶を決め、自分のテリトリーまたは城もしくは席に座る、瞬間に電子音のチャイムが鳴る。
「じゃあ、ホームルームは終わりな~、白鷺~転校生のことよろしくな」
女性教師がそう言うと
「わかりました先生」
と赤ブチ眼鏡で髪を一本のお下げにまとめ、前に出すと言う出で立ちの、おそらく委員長と思われる女子生徒が、見かけどうりの澄んでいるが、ハッキリした声を出す。
俺がその様子を眺めていると、背中にツンツンと違和感というには強すぎる触覚の刺激を感じ取った。
「よぉ、転校生……宮上 唯人だっけか、俺の名前は今城 大輝、よろしくな」
いかにも軽薄そうな男が軽薄そうな声で軽薄そうなことを言う。
俺はこういうタイプの相手はしない、決してだ。
なぜなら、ウザイからだ、初対面の相手の背中をつつき、なれなれしく話しかける人間など、知的レベルが低く、性格も悪いからな。
「お前よりはマシだろ」
一二三がまた時を止め、そう冷たい顔で言い放つ
「バカな!? 本気を出したら、頭が良く、運動神経もあり、性格もいい人間になるぞ俺は、本気を出したらな! 」
俺は一二三の間違いを訂正する。
「いやいや~、まあ、そういうことにしておいてやるよ」
一二三はヘラヘラ笑いながらそう言う
「で? なんか用」
俺は腑に落ちないところがありながらも、突然また時を止め始めたのか気になるので、そっちを聞くことにする。
「いや、せっかく話しかけてくれてるんだから、無視はないでしょう」
一二三は困ったような顔をしながらそう言ってくる
「あ?! “話しかけてくれてるんだから”ってなぜ俺が懇願して話しかけてもらったかのよう言うんだ? あいつが勝手に話しかけてきただけだろうが」
俺は一二三の間違いを指摘する、俺と言う人間はわずかな誤りも目ざとく見つけ即座に訂正するように教えてあげる、職人気質な一面もある男なのだ、まぁ、もっともの世の中の浅はかで自意識過剰なチンケは自尊心を守ることにご執心のパンピーどもは、俺の細やかかつ正当性のある指摘を、細かいだの、揚げ足取るなどの、話を変えるなだの、トンチンカンだの、言うがこれらは全て、しっかりとし論理的な俺に対する嫉妬か、己の無知を傲慢が招いたミスを認める器も反論する知性が無いだけ(むろん俺の完璧な論理に反論の余地は無い)タチが悪いのになるその両方が当てはまる人間がただただ幼児のように感情的に言い放つ捨て台詞でしかない、そういうの負け犬の遠吠えとい言う、勝ち馬な俺にはどうでもいいことなのでいちいち気にすることは無い、むしろそんなくだらないことをほざき勝った気で悦にひたり、まわりの人間にあいつを論破したと誇らしげに自慢して回る姿を、想像力豊かな俺が想像し、愚劣な姿に憐れみを感じるという慈悲深い精神を持っているのだ。
「あ、ああ、とにかく話しかけてきた人を無視するのはどうかと思うよ? 」
一二三はきちんと俺の訂正を受け入れたのだな、まぁ自らのミスを謝罪にないという点には不満があるが俺と言う器のでかい男はそんなことは気にしないので、流してやろう(本当は一二三がめんどくさいので流しただけ)。
「ふぅん! どうでもいい奴などに俺はいちいち相手はしない、だいたいなぜ勝手に話しかけてきたあの男に俺がいちいち反応してやらればならんのだ? 」
論理的な俺にはくだらない社交辞令だの礼儀などは存在しない、そんなものは非論理的な愚か者が考えたもの、バカだけが勝手にやっていればいいのだ。
「いやでもさ、せっかく友達作るチャンスだよ、ほら彼、ちょっとチャラいけどいいやつそうだよ」
一二三は自称今城 大輝なる男を指す。
「ふぅん……一二三には人を見る目がないな、この男はロクでもないやつだ、おそらく夜は街に出てカツアゲとナンパに勤しんでいる低俗な人間だ」
俺の圧倒的な観察眼がそう導き出した。間違いはない。
「はぁ、土管とパンの耳がそんなに恋しいか? 」
笑顔しかし、威圧感があるそんあ雰囲気を一二三が発する。
「チッ! わかった、、わかった、やりゃあイイんだろ、やりゃあ」
理不尽すぎる。俺は涙をこらえこのチャラ男に返事をするという屈辱的な事をすることにした。
「あ、ああ……よろしく……です」
俺はチャラ男とは格の違う礼儀正しい返しをする。
「おいおい、他人行儀だな~、もっと仲良くやろうぜ」
チャラ男がそう言った瞬間、また時が止まった
「先に釘刺しとくけど、“他人だろ”とか言ったら、土管だからな」
一二三は俺を脅す。
「グッ……! 」
俺は屈服するしかない。
また時は動く
「ああ」
俺がそうチャラ男に返事をすると。
「こら! いきなり馴れ馴れしわよ」
おそらく委員長の白鷺という女が、チャラ男もとい今城の頭を教科書で優しく叩く。
「あ! 私は白鷺 美和子、このクラスの委員長をしています、なにか困ったことがあったら遠慮なく言ってきてね」
白鷺は笑みを浮かべ俺にそう言う
「こいつ、怒らせるめんどくさいから関わらないほうがいいぞ」
今城がふざけた口調でそう言うと、白鷺が教科書で今城の頭を叩いた
クラス委員長と言う雑用をやっているだけあって面倒見と責任感はある様に見える
「じゃあ、あの先生ってどういう名前? 」
俺は気になっていたことを聞いてみる。
「あ、あの先生はこのクラスの担任の柿道 理恵鳴先生よ、まあ、ちょっと適当だけどいい先生だから安心して」
白鷺はそう答える
「そうか」
俺がそう答えると
俺の周りに人だかりが出来始めた。
転校生はこうだからめんどくさい。
俺は少し老けたかもしれない顔になる。