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虚無戦線  作者: MIROKU
混沌極まる時
12/99

商人編 時間商人!の巻!


    **


「ゴバッゴバッ~!」


 身長は263cm、体重は405kg。


 完璧商人始祖パーフェクト・オリジンの一人にして夏に活動する商人しょうじん、幻影マン。


 「サマー誘惑テンプテーション」とあだ名される幻影マンの活躍は、人々の生きる力に繋がるだろうか。


「……暑すぎる」


 とにかく、それに尽きるらしい。


 異常気象と人心の乱れ、それは地球の生命力が低下した事を意味している。


 人間の稚拙な計算など及ばぬ。大地の恵みも海の幸も、地球は産み出せなくなりつつあるのだ。


「ニャガニャガ、奇しくもオメガの星と同じですね」


 完璧商人始祖の一人、精神マンは珍しくシリアス顔だ。


 サイコな彼だが、完璧商人始祖の中では、最も新たな可能性に近い存在であった。


 始祖達のために、平和のために命をかけて戦う精神マンは、商人の新たな可能性をザ・漢に期待されていたのだ。


 ザ・漢の望みは弟子の誰かが自分を倒す事。だが弟子の中で打倒を目標としたのは黄金マンと奈落マンだけだ。


 精神マンを含めた他の始祖は、ザ・漢に恩義を感じていたから打倒するなど夢にも思わなかったのだ。


 精神マンの発見した磁力パワーは、始祖屈指の巨体を誇る歌唱マンを苦もなくふっとばした。


 他の始祖が否定する中で、ザ・漢が磁力パワーを認めたのは、自分を倒せる可能性を見出したからだ。


 ある意味、それくらいザ・漢は追い詰められていたという事である。


「それにしても天道マンさんが復活とは……」


 精神マンは今後の展開に注目する。


 天道マンが早々と復活したのは、読者に対する生存報告だったのではないか。


 白黒と天道マンのタッグが時間商人を相手に、どう戦うか。


 カオスの名を持つ青年は、ひょっとしたらパラレルワールド的存在だろうか。


 そして、時間商人も真の戦いの前の前座に過ぎぬのではないか……


 猛牛マンや仮面の貴公子こそがメインではないのか?


「ニャガニャガ……」


 精神マンは大海原を浮輪で漂う。今の彼はまるでクラゲのようだ。


 浮いて流れて、この世の様子を眺めている……

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