1-26 GOGOGO!
ブックマーク評価共にありがとうございます!
どうやら俺の開けた穴は良い具合に地下施設の廊下と繋がっていたようだ。
だか、俺たちが通ったのは正規の入り口からではなく、乱入だ。
「道は二本。どうする?」
どちらかは正規の入り口につながっているのだろう。そしてもう一方は奥へと続く道。
「そうね……。長期戦になればフリになるのはあたしたちよ。だったらここは二手にわかれた方が良さそうね」
「賛成っと」
俺としても一人になった方がありがたい。
なんせ、まだコントロールが満足にできないからな。巻き込まない自信がない。
俺は内から感じる別の力を思いながらそう返した。
「それじゃ、あたしはこっちから行くわ。あんたも気を付けなさいよ」
「へいへい」
適当に手を振った後、俺たちは別々の方向に向かって走り出した。
もしもこっちが奥に続く道なら良し。入り口に続く道ならば引き返せば良いだけだ。
場合によっては上にいた連中をその道から誘い込んで、こっちの味方を増やすって手もあるな。
どっちにせよ、今は進むだけだ。
一定の間隔で同じような壺だったり、絵などが飾ってある廊下を走っていると、大きな空間に出た。
「入り口……ぽくはないか……」
どうやら俺の進んだ道が奥に続く道だったらしい。
待っていればそのうち実久がやって来ると思うのだが、わざわざ待つ事もないだろう。
それに今の俺は一人じゃない。万が一は、多分ない。
「さてと、分かれ道か」
それなりに大きな空間。その四方に道があるのだが、つまり俺が今来た道以外に三つの道があるのだ。
ここはどっちに俺が進んだのか実久がわかりやすいように何か痕跡を残したいいのか?
俺と実久が別の道を行けば三分の二の確率であたりになるんだ。
けどまあ、そんな面倒な事はしなくていいか。
俺と実久が同じ道を選ぶなんて三分の一の確率だ。大丈夫大丈夫。
「てことでこの道にきーめたっと」
俺は俺の道を突き進む。
てことで、俺が選んだのは入り口から対照の場合にある出口だ。
また同じような細い廊下が続いていた。
さすがにこの景色にも飽きてきたんだよなー。
芸術とかに興味がある奴からさっきから道の左右に飾られているものたちに興奮しそうだが、俺にそんな趣味はない。
俺はふと立ち止まった。
(……見られてるな)
どこからかはわからない。いつからだったのかもわからない。
どうやら俺はここが敵陣の中だっていう自覚をちゃんと出来ていなかったらしい。
(視線は一つ……かね)
気配を読み取る技術はぶっちゃけ得意じゃないんだよなー。
視線に気付けたのはマーレ師匠との修行の賜物だとは思うが、苦手なものは苦手だ。
「誰だ! こそこそしてないで出て来い!」
腰に剣に手を掛けながら俺は魔力を軽く周囲に報酬して威嚇する。
「……ほう。我の気配に気付いたか。中々の強者」
「声だけじゃなくて姿を現したらどうだ?」
「……クックックッ。そうだな」
その言葉と同時に正面の空間が割れていく。
そこに現れたのはまるで武者のような昔の日本にいそうな鎧兜の存在。
鬼の仮面を付けているせいで素顔はわからないが、体格して男。それも大柄でごっつい感じだな。
「何者だ?」
「それは我のセリフだ」
「俺か? そうだな。やばい実験をやっているアホどもを粛清する。幼女の使い、てか?」
鎧男の腰にあるのは日本男児ならば結構興味のあるもの。
日本刀だ。
まあ、こっちの世界じゃ呼び名が違うんだったなり
日本で作られたから日本刀。
ならばここ、刀和国で作られたのだから。刀和刀とでも呼ぶのか?
「お主が何者かはもう良い。どちらにせよ結果は変わらなん」
「結果? そいつは一体どんな結果だ?」
「ふっ。言うまでもないだろう」
ゆっくりと腰に差した刀を引き抜く鎧男。
「我に斬られるという結果だ」
その刀身のすべてが露わになった瞬間。刀そのものから凄まじく何かが、目に見えない圧力のようなものが発されていた。
「ほう。この刀の妖力まで気付くか」
その圧力に俺が眉を顰めていると、鎧男が嬉しそうに言う。
「妖力?」
「そうだ。ここ、刀和国はその名が示す通り多くの刀が生まれた国。刀としての有り様は様々、もはや刀として最低限の特徴すら無きものさえあるほどに、その有り様は多種多様。
これはそんな和国刀の一振り。その有り様は妖刀。強い呪いによって鍛えられた刀だ」
「……へぇ。そりゃ随分と妙な感じだな」
鎧男の持つ刀は一見普通の日本刀に見えるのだが、刀身が黒い。
まるで人の黒い感情を宿しているかとような黒さ。
呪いによって鍛えられたって言ってるし、あながち間違ってもいないのだろう。
「まあいいや。どんな刀だろうが、こいつで斬るだけだ」
俺は俺の相棒を腰から抜く。
白銀に輝くその刀身が美しさと共に、死を司るかのような冷たさを纏っている。
「……ほう。浅斬か」
「へぇ。知ってるのか」
「刀和国でも有名な刀鍛冶の一人。ジンの鍛えた試作刀。それが浅斬」
試作刀? この刀がか?
「不服そうだな」
俺の心を読み取ったかのよつに言う鎧男。顔が見えなくてもわかる。こいつ今、ニヤッとしたぞ。
「確かにその刀の斬れ味は刀という点で見れば高い。だが、我らの武具はその程度ではつとまらないのだ」
「何を言っている?」
「ただ良く斬れる刀に価値はないという事だ」
そう言い終わった瞬間。鎧男の姿がぶれた。
『イツキ!』
姿なき声によって俺は反射的に刀を眼前に構える。
その瞬間、目の前に現れた鎧男の剣とぶつかり合った。
「いざ参る」
次回更新は明日です!
感想や評価、お気に入り登録などよろしくお願いします!




