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百話厭説  作者:
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13/20

013.見える

 ──良いですか?

 ごめんなさい、あなたは幽霊が見えるんですよね?

 そうですよね?

 それを大前提として聞きますからね。


 私に、幽霊は憑いていますか?


 ……ああ、そうですか。そうですよね。

 やっぱり、何も憑いて無いですよね……。


 ……1か月くらい前からですね、見えるんですよ。

 小さな子供──多分、女の子が。

 いえいえ、私は霊感なんて無いです!

 むしろ、幽霊とか全然信じて無いんですよ。


 思い当たる節が、無いんです。


 毎日同じルーティーンを繰り返す毎日で。

 独り身ですし、ぶっちゃけ友達もいません。

 例えば同僚とか両親とかが怖い話をしてたとかも無いです。

 何か事件や事故を目撃したこともありません。

 インドア派なんで、特別何処かへ出かけたりもしてません。


 ホラーも好きじゃないんで。

 何かホラー映画とか小説とかの類も観てません。

 テレビで不意打ちに怖い演出やCMを観てもいません。

 何か……怖い、音楽? とかも聴いてません。


 特別な買い物もして無いです。

 家ももう5年住んでいるところです。

 最近引っ越してきた人とかもいません。


 ……病院も行きました。

 検査しても何も出ませんでした。

 薬を飲んでも消えません。


 えーっと、あと、なんでしょう?

 とにかく、何にも思い当たる節が無いんです。


 なのに見えるんですよ!

 小さな子供が!

 何をしていても!

 視界の隅に!


 ほら、今も!


 ……あの、本当に、見え無いんですよね?

 あなたで五人目なんですよ。


 これ……一体何なんですかね?

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