商人編 時間商人!の巻!
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「ゴバッゴバッ~!」
身長は263cm、体重は405kg。
完璧商人始祖の一人にして夏に活動する商人、幻影マン。
「夏の誘惑」とあだ名される幻影マンの活躍は、人々の生きる力に繋がるだろうか。
「……暑すぎる」
とにかく、それに尽きるらしい。
異常気象と人心の乱れ、それは地球の生命力が低下した事を意味している。
人間の稚拙な計算など及ばぬ。大地の恵みも海の幸も、地球は産み出せなくなりつつあるのだ。
「ニャガニャガ、奇しくもオメガの星と同じですね」
完璧商人始祖の一人、精神マンは珍しくシリアス顔だ。
サイコな彼だが、完璧商人始祖の中では、最も新たな可能性に近い存在であった。
始祖達のために、平和のために命をかけて戦う精神マンは、商人の新たな可能性をザ・漢に期待されていたのだ。
ザ・漢の望みは弟子の誰かが自分を倒す事。だが弟子の中で打倒を目標としたのは黄金マンと奈落マンだけだ。
精神マンを含めた他の始祖は、ザ・漢に恩義を感じていたから打倒するなど夢にも思わなかったのだ。
精神マンの発見した磁力パワーは、始祖屈指の巨体を誇る歌唱マンを苦もなくふっとばした。
他の始祖が否定する中で、ザ・漢が磁力パワーを認めたのは、自分を倒せる可能性を見出したからだ。
ある意味、それくらいザ・漢は追い詰められていたという事である。
「それにしても天道マンさんが復活とは……」
精神マンは今後の展開に注目する。
天道マンが早々と復活したのは、読者に対する生存報告だったのではないか。
白黒と天道マンのタッグが時間商人を相手に、どう戦うか。
カオスの名を持つ青年は、ひょっとしたらパラレルワールド的存在だろうか。
そして、時間商人も真の戦いの前の前座に過ぎぬのではないか……
猛牛マンや仮面の貴公子こそがメインではないのか?
「ニャガニャガ……」
精神マンは大海原を浮輪で漂う。今の彼はまるでクラゲのようだ。
浮いて流れて、この世の様子を眺めている……




