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師匠

 まれつきあしわるいンガボは、成人せいじん儀式ぎしきわるとすぐに、呪術師じゅじゅつし弟子でしになるためにでかけた。おんなたちにじってはたけ手伝てつだみちもあったが、そういうものたちが一人前いちにんまえとはあつかわれず馬鹿ばかにされるさまをずっとてきた。


 もりおくれた呪術師じゅじゅつしんでいた。わりもので、どこの集団しゅうだんにもぞくさず、一人ひとり薬草やくそう研究けんきゅうをしている。かれは、くちにできるものはなんでもかじってみた。おかげでにかけたこともあったが、だれよりも薬草やくそう知識ちしきふかかった。


「そのあしなおせないよ。」

 かれは、やってきたンガボを一目見ひとめみるなりった。

「いえ、弟子でしにしてほしい。」

「へ、おまえさんもかい。これで何十人目なにじゅうにんめかな。」

 呪術師じゅじゅつしは、薬草やくそう調合ちょうごうしながらつづけた。


りにられない自分じぶん呪術師じゅじゅつしになるしかきていけない。」

 ンガボが必死ひっしうったえた。

「はて、どうかな。とりあえず、つかれただろう。これでもんでゆっくりするがいい。」

 呪術師じゅじゅつし薬草やくそうせんじたおちゃをンガボのまえした。


 ンガボはちょっとためらった。初対面しょたいめんのものからされたものをくちにすることは危険きけんだ。

「ふん、馬鹿ばかではなさそうだな。」

 呪術師じゅじゅつしはそういうと、自分じぶんおなじものをくちふくんだ。かれがしっかりとむのをてから、ンガボはされたおちゃくちにした。

「この仕事しごと用心深ようじんぶかさが必要ひつようじゃ。病気びょうきのものに迂闊うかつさわれば自分じぶんおなやまいにかかる。やまいなおせなければうらまれることもある。安易あんい悪霊あくりょうのせいにせず、原因げんいんをみきわめることこそもっと必要ひつようなことだ。」

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