表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白き死神の挽歌(エレジー) ——極寒のコッラ、五〇五の墓標  作者: beens
第1章 ラウトヤルヴィの狩人

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/13

第4話 不協和音

 1939年、秋。

 森の紅葉が終わり、冬の気配が近づくにつれて、村の空気は急速に張り詰めていった。

 ソ連からの要求は日に日にエスカレートしていた。「レニングラードの安全を守るため」という名目で、カレリア地峡の領土割譲を迫ってきたのだ。それは、シモたちの住む故郷を明け渡せと言っているに等しかった。

 村の集会所では、大人たちが深刻な顔で議論を交わしていた。

「要求を飲むべきだ。相手は大国だぞ、戦争になればひとたまりもない」

「ふざけるな! 先祖代々の土地を、共産主義者どもに渡せるか!」

 シモは部屋の隅で、黙って話を聞いていた。

 政治の難しいことは分からない。だが、一つだけ分かることがある。

 自分の家の畑、父や母と耕したあの土地、そして獣たちが住む美しい森。それを「出て行け」と言われて、はいそうですかと出て行くわけにはいかないということだ。

「シモ、お前はどう思う?」

 幼馴染の友人に聞かれ、シモはポツリと言った。

「……自分の庭に泥棒が入ってきたら、追い払う。それだけだ」

 その声は小さかったが、不思議な説得力を持っていた。

 11月26日、国境付近のマイニラ村で砲撃事件が発生したというニュースが流れた(マイニラの砲撃)。ソ連側はこれを「フィンランド軍からの攻撃」と主張したが、それは明らかな自作自演だった。

 しかし、大国にとって真実などどうでもよかった。必要なのは、侵略のための「口実」だけだったのだ。

更新通知を受け取りたい方は、ぜひブックマークをお願いします!

「続きが気になる」「面白い」と思っていただけたら、下の☆☆☆☆☆から評価をいただけると、執筆の大きな励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ