ある日突然に0048
辿り着いた屋敷ですが…宮殿?
いや、阿呆ですか?
門から玄関が見えません。
豊かな森が広がっておりますなぁ~
あ~っとぉ、彼方は花園れすか?
見事な花の庭園がね。
門扉や門柱の細工も素晴らしい。
詰め所には兵士達が詰めて警戒ね。
高い塀が敷地を囲み人が立ち入るのを拒んでいるよ。
そんな宮殿を囲む塀沿いに衛兵さんが巡回ですか、そうですか。
『主さん』
んっ?
『あの彫像なんしが、ゴーレムでありんす』
へっ?
彼方此方にクリーチャーのガードがね。
なんぞ、此処?
使用人達も住み込みではあるが…
基本は俺達家族4人で、それをサポートする者達だけなんだが…
こんな広い空間って要らなくねっ?
っか、親父様も頭を抱えてまんねぇ。
「マジかぁっ…」
そんな呟きも。
お袋様も戸惑ってんな。
「アナタ…」
お袋様が声を掛けると、親父様がね。
「ちと待て、確認する」
王都に辿り着いてから先導していた騎士を親父様が呼ぶ。
「閣下。
何か御座いましたでしょうか?」
ビシッとな。
そんな彼へ戸惑った様に。
「うむ。
少々確認したい事柄がな」
っと。
「何で御座いましょう?」
いや…気付けよなっ!
「うむ。
我は貸与される屋敷への案内されとると思っていたのだがな。
先に皇族の何方かへ御挨拶する運びなのか?」
えっ?
こ、皇族って…
親父様が尋ねると騎士が戸惑った様に。
「いえ私は、伯爵様へ貸し出される屋敷へ案内申し上げたのですが…」
困惑顔で。
そんな彼を親父様はシゲシゲと見詰め告げる。
「此処は皇族の方々が御使用になられる宮殿の1つの筈だ。
現国王様の身内は少なく、宮殿に空きがあるとは聞いておるが…
まさか、それを貸与とは言わぬよな?」
引き攣った顔にてな。
「ぬっ?
お聞きになられて、おられなんだのですかな?」
「何をだね?」
不思議そうな顔から推測するに、本当に親父様は知らないとみえる。
なんだろね?
「現在の王都には貴族屋敷が不足しておるのです。
ですが宮殿には空きがありましてな。 この度は無理に伯爵様へ陞爵された為、陛下がこの屋敷を御用意命じられたのだとか。
しかも魔術学術院が屋敷の裏手に隣接する立地でもあります。
それを鑑みて、この屋敷を伯爵様へ貸し出されるとの事ですが…
連絡が成されておりませんでしょうか?」
恐る恐るな。
連絡の不備なのか?
そうであるならば、一大事だな。
その筈なんだが…
親父様が片手で顔を覆い溜め息を。
「陛下…」
って、溜め息と一緒に告げたよね、今…
もしかして…
「恐らくは陛下のお戯れであろうな」
困った様に呟く親父様。
って…あんるぇ?
国王様って、案外お茶目な方だったりして…
「ああ…」
騎士さんも納得した様な声だがね。
何故に遠い目を?
もしかしたら困ったさんなの?
陛下ってさぁ…
「ま、まぁ…」
気を取り直した騎士さんがね。
「此方の維持費は国庫から出ますし使用人も回されます。
それに人が住まわぬ建物は傷むとの話もあれば、伯爵様へ貸し出される事は悪く無い方策やもしれませんな」
はははって乾いた笑いをね。
うん。
自分を納得させた様だね。
お袋様も困り顔だったが諦めたみたいだ。
王様…自由過ぎるだろ。
そんな強制サプライズはあったが、無事に屋敷へと…
いや…
これを、あくまでも屋敷と曰うならばだがな。
村で住んでいた屋敷クラスの建物が別館として5ヶ所に存在。
離れ的な扱いなのだとか。
いやね、離れって…
本館は、まさに宮殿だよ。
小国なら王宮として王族が住まうクラスだよね。
つか、皇族として王城からでる方が住まう場所なんだよ、本来はっ!
玄関まで馬車での移動だか…
玄関前に何台馬車が乗り入れれるんだよっ!
宮殿内には大ホールが3つ。
小ホールが2つ。
厨房は1つだが、規模がちげぇっ!
俺も割り当てられた部屋へとな。
いやな…
1部屋が五十畳はあるのに7部屋がバストイレキッチン別にて完備って…
しかも使用人部屋は別に付いていやす。
いや…
何処ぞの大家族を住まわせるちゅーねんなっ!
これが子供部屋っう~んだから驚きだ。
親父様達の部屋は更に規模が違う。
こんな部屋落ち着くかぁっ!!
それでも、これからは此処で過ごすしか無いんだよなぁ~
ハァッ。
少し憂鬱れす。
はぁ?
贅沢ぅ?
何を言っとるんですかっ!
こんな広い部屋を1人で過ごすんだぞっ!
落ち着かんわっ!
大体、持ち込んだ荷物も1部屋内に収まる所か空間空きまくりんぐってな。
本当に勘弁して下さいなっ。
しかもだ。
着替えもメイドが、洗顔に歯磨き、風呂や排泄にまで付き纏う。
これが貴族の生活ですぅ?
いやいやいや。
納得できないからねっ!
俺は拒否って自分で行う様にしたが…
これは親父様とお袋様もだな。
本当に勘弁だってばよぉ。
そんな貴族の生活が始まる訳で…
早速、親父様は次の日に登城れす。
それは良かったんだけどな。
何故か帰って来たらね。
「ガリル…
明日から学院へ通って貰うぞ」
爆弾発言です。
どゆことっ!?




