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7月9日

 数々の重大な話し合いが終わり、その後の光は穏やかな日々を送っていた。そんな光が今、手にしているのは一枚の嘆願書。その内容は──


「花火大会の復活か。今までは海外の連中に見せる為だけに作られていた花火だったが、今後は日本人が楽しむために打ち上げることが出来る。これもまた、日本の復活を告げる一つの形か」


 書類に不備もない事を確認したため、許可の印を押して下に回す。これで今年の8月の終わりには、本当に久しぶりに日本の夜に大輪の火の花が咲き乱れる事となるだろう。


(今日の仕事はこれでお終いか。まだ昼の2時だというのに……まあ、いい。休める時に休んでおかねばまた周囲に迷惑をかける。何時忙しくなっても良い様に備えておこうか)


 目を閉じて、背もたれに重心を預けしばしくつろぐ。今の所、すべては上手く回っていると言っていい。多少の不備は出ているが全体の流れを妨げるレベルの物はなく、光が四苦八苦しなければならない状況には程遠い。今の状態を来年の終わりまで維持できれば、神々の試練の1月前に全ての準備が整い、準備万端で決戦に挑める形が整う。


 無論、それは全ての国の国民が共に努力しているからこそ成しえている状況である。どちらかが片方に任せっきりになってしまったら、この状況は一瞬で消え去る事となるだろう。消え去れば当然、来年の年末は悲惨な事となるだろう。


(そうならないように、お互いが出来る事をしっかりと取り組んでいかねばな。出来る事と言えば……思い出した! いかん、如月司令から預かっていたものがあったじゃないか! すっかり忘れていた)


 光は今後の事を考えようとした矢先、2日前にも如月司令からあるデータを受け取っていたことを思い出した。如月司令は「時間が出来た時に見て頂ければ。緊急性は高くありませんので」と言っていたものだが……さっそく自分専用のPCで、そのデータを確認する。そこに入っていた物とは、神威・参特式完成予想図と、武装の詳細が載っていた。


(草薙の剣、八咫鏡、八尺瓊勾玉の3つを中心とした形は変わらずだな。そこに、肩部ミサイルや頭部バルカン、脚部の蹴り能力を上げるスネ部分から発するビーム・ブレイドなどが搭載されると。そして全体的にややマッシブになって、新しく開発された小型サブジェネレーターは両手両足の4か所に乗せるのか。かなりのハイパワーを誇る事になりそうだ。この機体のデータを元に、ある程度ダウングレードさせた物を神威・参式としてエースパイロットに配備する、と)


 ここで改めて、数字で確認しておこう。まず、以前光が乗っていた鉄のステータスだ。



RS-002-鉄



【頭頂高】 16.8m


【本体重量】 32.4t 重力コントロール通常設定値発動にて18.9t


【全備重量】 現時点にて追加オプションは存在せず、本体重量に準拠


【ジェネレーター出力】 メイン6,140kW サブ4.420KW バックアップ2.500KW


【スラスター総推力】 142,700kg 重力コントロール改機能搭載


【センサー有効半径】 17,550m


【装甲材質】 ネオマギ・ゴーレムメタル装甲、内部重力コントロールアーマー


【武装】 背部収納型長距射程マギ・ランチャー1セット、胸部ガトリングガン2×2(交互発射による熱対策)、マギ・カノンガン二丁、思念兵器スレイブ・ボムズ、近接攻撃用補助腕ワンセット(左にクロー、右にパイルを内臓)、鉄専用大太刀影柾、防御専用フィールドマギ・ガーディアン展開可能、専用AIノワールによる特殊行動システム、「鉄アイアンの血ブラッド」搭載、鉄の血開放中限定最終武装、「ラスト・カノン」 以上


【運用】 多数の相手に対する迎撃


【乗員人数】 1 (AIによるバックアップサポート有)




 そして、こちらが光が今後乗る事になる改良が施された神威・参特式(光専用チューンアップ適用版)となる。



【頭頂高】 15.0m


【本体重量】 26.3t 重力コントロール最大発動で3tまで軽減可能


【全備重量】 現状では外付け装備はない為本体重量と同じ


【ジェネレーター出力】 メイン7,400kW サブ2,964kW(4基、両手両足に各一つづつ配置)


【スラスター総出力】 364,000kg ネオ重力コントロール機能搭載


【センサー有効半径】 180,000m


【装甲材質】 ゴーレムメタル装甲η、内部重力コントロールアーマー・ネオ


【武装】 光波発生装置付き両手剣・草薙の剣 全方位特殊防御装置・八咫鏡 全方位攻撃特殊装置・八尺瓊勾玉 頭部マグナムバルカン・貫4門 肩部マイクロホーミングミサイル・山嵐 脚部格闘補助、斬脚 以上


【運用】 多数の隕石破砕作業


【乗員人数】 1+長門と大和の分霊が座れる席が存在



 やや小型になったが、パワーはガツンと増している。センサー範囲も大きく広がっており、装甲の方も強化が著しい。今更な話ではあるが、この性能であるなら鉄が最後に放ったあの全力攻撃であっても、自壊する事は無い。更に、あれと同等の火力は八尺瓊勾玉を集め、1点集中で対象に放つようにすれば届いてしまう。鬼面の顔に似合うだけの能力を手にしていると言っていいだろう。


 変形機構もオミットされているので、単純な防御力、耐久性も上がっている。どんなに頑丈に作っても、やはり変形機構があれば耐久性は落ちてしまう。それをいかに抑えるかは今後の研究と開発次第なのだが、今は横に置いておこう。それは次の次あたりの神々の試練で登場するかもしれない未来の話だ。


(これだけ、これだけ技術という物は進むときは進むのか。世界各国から協力を得られれば、こうも。地球に居た時も、いがみ合うのではなくこの様に協力出来たら……いや、それは無理か。地球の歴史が、それを不可能としてしまっていた。それに、今は過去を振り返っている時ではない。新しい世界を護れる力を得られた、それを喜び、世界を守り抜いて笑顔を広げる事を考える時だ)


 確認を終えた光は、PCの電源を落として再び目を閉じながらそう考える。今はまだ、前を向いて全力で走り続けなければならない時。神々の試練が終わってからでいいのだ、過去を振り返るのは。振り返る内容も、未来を繋いで行く為の内容にするべきであって、後悔やifを考える為だけにするべきではないだろう。


 確認をし、考えをまとめ終えて光がふと時計を見た時、時間はすでに午後の4時を回っていた。30分にも満たないと思っていた光は少し驚いたが、まあいいかと軽い気持ちで席を立ち、執務室を後にする。今日は自宅で軽い晩酌でもしようと考え、専用車の運転手に途中でちょっと寄り道をして貰い、焼き鳥や口直し用のサラダなどを購入。自宅でのんびりと一人の晩酌を楽しんだ。

お腹の調子が悪いので、非常に短いのですがこれで更新とします。

お腹ゴロゴロは、一番つらいです……頭痛など、これに比べればなんて事は無い……。

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― 新着の感想 ―
[一言] お腹、我慢できませんよね。 お大事に。
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