ある日突然に0050
兎に角、俺専用の設備が造られてしまっているからには通わねばならないんだろうなぁ。
っかさぁ…
俺達って昨日に王都へ着いたばかりだよね。
なのに既に俺専用の施設って…
いや、違うか。
親父さんが統治を任されていた王領から移動するのに1ヶ月。
その間…
いや、親父さんを王都へ封ずる下知を陛下が下す前から取り掛かっていたとしたら…
それでも…
規模によって建築速度が異なるとしても…
どう考えても間に合う様にはな。
それが間に合うなら既存の建物を流用したか、若しくは魔法か?
いや冗談では無く魔法では無く魔術を用いたねかもな。
土や木々を操る術を用いれば、基礎や枠組みなどを造り出すなどは造作もあるまいな。
単純な労力ならばゴーレムを駆使すれば良いからなぁ。
最近は、ある程度は自立思考が行えるタイプまで開発できているのだとか。
いやいや、それって何てアンドロイド?
いや、この異世界って意外とパねぇっすわ。
でもな、これらは最先端技術で容易く現場へ導入される技術では無い筈なんだが…
っても王国トップである陛下の勅命ならば嫌はあるまいて。
それこそ王権が威を振るうってな。
しかしなぁ…
1、5歳児の為の施設を構築する為に、そこまでするかぁ?
おかしくね?
『良く言うわぇ』
んっ?
『そうでありんすや』
んんんんんっ?
どゆ事?
『ハァァァッ…
あんさんなぁ。
悪人とは言え、魔術にて複数の輩を再起不能にしとんのやで。
そんな幼子、危のうて放置でけるかいな』
呆れて言うなしっ!
『じゃっどぉん…
主どんも考えてみると良か。
5歳児が屈強な者共をば容易く撃退でごわすぞ。
しかも魔術師も含まれちょったでごわす。
こがんこつしたモンば幼子っうこつは、中々に恐ろしゅうおわすな』
ま、ねぇ。
確かに遣り過ぎたかも…しれんけんど…さぁ…
うん。
反省も後悔も御座いません!!
ヤツらはウィンティアを狙ったのです。
良いですか?
あの、かわゆい、かわゆい、ウィンティアちゃんをです!
当然の報いと言うべきですよね?
いや、うべきなのでしたぁっ!
『こりゃ、ダメや』
匙投げなしっ。
そんな高速思考を終えた俺へ親父さんが告げる。
「それでな。
明日にでも学院へ手続きに向かう必要があるのだが…
父さんは軍務がある故に同行できないのだよ。
母さんに付き添って貰って学院に手続きを行いに行って欲しいのだが…」
うん。
俺に言う様にお袋様を見て告げているな。
まぁ…実際に手続きすんのはお袋様だろうしさ。
そう考えたら、しぁ~ないかな。
そんなん考えてっとお袋様がね。
「仕方ないわねぇ…
何処で手続きするかは受付に訊けば良いのかしら?」
その様に尋ねるとだ。
「手続きは学院長が直接行うとの事だ」
へっ?
1生徒の入学手続きを魔術学術院トップである学院長が自ら行うのっ?
訳わかめ???
そんな疑問を俺が抱いた事など気付かずに、親父さんが話を続ける。
「明日は取り敢えず受付へ向かってくれ。
ガリルの事は先方は承知しているから、誰か学院長室まで先導してくれるだろう」
さいですか。
「そして現在の学院長はエレシアらしい」
その様に告げるとだっ、告げられたお袋様が驚いた様にな。
「えっ!?
エレシアが学院長なのっ!?」
えらく驚いてらっしやいますな。
どしたの?
「うむ。
嘗て[滅輝]の一員であった[峻烈]エレシアだな」
あっ…
普通に告げちゃったけどさぁ。
良いの?親父さん。
お袋様は俺とウィンティアには秘密にしていた筈なんだけどね。
まっ、俺は知ってたけどさぁ。
しかし、[滅輝]ねぇ…
お袋様が[神秘の聖女]以外に[殲滅妃]ってぇ2つ名を持っていたのにも驚いたが…
お袋様のパーティー名が[滅輝]で、メンバーが[灰燼貴]ジルに[戦慄]マイリルって…
更に[峻烈]エレシアさんれすか…
どんだけの事をしてたんだってばよぉ~
っか…
お袋様の雰囲気が変わった様な…
いや、決して俺は見ないぞっ!
見ちゃダメだっ!
見ちゃダメなんだっ!!
「センティア、落ち着けぇっ!
ガリルは火山麓でジルが口走ってから知ってんだよっ!
ウィンティアは寝てっだろっ!」
必死れすね。
まぁ、気持ちは分かりますがね。
恐らく…だが…
今のお袋様の面は般若の如しってな。
いや、見ないけどね。
そこら辺は親父さんにお任せだね。
だって俺…5歳児ですもの。
『都合が良い5歳児であるや』
そう?
照れますなぁ~
『何処に照れる要素があるんやねんなっ!』
ナイス突っ込み、有り難う御座います♪
取り敢えずは放置で。
思考は通常モードでスルーしながら嵐が過ぎ去るのを待つ。
船乗りの基本ね。
『何時から船乗りになったでごわす?』
おお、ナイス反応やね。
うん、矢張り突っ込み要員は必要だね。
そう思います。
などと逃避している間に、話がついた様だな。
ついたと言うか先延ばしと言うか…
後でとなったみたいだ。
うん、良かったね、親父さん。
それで話は纏まり、明日の予定が確定ってな。
明日は朝に食事を終えたら魔術学術院へとお出掛けれすね。
無論、ウィンティアも同行れす。
ウィンティアを1人お留守番させるなど有り得ませんからね。
当然の処置でしょう。
話が終わったので、俺は速攻で部屋へと。
無論、ウィンティアを連れて来る事を忘れません。
そんな俺達を親父さんが絶望感溢れる目で追うが…
これからドナドナ後に折檻なんれすね。
分かってます。
頑張ってねぇ~




