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第14話 鋼鉄の雨
狙撃手同士の決闘に敗れたソ連軍は、なりふり構わぬ行動に出た。
翌日、シモが潜伏していたエリア一帯に、凄まじい轟音が降り注いだ。
絨毯爆撃だ。
空気を切り裂くヒュルヒュルという音の後、地面が揺れ、雪と土と木片が空高く吹き上げられる。
「畜生、森ごと消す気か!」
シモは古びた防空壕の底で、体を小さく丸めていた。
耳をつんざく爆音。衝撃波で内臓が揺さぶられる。
木々がへし折られ、美しい森が無惨な姿に変えられていく。
彼を殺すためだけに、数百発の砲弾が浪費されていた。
それは狂気だった。だが、戦争とは本来狂気そのものだ。
数時間に及ぶ砲撃が止んだ時、周囲の地形は変わっていた。
雪は煤で黒く汚れ、クレーターだらけになっていた。
ソ連兵のパトロール隊が、恐る恐る瓦礫の山に近づいてくる。
「死んだか? これだけ撃ち込めば、さすがに……」
隊長らしき男が、瓦礫の山を覗き込んだ。
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