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お疲れなアラサー着物女子、推し活旅で推し友の神対応に癒された件  作者: 藍紫


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その7 団五郎恐るべし! その後の美和ちゃんと天子ちゃん

その7 団五郎恐るべし! その後の美和ちゃんと天子ちゃん



「天子様。いつもこの団五郎を応援して下さって、本当にありがとうございます」

団五郎は天子に向かって、頭を深々と下げた。

「そんな……私の推しですもの。当然の事です。

今日は友達の美和ちゃんを連れて来たのです。

こちらの世界は初めてなんですよ。ほほほ」

天子は乙女のようにしおらしくなっている。

美和が団五郎を見ると、やはり白い光で体がキラキラと光っている。

(そばで見るとますます眩しい……)


「おや、美和ちゃんは私の光が見えるんだね」

「えっ?」

「天子様、いや弁天様からご加護を頂いてから、私が光っているように見える人達がいるんだよ」

「団五郎様は、この私が選んだお人ですから。神々が見える力がある人には光り輝いて見えるのでしょう」

「え、じゃあ私にも神様が見えるってこと?」

「そりゃ、そうじゃ」

天子は今さら何を言っているのか?みたいな目で見ている。


「美和ちゃんは、この世界にきても私が見えてるだろう。私は基本、この世界では見えるものにしか見えんぞ。ちなみに孔ちゃんもな」

「……びっくりしたぁ。向こうの世界では天子ちゃんが見えてるの、普通だったからさ」


この世界の神様や使役の話、見える人や加護の事、美和にとっては全く当たり前ではない。それなのに、天子ちゃんは神様なのに、そんなことは関係なくもう友達としか思えない。二人で何かするのが楽しくてしようがないのだ。


美和は視線を感じ、ハッとして団五郎を見た。

団五郎が二人をニヤニヤして見ている。

「天子様、もうすっかり美和ちゃんと仲良しなんですねぇ。良かったです。私は嬉しいですよ」

そう言うと、団五郎は美和の手を握り、じっと見つめてこう言った。

「これからも、この浦安団五郎と天子様をどうかよろしくお願いしますね。美和ちゃん」


……ズッキューン!美和はまるで心臓を撃ち抜かれた気がした。

「はうぁ!」

「え?美和ちゃん?どうされました!」

「ふ、ふぁい!勿論でありまする!」

「ははは、可愛いお人だ」

ぽんぽん。団五郎は美和ちゃんの頭をそっと撫でた。

「う〜ん……」

「美和ちゃん!美和ちゃ〜ん!」

天子ちゃんが呼んでいるのが遠くに聞こえる……

美和は、団五郎の破壊力MAXのファンサぶりに、意識が遠くなっていった……


「美和ちゃん、大丈夫か!」

美和がハッと目を覚ますと、布団に寝かされていた。

「ここは『落ち着き部屋』と言われている部屋じゃ。主に団五郎の魅了にやられた娘が運ばれ、落ち着くまでいる部屋のことでな」

「ああ、芝居中に気絶して運ばれた人たち、ここに運ばれてたんだ……」

美和はまさか自分がファンサで倒れるとは思わなかった。

「団五郎、ホント恐るべしだね」

「そうなんじゃ。大分慣れたとはいえ私も時々危うくなるぞ」

「天子ちゃんがまだ危ういって!どんだけ凄いの、団五郎!しかし、『落ち着き部屋』って、ネーミング!ぷぷっ」

「あははははっ」

二人は涙が出るまで大笑いした。

(こんなふうに、一緒に誰かと遊んで大笑いすることなんて、一体どれくらいぶりだろう。少なくとも元婚約者と別れてからは、なかったな……

ホント、何だか色々な事がスッキリしたよ)


思いっきり笑ったあと、二人は互いの顔を見た。

「そろそろ帰る時間だな。美和ちゃん」

「うん、天子ちゃん。色々本当にありがとう。あっという間だったけど、いままでで一番楽しい旅だったよ。あの……また会えるよね」

「うん、また遊びにいくぞ。今度はちゃんとハニミルも観たいしな!」

「分かった!それまで私もお仕事頑張るよ」

美和は少し泣きそうになっていたが、我慢した。最後は笑顔で別れよう。そう思ったからだ。


「じゃあ、準備はよいかの」

「……うん、天子ちゃん」

美和がそう言うと、あたりが光に包まれていき二人はまた神の道に入っていった……


◆


「はい、お客様どうされました?

ああ……それはご心配でしたね。

お辛かったでしょう。

はい、はい、そのお気持ちになられたこと、大変よく分かります。

それでは、これからご一緒に考えてまいりましょう……」


美和は、一件目の相談の電話を終えた。

美和は変わらず健康相談コールセンターに勤務している。しかしその電話対応が好評で、今年の最優秀賞に選ばれた。(これは毎年お客様アンケートで選ばれる)

 

やればできる子。美和は職場の同期にそう呼ばれている。以前とあまりに違っているからだ。

今はしばらくこの職場で頑張ってみようと思っている。

(結局私は、どこにいても困ってる人をほっとけない。そういう性なんだもん。ね、心花魁!)


そういえば、明日から最優秀賞の副賞でもらった、箱根温泉ペア旅行だ。

そしてその次の日はハニミルのファンミだ!モモ君に会えるんだもん。よし、気合入れなきゃな!



よく晴れた春の日、新宿の待ち合わせ場所に来たのは……


「美和ちゃん〜!お待たせなのじゃ〜」

美和とすみれ堂で買った姉妹コーデの着物を着た、あの神様だった。














このお話はこれで以上になります。

ここまでお読み頂きありがとうございました。


※このお話は「早死して転生したアラフィフですが、異世界の江戸では人生愉快痛快です!

のスピンオフになります。



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