表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/21

最終階層 炎竜王戦ですね!


「ふぅ……危ない危ない……。あんな涼やかなペディさんの顔、ずっと見てられないよ……。」


「ん?……。私の顔がどうかしたのかい?」


「あぁいや……なんでも。てへへ。」


モジモジと照れるリリー。


「あ! そうだ!! ペティさん、このダンジョンクリアしたら一緒に写真撮りましょうよ。勿論、ツバキちゃんも!」


「わっ! はっはいとりましょー! とりましょ。」


「ああ、構わないよ。」


「ホントですかー!! よっしゃ、俄然やる気出てきましたよー!!」


「よし、じゃあみんな行こう!! 」


──フィン。


次の階層へと繋がる異次元ゲートへ手をかざす


──次のエリアへ移動しますよろしいですか?


勿論、『はい』を選択。


──フィイイン。


渦巻く炎の洞窟《第2階層》


「さてさて。それじゃあ皆いっくよー!!」


リリーの号令で再びダンジョン攻略が開始される、撃破ボーナスでゴールドや装備ゲットを兼ねてスムーズなレベリング。


自分には必要が無いと思った素材やアイテムは2週目のペティルへと渡していった。


敵が少ない階層では時に素材を求め、最初から備わっている掘削アイテムで鉱物を集めたりした。


……──そして。


◇◆◇


時間にしておおよそ、20分足らず。

それくらいの時間が経ちリリー達はボスの住む最終回層《第5層》ボスの目の前へと到着していたのであった──……。


「それじゃあ……行くよ。皆」


「ああ、準備は出来ている」


「はっ、はい!!」


ガキン。

各階層のエリア中ボスを倒し、その戦利品として手に入れた鍵でゲートを開ける。


……──ギィイイイイイ。

その扉は重く、そして人間が入るにはあまりにも大きいその大きさから感じる圧倒的なオーラに圧倒されるパーティメンバー。


鍵によって固く閉ざされていたその扉が開き新たなる次元へと繋がっているポータル、『ディメンションポータル』が出現。


手をかざすとそのポータルの次元へと誘われ、遂にこのダンジョンの支配者『炎竜皇・ヘル・フレイムドラゴン』が姿を現す。


『──我ノ眠りヲ妨げる物は貴様ら人間か──……。』


──……ビュオオオオオ!!!


崩れ落ちる廃墟の数々。業火に焼かれ死滅した炎の世界がそこにはあった……──。


渦巻く灼熱の炎を纏い、闇夜に煌めく紅き竜の眼。侵入者を排除せんと月を覆い隠してしまうくらいの巨大な翼を羽ばたかせ、こちらへ向かい人間の言葉を使い問いかけてくる。


そのディストピア的な存在に対しリリーはと言うと……。


「やっば!! やっべー!! かっこいいいぃ……!! 早く倒して、鱗剥ぎ取ろうよ!!」


「……へ。」


「おっ……おほん。」


電源が抜け動かなくなった機械のようにポカンと全身の気が抜けるツバキ。


ムードぶち壊しだろと言わんばかりの苦笑いを浮かべるペティル。


AI技術で動いているNPCのジョニーでさえ返答に困るようなメタ発言。


言ってしまえば、ここに集まったプレイヤーの誰も目的はどれも同じなドラゴンの『ひと狩り』で、あるが。一生懸命覇気を纏わせ体感型の臨場感溢れるその竜皇を目の前にしてリリーのこのセリフは大分と言うかかなりアウェーであった。


……──『天然』可愛く形容するのであればそれが相応しい。


しかし、いちばん報われないのは最高の登場を果たしその直後に勝手にプレイヤーの1人の発言で格を落とされつつある炎竜王彼であった。


『人間、……。や八り──排除すベキ。忌むべき存在』


──グォオオオオ!!!


「んー? どうしたのー? 皆? キョトンとして。」


「いや、なんでも無い……。攻撃が来る……──行くぞ!!」


「わ、わたしもついて行きます!!!」


──ズビュン!!ズピュン!!!


ヘル・フレイムドラゴンが大きなその口を開き、灼熱の火炎弾を生成。その連撃がパーティへと襲いかかる。


「ツバキちゃん──!! スキル展開を!!」

衝撃波を纏いジリジリとこちらへ近づいてくる。このままでは大ダメージは逃れられない。そこでツバキはリリーの指令に従いスキルを連発する。


「は、はいっ!! 直ぐにそちらへ!!」

──フィオオン!!


【光の加護】【闇の呪縛】【影の鎖(シャドウロック)】【ヴァリアント・シールドⅡ】


ツバキが唱えた、スキル光の加護によって前線の3人のステータスが上昇し、属性優位効果も付与されそれに加え(シールド)増強魔法がジョニーの盾を魔法の盾へと変質させ巨大化させる。


「みんな!! 俺の背中に隠れるんだ!!」

【挑発】【シールドバリアⅡ】


「ナーイス!! ツバキちゃ!! めちゃくちゃ助かる!! スキルビルドセンスありまくり!!」


リリーの口から自然と零れたような純粋な言葉がツバキを鼓舞する。


「へっ!! 本当ですか!! 嬉しいです。へへへ……。」


「そろそろ反撃と行くぞ!! リリー」


「分かってますよ、ペティーさん。せーのっ!!」


「はぁああああああ!!!」


──グオオオォオ!!


2人は瞬間、タイミングを見計らい、盾から飛び出し連撃が来る前に、長い攻撃準備行動のタメに入った隙を突き呼吸と呼吸をピッタリと合わせ攻撃のラインを合わせながら、決して留まることの無い連撃を浴びせ続け──……。


……──ヘル・フレイムドラゴンを撃破する事に成功した。


あと数話で新章突入です。是非、よろしくお願いします。

明日も更新あると思います。


楽しんで頂ければ幸いです。出来ればですが、2話分投稿します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ